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鉄腕のオルタ  作者: ねこか ねこぞく
第0章 詐欺ロリ美少女
3/8

第3話 おっさん × チュートリアル

 森の大きく開けた場所に先程とよく似た女性が立っていた。


「ようこそいらっしゃいました。こちらはチュートリアルを行うための生命に囲まれた神聖な場所となります」


 女性は、ガチャッと鎧から音を出しながら会釈をした。


「世界観に慣れていただくため、これからの操作説明は全て会話形式で行わさせていただきます。ご了承ください」


「この度あなたのチュートリアルは神使ナビ:No109、マルクが務めさせていただきます」


「先程決められたあなたのお名前を教えください。て、あれ?」


 マルクは疑問いっぱいな顔で少女を見つめている。


「えーと、先程ってアバター作成のことかな? 名前なんて決めてないぞ?」


「えーやっぱり? ちょっと確認するから待っててね…うん、そうみたい……あっ、ですね! 先程の作成を担当した子がおとぼけちゃんでご迷惑お掛けしてしまいすみません」


 ガチャガチャと鳴らしながら申し訳無さそうにハニカミ、頭を掻いていた。


「気にしなくていいよ。今からでも決められるんだろ?」


「ええ、もちろん! です! お名前をこちらのパネルへご入力くださいです」


 マルクがガチャッと手を差し出す動作をすると、俺の目の前にパネルが現れた。


 少女は懐かしむかのような顔で名前の入力をした。

 

 昔からよく使っているお気に入りの名前。この名前の俺は去るまでに多くのゲームを渡り色々な体験をした。世界に村に姫を救い、時には畑を救い、時には狩りに明け暮れ、時にはアイテム生産に明け暮れた。


 また、ゲームが出来るのか。


「ほいよ、これでよろしく」


 マルクは後ろに手を回して微笑んだ。


「ありがとうございます。次に読み方の確認をしますので口頭でお伝えください。何と呼べばいいですか?」


 ゴオッ。強い風がマルク達を撫でた。


「オルタナティブ」

 

 なんだ? 演出するみたいに吹いて来たぞ。


「承りました。表記のほうに被りが無いため登録を受け付けました」


 急いでマルクは髪を整え始めた。


「えーと、それでは改めてチュートリアルをさせていただこうと思いますがよろしいですか?」


「ああ、構わないよ。あと窮屈そうだから喋り方も好きにして大丈夫だからな」


 それを聞くやマルクはぴょんぴょんと跳ねて喜んだ。


「やったー! ありがとーオルタちゃん! 私、この堅苦しい喋り方苦手なんだ。なんかこう、AIやってる! って感じしなくてさ!」


 やはり無理してたか。というか、オルタちゃんって、呼び方まで変わったな。


「ところでさ! せっかく見た目可愛いんだから喋り方ももっと丁寧にして、女の子らしくするのどうかな!?」


「キャラメイクが可愛いのは同意だがどうしてだ?」


 マルクが両手を広げてくるくる踊り出した。


「私達にとってあなたは、設定通りに10歳の女の子。せっかくなら設定に合わせていこうよ! ここはウォランス・ルーナ、地球とは違うあなたが生きてる場所だよ」


「違う俺が生きてる場所か」


「そう! 今はバ美肉文化も浸透してるし、それに初対面の住民に毎回戸惑われるのも大変じゃない?」


 目一杯、オルタに顔を寄せた。


 う、マルクの顔、近いな。


「確かに。だが、すぐにボロがーー」


「大丈夫! 練習すればいいんだよ!」


「わ、わかった。わかったから目を見開くな」


 それを聞くや、マルクはサッと後ろへ下がりポーズした。

 

「言質取ったからね! ポイントは可愛らしく丁寧に! それじゃ改めてチュートリアル始めるよ。オルタちゃん!」


「ステップ1マイメニュー画面を開いてみよー! 先ずは思考入力です。開くイメージをしながらメニューと念じてみてください」


「え? おお、思考入力か、楽勝だ―――」


マルクが笑顔の圧力を掛けてくる。


「わ、分かったわ。えーと……いっぱいやったことあるから楽勝よ」


 は、恥ずかしいな……。と、集中集中、思考入力は雑念があると誤動作しやすいからな。思考入力への理解は研究者の間でも人1倍は深いと自負している、なんせ理論開発したの俺だから。


 目の前に半透明の青いメニューが出た。


「おお! 慣れてる人でもカセット変わる度に戸惑うのに速いねオルタちゃん!」


「まあなーーね」


 微笑みながらマルクはガチャンと腰に手を当てた。


「これならパネルでのマイメニュー操作は要らなそうかな。て、あ! マイメニュー以外のメニューはジョブにサイキッカーが無いと思考入力出来ないのでご注意ください」


 高らかにピースサインをした。


「続いてはステップ2、装備をしてみよー! マイメニューでアイテムバックを選択! そこから装備すれば瞬間でお着替え! または取り出してゆっくりお着替えも可能!」

 

 俺は服を摘まんだ。


「そおぉ、そうなのね。ということは、今着てるこの白いTシャツやズボンも触って脱げたり脱がされたりするのか? かな?」


「そう! でも肌着だけは、アイテムバックから直接の交換しか出来ないんだ……」


 マルクは少し残念そうな顔をした。


「なるほどね、装備可能な箇所はどうやって分かるの?」


「マイメニューの装備画面から枠の確認が可能だよ! ここからも装備は変えられるし、アバターのコピーも見れるからコーディネートもしやすいよ!」


「それでは、お試しで用意されてる基本の武器と防具をアイテムバックから選んで装備してみよー!」


「はーい。何にする、しようかな」


 アイテムバックに入れられていたのは、木製シリーズの武器かな? どれも「木製の」と付いてるな。


種類は「短い棒」「棒」「長い棒」「棍棒」「ナックルダスター」「弓」「杖」「盾」。


 筋力が活きるとしたらなんだ?


 すみの時計を見た。開始まではあと2時間ちょいか。


 まあ、色々触りながら考えてみるか。


 防具は、シリーズ系で布の服、皮の軽鎧、鉄の鎧か。


 右手に「棍棒」を装備させ、頭、胴、腕、腰、脚は鉄の鎧シリーズを選択した。


 これで完了っと。


「え、うあ!? うぐえ!?」


 グギャシャ! 急な重さに堪らず地面へと倒れた。

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