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鉄腕のオルタ  作者: ねこか ねこぞく
第0章 詐欺ロリ美少女
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第4話 おっさん × 戦闘訓練

マルクが慌てて駆け寄ってきた。


「大丈夫、オルタちゃん!? 最初からそれ選ぶとは思わなくてごめん! 鎧も鉄も重いからSTRがそこそこ無いと動けないんだ!」


「お、おう……そうだったのか。ああ、起こすのは良いからSTRはどこから降れるんだ?」


「STRはマイメニューのステータスから降ることが出来るよ! 初期ポイント内だけど、チュートリアル中なら振り直しは自由だから安心して!」


「分かったSTRな」


 STR……STR……あった。全部振ってと。


 全身に掛かっていた重さがフッと消えた。

 

「オルタちゃん、起き上がれる?」


 グッと腕に力を入れた。


「ああ、大丈ぶべ!」


 起き上がったと思ったらそのまま仰け反り仰向けに倒れた。


「あははは、オルタちゃん力入れすぎ!」


 マルクはお腹に手を抱えて笑った。


「びっくりした。それにしても鉄の鎧は重いんだな」


 起き上がって見上げると、頬を膨らませたマルクの顔があった。


「もー! だから可愛らしくー!」


「そうだったな、ね。ごめんごめん」


「ああ、それでね。さっきも言ったけど鉄とか鎧とかはSTRそこそこ無いと重いんだよね。で、それはどっちもだから余計に重い」


 マルクは一人納得したように頷いている。


「そうなんだ。これじゃあ壁役はVITだけじゃなくてSTRも伸びるから伸ばし方が難しそうだな……ね」


「おお、確かに。オルタちゃん盾さんやるの?」


 盾を構える真似をしながらマルクは聞いた。


「いや、そのつもりはないよ。それより次は戦闘訓練?」


 見えない盾を棍棒で両断した。


「そう! ずばりステップ3は戦闘訓練! しかしその前に小さな説明ー!」


「一つ! マイメニューの下には設定があるから自分が遊びやすいように後で触ってみてね」


「二つ! ヘルプは世界の動きに合わせて都度更新されていくから、NEWヘルプの数が0から増えてたら未確認の新規ヘルプが増え印だから見てみてね」


「三つ! 装備毎にスキルは様子が変わったり、専用なスキルがあったりして、マイメニューのスキルから所持リストが見えるよ。今回は選んだ武器毎に一つあるよ」


 マルクは手を叩く構えをした。


「ではでは、戦闘訓練に入ろうと思うけど準備はいいかな? オルタちゃん?」


「ちょっと待ってスキル確認する……」


 スキルは〈強打〉だけか。


 一息吐くとオルタは頼りない棍棒を強く握り締め構えようとした。


 ん!?思った速さでで武器を構えられない? これが行動速度ってことか。


「いつでもいいよ」


「はーい、それじゃあ戦闘訓練いってみよー! 今回のお相手はウルフさん!」


 力強い金属音と共に目の前に普通サイズの狼が現れた。


 ワオォォォォオオオン!!! これから食い殺してやると言わんばかりの迫力で目の前のウルフが鳴いている。


「す、凄い迫力だな」


 あまりの迫力に背筋へ寒気を感じた気がする。


「大丈夫だよオルタちゃん。これはチュートリアルだからお互いに死ぬことはないよ。さあ、怖がらずに訓練訓練!」


「お、おう。やってやるよ」


「燃えてきたねー! 私から伝えるのは二点!」


「え!? 2点?」


「スキルは、リストからの思考入力、か、スキルをイメージしながら動くとmpを消費して発動! そしてmpは時間で回復! 以上!」


「ゆけウルフさん! 噛み散らかせ!」


 グワウッ! ウルフは一鳴きすると飛び掛かってきた。


 頭を一噛みで砕けそうな程に口を開け、視界を覆わんばかりに被さろうと飛んで来ている。どんどん視界が覆われ、ウルフにこのまま喰われるのだろうかとさえ思う迫力を感じ――――


「オルタちゃん振り下ろす!」


「は! はい!」


 適当に構えてた棍棒を振り下ろした。


 キャウンッ! 空中にいたウルフの肩に当たり、跳ね飛ばす。


 跳ね飛ばされながらも、ウルフは身を捻りスタタッと草原に着地した。


 完全に雰囲気に呑まれていた。マルクが言わなければ固まったまま喰われてたかも知れない。


「オルタちゃん上手い上手い! 動きを観察するのは良いことだけど固まったままの観察は危ないよ」


「いや、呑まれてただけだよ。ありがとうマルク」


 マルクは後頭部をガチャガチャ掻いて照れくさそうにした。


「いやーそんなそんな。あ、次はスキルも使っていこうね。〈強打〉は打った時に効果を発揮するからどんな動きからでも撃てるよ」


 手が震えてる……。


「そ、そうなのか、分かった。ところでせ、戦闘が怖いんだが……」


「あわわ、怖がらせちゃってごめんね。でも大丈夫」


「何が大丈夫なんだ?」


 眉間に指を当ててマルクは考えるポーズをした。


「それはですね……」


「それは?」


「感度設定から迫力感度のメモリを下げれるから!」


 ああ、そういえばゲームだったか。


「そんな設定あるのか。早速弄らせてくれ」


「どうぞー! VR初心者には30ぐらいがオススメかな」


 マイメニュー、設定……ふむふむ、この迫力感度75てのを下げればいいのか、30というか0にしとくか。他は画面、音声、感度、セクハラ対策とかか過剰な性欲を持って何かしてこようとするのに対して色々できるのか……まあいいか。


「終わりだ。再開してくれ」


「お! はーい」


 ウルフとマルクは一緒に伸びた。


「では再開と行きますかー!」


 スッと上げた右手を前に倒した。


「焼き払えー!」


 ヴォンッ! ウルフは答えるように首を振って火球を放った。


 おお、ドッジボールの球が飛んできた感覚だ。これぐらいなら剣、じゃなくて棍棒で受けれそうだな。〈強打〉!


「ほ!」


 棍棒に叩かれた火球は弾けて消えた。


「おおー! 今のは〈強打〉でなかったら消えずに全身燃えてたところだね! ナイス判断!」


 上手く当たり口元がつい緩むがそんなに危ないことしてたのか。


「ありがとう」


「オルタちゃん、ここからは本当に、ただウルフさんと死なない泥試合をし続けるだけだけどどうする?」


「まあ、今のままじゃ不安だからしばらくは戦闘訓練するかな」


「はーい。て」


 マルクが顔を寄せてきた。


「だから可愛く! ね! 戦闘訓練を早めに終わらせて喋り方の練習した方がいいかも」


 目が怖い……。


「た、確かにそうだな、ね……」


 戦いに不安はあるが、マルクが言う通り同じぐらい言葉にも不安がある。


 このままじゃ一瞬でボロが出て逆にウォランス・ルーナの人達を混乱させるかも知れないらしい。だが、戦闘訓練もしたいしな……。


 いっそのこと一緒にやるか。


「戦いながら練習することにするよ」


「戦いながら?」


「そ、ええ、戦いながらですわ」

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