第三章 世界の理の破壊 第三話 神殺し
ゴワァアッ!!!
指先が、モモ・ルーの身体に触れたその瞬間、エビルの手は炎に包まれていた。
「まったく…無駄だと言っておるだろうに…?」
呆れた様に、エビルが炎を振り払う…がしかし、その炎は消えなかった。
「な、なんだこの炎は!?」
慌てるエビルをよそに、炎はまたたく間に全身に燃え広がる。
「ぐうっ!こ、この炎は…冥界の力ではない!キサマ何をした!?」
しかし、目を丸くして驚いていたのはモモ・ルーの方だった
「私の力じゃない…この炎は何?…」
その炎は、赤と白と紫、三色の炎が混ざり合う不思議な炎だった。
「ぐわぁあっ!や、焼ける…キサマ!人間ごときが…喰われるためだけのエサのくせに!」
身体が焼かれ、あまりの苦痛に床を転げ回るエビル。
捲れた白い皮膚の下からは黒い創造神の姿が見えていた。
「三色の炎…そうかこれは…
何故だ…三世界全ての力を持つ者など…こ、この世に…いるはずが……」
エビルは、意識が朦朧としていたが、その場から逃げようと神族の証である翼広げた。
しかし、その純白だった翼は、光が剥がれ、
天使の姿は崩れ落ちていた。
「!エビル…待ちなさい」
その翼を見たモモ・ルーが制止するも、空へと飛び立ったエビル
だが…
「ゔぁああぁぁああああぁぁぁ………………」
三色の炎で翼を焼かれていたエビルは
飛ぶことが出来ず、そのまま天界から墜落し、
奈落の底へと落ちていった…
パキィン!ジャラ…
拘束していた『黒い鎖』が切れ、開放されるモモ・ルー
「…エビルが死んだ…
世界の理は、破壊されたんだ。」
『黒い鎖』が切れた…
それはエビルの神の力が消滅した事を示している。
不思議な三色の炎がエビルを焼き、「神殺し」は成されたのだ。
神々の長がいなくなった事で世界の理も破壊された。
「ヘカテー様…エンプーサさん…
エビルを…神々の長を、倒しましたよ…
だからお願い…
戻ってきて…」
モモ・ルーは、
自分を生かすため、ヴァルキリーと神族からの攻撃に、盾となり戦ってくれた友と主の身を案じていた。
と、その時
ゴゴゴゴ…「え!?地震?」
突然、ぐらりと床が揺れた
神殿や宮殿の柱が倒れ始める
「天界が…揺れている…」
美しい庭園も
美しい天使達も
花の香りは一切しない、あの庭も
雲が一切動かない、あの空も
鏡のようなあの泉も
全てが揺れていた。
「何が起こっているの…」
モモ・ルーはまだ気付いていなかった。
神々の長が死んだ、
しかしそれは同時に天界の心柱が無くなった事を意味していた。
そして天界の門…刈り取り装置は停止していない。
それどころか、
刈り取り装置は制御ができなくなり、
暴走し始めていた……
第三部 天界編 第三章 世界の理の破壊 終わり




