図書館会計局と封印指定本
リシェ達が去った大図書館長室には新たな客がきていた。
政庁印が刻まれた重厚な鎧に身をまとった背の高い赤髪赤眼の女性と、
図書館庁印が刻まれた服を着た金髪金眼の女性である。
「始める前にちょっと孫娘に連絡してもいいかしら?今日旅立つ予定なの。」
図書館長が向かいに座っている二人に言葉を投げかけた。
「お構いなく、私共は時間に余裕があります。」
背の高い女性は笑顔で答えた。
「リシェ・・・今いいかしら?もう旅立ってしまった?」
『いいえおばあ様、まだ館内にいます。何かありましたか?』
「よかった間に合ったわね。出立の前に経費について会計局からレクチャーを受けてほしいの。連絡が今になってごめんなさい。」
『おかまいなく。そういえば外部任務開始の時は口頭でレクチャーを受けることになっていましたね。私も忘れていました。では会計局に寄ってから出立します。』
「ありがとう。・・・リシェ・・・気を付けて行ってらっしゃい。」
『はい!おばあ様!』
図書館長は少し目を細めて孫娘と会話した端末に目を向ける。
「お孫さんもこちらに所属されているのですね。お仕事で遠くに?」
「ええ、未返却図書の回収に、しばらくここを離れるの。」
背の高い女性は言葉の意味をかみしめるように一瞬考え込んだあと、口を開いた。
「では、【我々と一緒】ですね。」
はにかむような可愛らしい笑顔を図書館長に向けて言った。
「そうね・・・あなたたちほど大変ではないけれど・・・。」
そう言いながら、数時間前にリシェが立ち去った扉へそっと視線を落とし、次に背の高い女性へ向き直り口を開く。
「騎士殿、回収任務ひと先ずお疲れさま。それでは始めましょうか。」
「かしこまりました大図書館庁殿、司書監殿例の本を・・・」
そう促された隣に座る金髪金眼の女性が大きな箱をテーブルの上に置きながら言う
「はい、ルミエラ図書館長、こちらが回収しました
封印指定本『人の心と記憶を書き換える魔導書』
になります。お納めください。」
●大図書館について
本の国の首都に隣接する国家規模の図書館施設であり、同時に国家機関でもある。
諸外国で「図書館庁」あるいは「大図書館」といえば、一般にこの施設を指す。蔵書数は世界最大で、禁書や封印指定本の所蔵数も最多を誇る。
そのため、政庁騎士団の中でも図書館専門の護衛隊である図書館騎士が常駐している。
館内は文化人類学をはじめとする各分野ごとに膨大な書架が分かれており、迷えば二度と出られないと噂されるほどの規模を持つ。
また、法学・文学・科学などの研究施設も併設されており、一部の司書は研究員としても勤務している。
規模に対して司書の人数は多くないが、蔵書管理には魔法が導入されており、タグ付けや分類など管理はほぼ自動化されている。
清掃も魔法によって自動で行われるため館内は常に清潔で、市民が利用できる区画も広い。テラスや飲食店も併設され、市民の憩いの場としても機能している。
一方、魔導書や魔法技術関連書物は貴族区画に収蔵されており、市民は許可がなければ立ち入れない(申請が通れば閲覧可能で、信頼の厚い市民には年間パスも発行される)。
平民でも司書になることは可能だが、業務の大半が魔法を用いるため、司書試験は非常に難関とされている。
●未返却図書について
一般的に本の国国内であれば、数日から長くとも半月くらいで回収できているので国内に限っては回収率100%である。
それに対して、持ち出し(国外)の場合は、本の国の管理外となるため、魔力追跡が機能しなくなり、所在が不鮮明となるため
回収に手間がかかるのである。(未返却本に司書が近づけば、妨害魔法でもかけられていない限り所在はわかる)
また法の外にある他国であることも要因の一つである。(一応各国は大図書館に敬意は払ってくれるが・・・)
基本魔力管理されている世界のため、借り主の追跡は国境を越えて可能だが、意図せぬ譲渡や無断譲渡、盗難、紛失、借主の死去などが発生すると、国外の場合、本の魔力追跡ができないため、所在不明となり捜索対象本となる。
●サブキャラクター
エレオノーラ・????・???・??????
赤髪赤眼の女性、28歳、未婚、婚約者はいるが保留中、本の国中央貴族出身(ヴァイスロート伯爵家?詳細不明)、身長182cm
本の国の政庁直属特務隊隊長、在勤??年、数年前に特務隊隊長を引き継いだ(詳細不明)
●サブキャラクター
アウレリア・セラフィナ・フォン・アーカイヴェル
金髪金眼の女性、26歳、未婚、婚約者無し(政治的にも能力的にも釣り合う相手がいない)、本の国の公爵家(中央貴族)長女かつ次期当主候補、身長165cm
本の国の大図書館上級司書監、在勤10年と2か月、いつもは図書館に勤めているが禁書・封印指定本の回収のため特務隊所属となっている。




