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ダンジョンの誕生と魔物との戦いの果てに人類は力と富を得た。
話は、100年前にまで遡る。
地球という星には沢山の人類がいた。
約70億の人口、化学技術の発展した青い空と海が広がる資源豊かな星。
それが地球であった。そして悲劇はなんの兆候もなく起こるものである。
突如として現れる地球外生命体と未知の力。
抗うことなど出来はしない。
宇宙から飛来した未知の飛行物体から大地へ降り立つそれは速やかに付近の生命反応を察知しこれを殲滅。
子供。老人。女。そんなカテゴリーなどない。
全てを蹂躙し、それらの住み良い環境を整えていく。
世界の至る所で、発生する。未知の生命体との交戦。
その発生からすぐ突如として未知なる力に目覚めるものが対抗戦力として筆頭してくる。
英雄、そう呼ばれる者たちにより世界は再び平和を取り戻す。
地球外生命体の呼称を《魔物》とし、これを英雄と神の力によりダンジョンに封印することに成功する。
そして現在、世界に魔素が満ち、超常たる現象を引き起こす事ができる世界へと変革した。
人類は才能と技能を習得し、魔素に干渉することによりその才能と技能を発揮する事ができる。
「これが、君の知る世界の理だね?」
彼女はそう問いかけてくる。
「そうだな、そして俺はその2つを持たない人間だ。」
「そうだね。」
「それで?俺の利害とお前の利害が一致していると言ったが、具体的には?」
「うん、それは、君も超常たる力を扱えるようになって、世界に散らばるダンジョンを一つ残らず消して欲しいのさ。かけらも残さずにね、…それが人類の、そして僕たちの悲願だから。」
…わからんな。
「俺は10歳の時に、その2つを持たないと言われたが?」
「うん、才能と技能はないね。」
はっ、馬鹿にしてるのか?俺が20年、諦めたなどと言いながらもずっと胸につっかえて取れなかった願望だ。
才能があれば、
技能があれば、
ダンジョンに未知の世界に行ければ、
こんな惨めな思いをしなくて済んだのにと。
こんなに我慢しなくて良かったのにと。
「才能と技能はない。」
だけど…と続ける
「やっと見つけた、ダイヤの原石の君に能力を授けよう。」
…あ?
……能力?




