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7−5 情報交換

 クリスティンは養父カスバート・クロフォード男爵と会って情報交換を行った。貴族街の外れの小さなカフェの小部屋だった。

「彼の方は反逆勢力の対抗策として魔女を集めているとの事でした」

「ああ、そうだろうね。お父上とお話をしたが、魔女集め等という危険な仕事を失敗しても構わない立場と、それを恐れない実行力という事で任せているという話だった」

「お話を伺えたので?」

「そこはフィールディング侯爵を巻き込めたから出来た事だね」

「他の方のお父様方も同行されたので?」

「ああ。そこは直接伺う事で保証されたと言う事だからね」

「そうですね。至上なる方ですから言葉は重くなりますね」

「まあ、そうだね。ところで反逆勢力の詳細は伺えたのかい?」

「火、水、闇との事でした」

「それだけかい?」

「それだけではないでしょうね。まあ、何とかします」

「心強い事だが、こちらの調査にも詳細は浮かんで来ていない。分かり次第連絡はするが…」

「ここで彼の方が魔女の特定を急いだ事から考えると、もう猶予はなさそうですね」

「何か用意が必要なら、急いて準備するが…」

「小さくて良いので、赤と青の宝石をいくつか急ぎで頂ければ嬉しいです」

「用意しよう。他には?」

「母が預けた物をその時には使える用にしておいて頂ければ」

「厳重に保管しているが、1時間以内に使える様には出来ている」

「それなら充分です。お手数をおかけします」

「ところで、肝心の味方の魔女の能力はどうだい?」

「水籠りの魔女はようやく現状認識が出来たところです。補助してあげないと駄目でしょう」

「そうだね。能力が劣るからと言って切り捨てたら恨みを買って、後日の災いになる」

「見た目は可愛い娘なので切り捨てるのは可哀相なので」

「…中身は問題なんだ?」

「まあ、里を出て修行する様に言われる娘ですから」

「事情があって出る者もいるだろう?」

「…彼女の心にも傷がある様なので、時間があれば何とかしてあげたいとは思いますが、通常ははしゃいでいるのでどうしようも無いんです」

「…心の傷はそう外には出さないか」

「人それぞれでしょうが」

「そうだね。炎熱はどうなんだい?」

「肝心の火魔法が苦手です」

「それを戦力として彼の方は引き入れたのかい?」

「それに代わる能力があるから、そちらに適正が振られていて、火魔法は苦手なんです」

「代わる能力は役に立つのかい?」

「殺傷力が高いので本人が使いたくない様なんです」

「…それだと三対一になってしまわないか?」

「炎熱は真面目な娘です。僻み性ですが。だから働かせる方法はありますよ」

「えー、それだと水籠りは使いようが無いと聞こえるが…」

「時間稼ぎをさせます」

「そうだね…」

そうしてクリスティンはカフェを後にした。


 一方、悩み気味のジェシカ・フィールディングをクライブはデートに誘った。

こちらは高級カフェだった。

「中々皆の前で文句も言えないだろうから、ここで言いたい事を言ってくれて良いよ」

「文句と言っても…」

「炎熱の魔女同士の対決は難しいかい?」

「…私の実力不足が問題なの」

「魔女としては、という意味なんだね?」

「そういう事。学院では優秀などと言われても、魔女は桁が違うから…」

「君もその血を継いでいるんだろう?」

「突然変異だから、母も戸惑っている様なの」

「お母さんは普通の火の魔女だったんだ?」

「ええ、私はずっと劣等生だったんだけど、13才の時に雷撃魔法に目覚めて、でも教えられる者がいないから、独学で何とか制御しているの。王都に行けばその能力を持つ者に学ぶ事も出来るだろうと送り出されたんだけど…」

今のところ年下の一人以外同類が見つからず、でも年下に教わりたくない、という言葉が隠れているのはクライブにも分かった。

「でも、君の命が大切だから、いざとなったら雷撃で身を守ってくれ。どういう結果になろうと殿下に責任を取ってもらえる状況だ」

「うん…その見極めはちゃんとしようと思ってる」

苦悩しているジェシカに、クライブは甘い言葉で胡麻化す事は出来ないと思っていた。

「君の命が大切だから、いざとなったら助けを呼ぶ事も考えてくれ。私が助けられないのは申し訳ないのだけれど」

「うん…」

ジェシカは俯いてしまった。


 クライブが出来る事は直近に明るい未来を見せてあげる事くらいだ。

「終わったら郊外にデートに行こうよ。海岸寄りは暖かいから、早くに花が咲くそうだよ。一緒に見よう」

ジェシカもクライブの気遣いは分かったから、微笑んで見せた。愛想笑いの一種なのだが。

「そうね。連れて行って」

「ああ」

 地震がありましたが今のところ被害報告はなさそうなので一安心ですが。皆様も今後も気をつけて下さいね。


 本編と関係ありませんが、図書館に絵本を見に行ったところ、お目当ての「わすれていいから」は他の方が借りていて読めませんでした。雑誌コーナーに歴史群像があったのでぱらぱら捲ったら、プロホロフカ戦車戦はドイツは負けていなかったとの事。wikiでもそうなってますね…カウル・パレルの嘘つき!奴の著作だとワーテルロー風にドイツ側の救援が間に合わなかったとか書いてありましたよ。うろ覚えだけど。

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