基礎訓練
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陽が上り始めた早朝、エミリーとエドガーはメイドのアンに起こされて着替えた後、裏庭に向かっていた。屋敷の中では早朝から働き始めている、使用人達がすれ違う度に挨拶をしてくる。エミリーとエドガーは眠い目をこすりながら、挨拶を返しているがエドガーは、半分寝ながらエミリーに手を引かれながら歩いていた。
「おー、ちび共。やっと来たか。なんだ、エドガーはまだ寝てるのか?」
3男のチャーリーが木剣を肩に担ぎながら、エドガーを覗き込む。
「おはようございます、チャーリー兄様。今日からお願いしますね」
エミリーがめちゃめちゃ可愛い笑顔で挨拶をする。
「うーん、エミリーはいつも可愛いな。それに比べ・・エドガー、そろそろ目を開けろ」
剣を持っていない手でエドガーの頭をグリグリ回す、あまりに回すのでエドガーの目も覚めたようだ。
「あ~、チャーリー兄様、おはおうございます」
眠い目をこすり、ろれつの回っていな口調で漸く挨拶をする。
「おう、今日からビシバシ鍛えてやるからがんばれよー。ちなみにこのメニューはアイザック兄様が考えた物だから、俺を恨むんじゃないぞ!」
最初は少し楽しそうな表情だったが、最後は真剣は表情に変わる。
「まずは、ランニングだ。屋敷の周りを20周、俺に抜かれる度に1周ついかだからなー!走れー!」
チャーリーの掛け声で2人は、走り始める。最初は楽しそうに走り始めたが、2周、3周と周回が増える度に息が上がり、あごが上がり始める。
「よーし、5周も一緒に走ればもう、迷わないだろう。俺は俺のペースで走るから頑張れよー。抜かれたら1周追加だぞーがーんーばーれーよー」
チャーリーがスピードを上げると、あっと言う間に見えなくなった。
チャーリーが見えなくなって、2人は必死で走っていた。段々とエドガーが遅れ始める、それでも必死でエミリーの背中を追うエドガー。
「な、なんで。こんなに走れないの?前は、もっと余裕だったのに」
エミリーが前世の自分と比較して愚痴をこぼす。
「はぁ、はぁ、はぁ、ぜっ、全然追いつけない。5歳ってこんなに走れないのか?」
エドガーもスピードの上がらない、自分自身に悪態をつきながらエミリーを追いかける。
必死でランニングを続けていると、ついにチャーリーが後ろから追いついてきた。チャーリーは殆ど息を乱していない。
「おー、ちび共。頑張ってるか―。もっと頑張らないと、どんどん増えるぞーこれで1周ついかなぁー」
チャーリーは、2人の頭をポンポンと叩きながら追い越し、そのままの速度で抜き去って行った。
結局、2人はそれからチャーリーに5回抜かれたので25周になった。
2人がへとへとになりながら、25周を何とか走りきりゴールした所でごろんと横になった。かなり体力の限界なのか何も話せず、長い時間「はぁ、はぁ」と口で息をし続ける。
「よーし、十分休憩はできたなー。次いくぞー、ほら、エドガー立て!」
エミリーは膝に手を付きながらなんとか立ち上がるが、エドガーはまだ寝ころんでいた。何時までも立ち上がらない、エドガーが見てチャーリーが襟首をつかんで立たせる。
「今日は、この訓練で終わりだから頑張れよ。これは、足さばきの訓練だ。この線の上を円の中心を見ながら歩くんだ。下を見ちゃだめだぞ」
チャーリーが大きく円を地面に描きお手本を見せる。上半身は円の中心を向いて、重心を落としつま先から足を付ける様に線の上を進む。何周かすると、「ちび共の番だ」と言う。
エミリーとエドガーは、対面の位置に立ち円の上を指示通りに歩き始める。エドガーは先ほどチャーリーが見せたお手本の様な歩法をすぐ再現するが、エミリーは中々出来ずに身体が上下してしまう。
「おお、エドガーは筋が良いな、そのまま続けろよ。エミリーはもっと重心を落とせー」
チャーリーはその後も2人にアドバイスをし続け、結局2人は1時間位、円の上を歩き続けた。次の日はこの人生初の筋肉痛に襲われたが、容赦ない訓練は次の日も続いた。
早朝の体力訓練を2か月も続けると、体力が付いてくるのでチャーリーに抜かされる回数も減り始める。3か月目からはランニングの周回は、変わらなかったが歩法の円が8の字にレベルアップした。
「ねぇ、エミリー。この体力訓練っていつまで続くのかな?」
「なに、馬鹿なこと言ってるの。多分この家を出るまでずっとよ」
エミリーは目と口を盛大に開けて固まっているエドガーをニヤニヤしながら見ていた。
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