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キャプテン・コンドル  作者: エコー太郎
9/30

メインディッシュはヒマワリの種 3

就職先その4、スポーツインストラクター。

「いやなんでスポーツインストラクター?」

俺がネズ公にそう疑問を投げかけると、資格証を取り出し俺に見せつけた。そこにはスポーツインストラクター、漫然呂(まんぜんろ)シロ太郎と書かれていた。

「お前名字漫然呂っていうのか……」

「昔大学時代にスポーツインストラクターの資格を取っていたのすっかり忘れていたのだ。へけっ」

「かわいくねーからやめろ。つーか宇宙ハムスターって大学行くのか……」

『宇宙ってなんでもアリですね』

ネズ公は意気揚々とミニサイズの連中のトレーニングエリアへと歩いていった。

まぁ資格を持っているならこの職場は大丈夫だろう。



「もぅ疲れたマジ無理。動けないのだ」

「おいまだ5分しかたってねーぞ」

開始5分でネズ公は疲れ果て、ベンチプレスの上で横になる。

幸いなことに担当してるのはじいさんハムスターでゆっくりと、まるでスローモーションかのようにバーベルを持ち上げている。ボケているのかこちらにはまったく気づいていない様子だ。それとミニサイズなのでバーベル上げてもすごいとまったく感じない。

「それよりマロはお腹減ったからおやつタイムなのだ。なんかないのだ?」

「お前ホント自由だな」

なんかないかと言われてもチーズなど持っていない。元より持ってても貴様にはやらん。

だがちょうどその時、俺の背後にヒマワリ型の植物人間がトレーニングしており、その振動で顔面から種が落ち、俺の方へと転がってきた。つーかグロ。

俺はテキトーにそのヒマワリの種を拾いネズ公へと差し出す。

「ん?なんなのだそれ」

「なにって……お前ヒマワリの種見たことないのか?大好物だと思うが」

ネズ公は警戒しながらも俺の手からヒマワリの種をひったくると、ためらいながら口へと運ぶ。そして次の瞬間ネズ公の目が見開かれ、いきなりガバッと起き上がった。

「な、なんなのだこのヒマワリの種というのは!ちょーうまいのだ!もっとくれなのだ!」

俺はホレと後ろのヒマワリ型植物人間を指すと、ネズ公は一目散にソイツの顔面に飛びかかり、辺りに血(植物の臭い汁)が飛び散った。

「うおぉぉぉおおおなのだ!このヒマワリの種とやらを食べると力がわいてくるのだ!」

ちょっと見た感じムキムキになったっぽいネズ公は、勢いよくじいさんのバーベル上げの補助をする。

「おい、そんなにしたらじいさんが死ぬ……あっ……」



ネズ公がスポーツジムに就職してから数ヶ月後。俺たちはまた新たな惑星を目指し、宇宙を進んでいた。なぜなら俺はキャプテン・コンドル。昔飼ってた動物は宇宙バジリスク。名前はチュン。

「そういや昔53番目の妹が宇宙ハムスター拾ってきて飼いたいって言ったけど、パパンは頑なにダメだと言ってたな……他の動物はいいのに」

『あ、そういえばシロ太郎さんから手紙が届いてましたよ。スポーツインストラクターやめてまた宇宙海賊に戻ったんですって』

「は?なんでまた」

俺はOBFから手紙を受け取ると中身を読んだ。確かにそこにはOBFが言った通りのことが書いてあった。だがひとつだけ違った点があった。それは付属していた写真に写っていたネズ公が……。

「なんで家で宇宙ハムスター飼っちゃダメなのか分かったわ……」

そこに写っていたネズ公は以前とは変わり、3メートルの巨大ハムスターに変貌していた。どっからどう見ても化け物である。

「宇宙ってホント……なんでもアリだな」



場所は変わり宇宙のどこか……。

宇宙の大海原で、海賊船が海賊船を襲撃していた。

「お、お前はまさか……シロ太郎……なのか?」

「マロのことを覚えていてうれしいのだ船長。このぷりちーなボディのせいで気づいて貰えないと思っていたのだ」

そう言うと3メートルになったシロ太郎はハムスターの船長を銃で撃ち殺し、海賊船を乗っ取った。

シロ太郎は甲板上でカトラスを掲げ、高らかに宣言する。

「今日からこのシロ太郎が新たな宇宙ハムスター海賊、(きみ)ちゃんズの船長なのだ!だが安心するのだ。マロは前の船長とは違い、お前たちを厳しい掟で縛ったりしないのだ!約束ごとはただひとつ!」

シロ太郎は手にいっぱいヒマワリの種を握りしめ、口に頬張り一気に飲み込んだ。

「これから毎日3食!ヒマワリの種なのだぁ!Head Care!」



みんなは宇宙ハムスターに遭遇しても、ヒマワリの種はあげちゃダメだよ。巨大化するからね!

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