99.反応が良すぎ
「いらっしゃいませ! あっ、リオ!」
「やぁ、ルメル。今日は食べに来たよ!」
「嬉しい! さっ、席に座って!」
久しぶりにやってきた、ルメルのお店。中に入ると、エプロン姿のルメルが笑顔で迎え入れてくれた。いやいや、エプロン姿も可愛いな。
ピロン
『ルメル・エリアミル 好感度1アップ、愛情度1アップ』
店に入っただけで上がった! マジか、凄いな……。以前はそれだけで上がることはなかったのに……。
これも、親しくなったからかな? だとすれば、パラメーター上げるのイージーモードじゃない?
「リオが来てくれて嬉しい。学校が毎日あれば、毎日リオに会えるんだけどな……」
「まぁ、それは仕方がないよ」
「……リオは毎日会いたくないの?」
少し悲し気にそう言った。すると、ピロンっと通知音が鳴り、ウィンドウが開く。
『毎日会いたい』
『毎日はちょっと……』
いやいや、誰が下を選ぶんだよ。絶対に好感度下がるヤツじゃん。というわけで、遠慮なく上を選ぶ。
「うん、そうだね。毎日でも会いたいよ」
「リオもそう思ってくれる? わぁ、どうしよう……嬉しい」
直球に伝えると、ルメルは頬に手を当てて照れだした。王都一の大天使が照れている姿は最高に可愛いな!
「その子がリオのお友達?」
「そういえば、この間家に遊びに来たんだっけ?」
「へぇ、可愛い子だな! リオよりも!」
すると、家族が興味津々に話しかけてきた。その様子にルメルはちゃんとした姿勢を取って、お辞儀をした。
「すいません、挨拶もせずに。ルメル・エリアミルです。リオとは学校で仲良くさせてもらっています」
「まぁ、こんな可愛くて礼儀正しい子がリオの友達? あんた、悪いことはしてないだろうね?」
「いいえ! リオはとっても良くしてくれるんです! いつも、私が助かっているくらいですから」
「そ、そうなのかい? まぁ、迷惑をかけていないならいいけれど……」
「はい。仲良くしてくれて、毎日がとても楽しいくらいです」
「そう言われると、なんだか嬉しいね。リオのこと、よろしくね」
「もちろんです!」
おぉ、凄い……。気難しい母さんがこうもあっさりと篭絡されるとは。ルメル、恐るべし!
「じゃあ、水を持ってくるから、注文を見ていてね」
「うん、ありがとう」
そういうと、ルメルはお店の奥へと引っ込んだ。
「リオの友達ってあんなに可愛いのか? ビックリしたぞ」
「礼儀正しいから、リオには合わないんじゃないか?」
父さんがニコニコと言い、兄さんが軽口を叩く。
「私って結構人望があるんだよ」
「またまたー。リオがか? そうは見えないけどー?」
「リオに人望……。やっぱり、ウチの娘は凄い!」
「ほら、あんたたち。ルメルちゃんが来る前に注文を決めちゃいなさい」
母さんの声に私たちはメニュー表を見て、注文を決めた。そうすると、ルメルが水を持ってやってきた。
「お待たせしました! 注文は決まりましたか?」
元気よくそう言うと、私たちは注文を伝えていく。
と、またピロンと通知音が鳴り、ウィンドウが開く。
『ルメルが作ってくれる? と、お願いする』
『何も言わない』
いや、何かイベントの誘導みたいだね。こんな楽しいこと、見過ごせないわ。
「そうだ! ルメルが私の料理作ってくれる?」
「えっ? わ、私が?」
「ルメルがどれだけ上達したか、気になってね」
「リオ……。ちょっと待ってて、今聞いてくるから!」
嬉しそうな顔をしてルメルがお店の奥に引っ込んだ。しばらくすると、それよりも嬉しそうな顔で戻ってきた。
「お父さんが良いって!」
「それじゃあ、お願いできる?」
「うん! リオのために愛情込めて作るね! 楽しみに待ってて!」
ピロン
『ルメル・エリアミル 好感度1アップ、愛情度1アップ』
わぁお、また上がった。何か、お店に来るとルメルの反応がいいな。それに、選択肢も沢山出てくる。
この場所がルメルにとって大事だから、とか? そこに好きな人が来るのは嬉しいよね。
なるほどね、環境が変わってくるとこうも反応が違うんだ。これはまた、攻略法を見つけてしまったな。
じゃあ、セリスさんとシグナさんも場所が変われば? どの場所がいいんだろうか?
「お待たせしました!」
その時、テーブルに料理が運ばれた。だけど、そこに私の頼んだ料理はない。
「あっ、君の料理はルメルが持ってくるよ」
そうなんだ、だったら待つしかないね。家族が先に食べている光景を見ていると、ルメルが料理を持ってやってきた。
「リオ、お待たせ!」
「ありがとう、ルメル。大変じゃなかった?」
「ううん、楽しかったよ! 作らせてくれてありがとう。さっ、食べてみて」
私の目の前に皿が置かれる。置かれたのは肉と野菜の炒め物、パン、スープ。
「私が作ったのは炒め物なんだ。味はどうかな?」
少し照れたようにそう言った。私は一口食べてみると――。
「あっ、美味しい」
「えっ、本当? 嘘じゃない?」
「嘘じゃないよ。本当に良く出来ている。肉はジューシーだし、野菜はシャキシャキして美味しいよ」
「わぁ……嬉しい!」
ピロン
『ルメル・エリアミル 好感度1アップ、愛情度1アップ』
また、上がった!? 本当に反応がいいな……。この攻略法もいい感じだ。
まぁ、一番いいのはルメルが喜んでくれるってことなんだけどね。
それから、ルメルとの会話を挟みながら、楽しい食事の時間は過ぎていった。




