第三章 世界の理の破壊 第一話 魔族
エビルを追った先は、黄金に輝く宮殿だった。
「待ちなさいエビル!」
宮殿内に走り込んで来たモモ・ルー
ジャララララッ!!
四方からモモ・ルーに向かって黒い鎖が伸びる
「こ、この鎖は!」
北の村で教皇に化けたデーモンに殺されかけたときの、あの『黒い鎖』と同じもの…
「デビル、あなたは…あの時から既に!」
「何の話じゃ?それよりも黒き聖女よ、もう動けまい?」
『黒い鎖』はモモ・ルーの手足に絡みつき、動きを封じていた。
エビルは勝ち誇った顔で、モモ・ルーを見下ろしている。
「くっ!!………
神々の長…あなたに聞きたい。」
「ほう?申してみよ」
「何故貴族街は人間族の王都に似ているのか…
何故魔物に階級制度があるのか…
魔王とは…魔族とは一体何なの?」
「クックッ…いいだろう教えてやろう。」
動けないモモ・ルーを見て、満足気にエビルが魔族の正体について話始めた。
「魔族は儂が造った。
魔界の支配階級である魔族は、魔王と同じように、この儂、創造神エビルによって造られた種族なのだ。
元々魔界にいた魔物達より、エネルギー変換効率を高め、より沢山のエネルギーが得られる身体になっておる。」
「天界のエネルギーを増産させるために、魔族を造ったのね!」
「そうじゃ
儂の理想の世界…天界を創るためには、まだまだエネルギーが必要なのだ」
「なんてことを…」
「…何故貴族街と王都が似ているのかと聞いたな?」
「!」
「簡単なことじゃ…魔族の魂はな
元々人間族のものだったからじゃ」
「なっ…!」
驚愕の事実を告げられ、モモ・ルーは絶句してしまう。
「魔素を固めて形を作り、彷徨っている魂を放り込む、後はどんな魔族にしたいか念じるだけ…
彷徨う魂の殆どは、喰われた人間達の魂じゃ、つまり魂のリサイクルと言うわけじゃ。」
「…貴族街が王都と似ていたり、階級制度があったのも…
魔族が人間族の魂を使って造られた種族だったから…」
「その通りじゃ、
魔族達のあの二本の角は、天界から送られてくる魔力の受領装置、同時にアンテナでもあり魔族達の位置は常に天界に把握されておるのだ。
便利であろう?
魔族が角を落とされると魔法を使えなくなるのもそのためじゃ。」
エビルは、自分が造った物を自慢気に話し続ける
「黒き聖女よ、お前達人間族は、水と、我々神より授かった『マナ』の粉で作ったパンを食べて生きている。
動植物を食べる必要がないお前達は、命の搾取をしない…」
「それがどうしたと言うの」
「だが魔族は違う…
沢山のエネルギーを生み出す様、人間の魂と魔素で造られた魔族は、他の生物を食べなければ生きてゆけない。
命を奪い続けなければならない、呪われた種族なのじゃよ!」
モモ・ルーの身体が怒りに震えている。
「あなたが神?
…私はあなたを神とは絶対に認めない!
お前こそ真の悪魔だ!」
モモ・ルーは、渾身の力を込め『聖葬の黒焔』をエビルに浴びせた。
第一話 魔族 終わり




