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童話「かあさんあのね」が、生まれた背景  作者: 琴乃夕月
第1章 そしてわたしは目撃者の一人となった・・
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バグダッド到着・・そして赤新月社へ

バスが小休止を取っていた時、ガソリンで点火できるタイプのコンロを持ってきていた人がいて、ポリタンクの水を使って湯を沸かし、みんなにインスタントコーヒーを配ってくれた。

その1杯のコーヒーが、緊張できりきりし始めていた気持ちをほぐして、体中にしみこんでいった。

ほかの人たちも、疲れ切った顔に少し安堵の表情が浮かんでいた。


このままバスの中で夜が明けるまで眠る・・


目が覚めると、バスはもう出発していた。

大きな川の流れ・・ユーフラテス川の流域に緑が見えてきた・・

そうだ・・ここはメソポタミア文明の発祥の地・・チグリスとユーフラテスの二つの大きな川に挟まれた地に世界最古の文明が生まれ、育まれてきたのだった・・

中学生の頃、歴史の時間に習ったハムラビ法典に記載されていた「目には目を歯には歯を」に関する解釈には、少し間違った概念まで付け加わっていたようである。

そして、その後、何度か新聞に載る記事は、中東という地域における紛争の多さ・・第何次中東戦争という形で、何度か目にすることによって、第一印象が形成され、自分がこの地に来るまで抱いていたアラブ人に対する好戦的なイメージは、お隣の国ヨルダンで過ごした一週間で、私の中で一変した。

穏やかで温かい人たちと触れ合う中で、自分の目で確かめることもなく、特に戦争といった特殊な状況が記載された記事を全体像として眺めてしまっていたことを恥ずかしく思った。

果たしてイラクで出会う人たちはどういう人たちなんだろうか・・

ほとんど何も知らないのだから、自分をまっさらにして眺めていこうと思った。


バグダッドに着いた。

私たちの積んでいる援助物資は、国境を超える段階でチェックを受けていたが、だからといってこっちで手あたり次第配っていいというわけではないらしかった。

もちろん、こういうことはほかの国でもみんなそうなのかもしれない・・

私はそういった事務手続きがどんな風に行われているのかに関して、全くといっていいほど何も知らなかった。


病院に持って行くための医薬品などをどう配ればいいのかは、まず、イラクにある赤新月社にご挨拶に行って、お伺いを立てる必要があるようだった。

赤新月社(Red Crescent)というのは、私たちの良く知っている赤十字(Red Cross)のイスラム諸国版だと思えばいい。

あの白地に赤の十字は、十字軍を連想させるため、中東の地で見かける病院はみな、赤い新月のマークを付けている。

挿絵(By みてみん)

そして、当然のことだけど、これらのマークは赤十字・赤新月活動を表す「しるし」であり、特に戦時下においてとても重要な役割を果たす。

それは「保護」の意味であり、ジュネーブ諸条約で「攻撃が禁止されている、命を守る」マークなのだ。

本来、病院や救急車が、爆撃の対象となってはならないはずのものなのだから・・・

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