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「すまんかった。気が動転してたみたいだ」
「こちらこそすまない。いろいろと説明不足だったね。」
あれから再起動を果たした俺たちは、この白い空間で認識の擦り合わせを完了していた。
「つまりだ。俺はダンジョン攻略した最初の人類で、さらには無能力者だった。そしてあっちの世界でダンジョンごと吹っ飛んで死んじまったであってるか?」
「理解が早くて助かるが、君、肝が座ってるってよく言われないかな?」
「そうじゃなきゃ生きていけなかったもんでな、それで?ここに呼ばれたっつー事はまだ死ねないって事であってるか?」
「いや、うん…そう、なんだけど…ごめんね。君の記憶と世界の記憶を照合し直してみるよ。…人間はこんなんじゃなかったような…動揺を隠してるようには見えないし。」…ぶつぶつ
俺は、動揺などしていない。死ぬのはいつかなんて怯えて暮らすなんてのは、俺の今までの環境と照らし合わせりゃ屁でもない。
いつも誰かに怯えてたら、ここに来る前に死んでるわ。いや、もう死んでたわ。
「こほん…えー、じゃあもういいや、君をここに呼んだ理由を教えるね」 と諦めた彼女はそう告げる。
「君にはダンジョン攻略をしてもらう。僕の利害と、君の利害は一致するはずさ。」
「いや、俺もう死んだんだけど。」




