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淑美林学園の騒動  作者: 三浦安針
第五章
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エピローグ

side:里美


「これで、私は芦屋家の養女ではなくなったわけですね。お義父様」

「養女時代に、お父様なんて言ったことなかっただろうに。まあ、養女から能明の嫁になったわけだから、感慨深いのは確かだ。これからもよろしく頼む」

「ええ、よろしくお願いします」

「しかし、里美の丁寧な口調は新鮮だな。外ではそうしていたと聞いているが、私の前では、初めてじゃないか?」

「ふふ、そうでしたかしら?」


 今、オレは里美として、能明との結婚式を終えたところだ。

これから初夜が待ってはいるけど、能明なら優しくしてくれるだろうし、心配はしていない。

婚前はやっていないから、本当に初めてなんだけどね。


 本来の里美にはこの結婚は無理だったかもしれない。

でも、里美という存在がいたからこそ、前世で彼氏なし歴=享年の清子だったオレが結婚できたとも言えるんだ。

オレは、里美に生まれ変われたことを感謝している。

こんなにいい旦那様と結婚できたんだ。

これから二人で幸せになるべく頑張りたい。


 淑美林学園は、高校卒業を契機に通うのはやめた。

もっとも、交流は続いていて、木南さん達も今日の結婚式には新婦側友人として参加してもらっている。


 大学は魔習院のみにしたと言っても、オレが二十歳の誕生日に結婚式になったから、三年生からは学生結婚をした学生という形になる。(里美の誕生日は四月一日)

もっとももともと芦屋姓を名乗っていたから、学校では特に大きな変化はないだろうけどね。


 魔子は、淑美林でのことを五歳までしか記憶していなかった。

魔法医の話では、魂が外的圧力により十年以上停止されていた状態だったらしいので、かなりの確率で別人格が支配していて、その人格があの事故で去ったという可能性があるそうだ。

こうなると、魔子自身が行った問題とするには無理があるため、魔子の立場は急速に改善された。

人格乗っ取り事例自体は、犯罪を起こした人には珍しくないそうで、犯罪を行った魂ではないと判定されたため無罪判決なんていうことも結構あるそうだ。

もちろん、被害者側からはたまったものじゃないので、魂ではなく身体に対して処罰をなんていう運動も起きてはいるようだけど。


 オレ自身、ある意味里美の人格を乗っ取っているわけだから、その状態が実在するのはよくわかる。

オレは生まれた直後からだけど、魔子を乗っ取った存在は五歳からだったということかな?

流石に十年以上自分の身体を乗っ取られて罪に落されたともなると、かわいそうすぎるので面会には、頻繁に行っている。


「里美お姉ちゃん、来てくれたんだ」


 嬉しそうに魔子に言われると複雑な気持ちだけど、魔子には罪はないし、勉強を教えるとどんどん覚えてくれるので楽しいのはある。

実際ゲームの主人公は成績優秀だったようだから、勉強は得意なんだろう。


 乗っ取られずに普通に成長した魔子ならば、オレを強制的に淑美林に通わせるなんてことはしなかったんじゃないかな?

ゲームでの里美は、家に閉じ込められていたから同情して淑美林の寮に受け入れさせたなんて話を前世のいとこでゲームの設定を作った茜に聞いた記憶あるから、既に魔習院に通っていたオレを知っていればそんなことはしなかっただろう。

そうなれば、木南さんとの再会はなく、今みたいな親友にはなっていなかっただろう。


 人との出会いは奇縁だ。

ちょっとした事が異なるだけで、親友や夫婦の出会いがなくなってしまう。

それは当たり前のことだけど、忘れがちになってありがたみを認識しない。


 人生は偶然の連続だ。

でもその偶然を良い方向にすることはできるんだ。

これからも能明と共に、未来に向かって幸せになろう。

様々な人との出会いがあるだろうし、苦難もあるだろう。

それでも前に進んでいきたい。




side:魔子を乗っ取っていた魂


「おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ」


 私は、元に戻ることはできなかったわ。

生きていた元の世界とも、淑美林のあった世界とも異なる世界。

しかも私は赤ん坊。

どうしろというのよ。

登場人物達の人生は今後も続きますが、物語はこれでおしまいでです。


今まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

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