第一章 天界の門の真実 第二話 門の中の地獄
「何が起こっているのか分からないが…
天界の門は開いているんだ!中に入るなら今だ!」
エンプーサはそう言って、天界の門を通過できるか様子を伺った。
光は一つの光ではなく、何万本もの光の束が門の中から放出されている様だった。
「光の束か…何とか避けられそうだ。」
モモ・ルーは拳を握った。
胸の奥で、赤黒い紋章が脈打つ。
「……行きましょう。
この門の向こうに……真実がある。」
ヘカテーが頷く。
「気をつけろ。
光に触れれば、お前たちも吸い上げられる。」
三人は天界の門から伸びる光を避けながら、門の中へと入っていった。
「!」
門の内側は――地獄だった
モモ・ルーが目にしたのは、門の内側に並ぶ巨大な装置群だった。
唸りを上げて稼働しているその装置は、数え切れない程あって、光はその装置から放たれていた。
そして、その装置の中へ魔物や魔族達が次々と呑み込まれていく…
「これって、まさか…」
「あぁ…人間族を喰った魔物達のエネルギーを…抽出している…」
「なんて酷い事を!」
「これが『刈り取り』…人間を与えて太らせ収穫する…本当の家畜は人間族ではなく魔物達だったという訳か。」
魔物たちが吸い込まれ、粉砕され、エネルギーが抽出される
さらに、残った搾りカスは、魔素へと加工されていた。
天界の門は、魔物達からエネルギーを搾り取る、巨大な刈り取り装置だった。
「こんな……こんなもの……!」
モモ・ルーは叫び、装置に手をかけた。
黒焔が指先に集まり始める
「止めろモモ・ルー!」
思わず装置を壊そうとするモモ・ルーをエンプーサが止めた。
「我々の天界への侵入が知れてしまう、それに、この装置を止めたところで何も変わらん…」
ヘカテーに諭され、モモ・ルーは振り上げた手を下ろした。
確かに、こんな装置など代わりは幾らでもあるだろう。
神々の長を倒さなければ意味はなかった。
「…行くぞモモ・ルー」
「…はい」
奥歯を噛み締め口を真一文字にしてその場を離れるモモ・ルー
三人は刈り取り装置を後にして、天界の門をぬけ、天界へと入っていった…
第二話 門の中の地獄 おわり




