メインディッシュはヒマワリの種 2
見捨てられた哀れな宇宙ハムスターのシロ太郎と共に、俺たちはなぜか宇宙ハローワークに来ていた。
宇宙ハムスターって就職活動するんだ……。
「なぁ俺たち帰ってもよくない?」
『まあまあ、乗りかかった船ですし、最終的にどんな悲惨な目に合うか見ましょうよ』
「そっかぁ……そだな!」
問題のネズ公はというと犬並みにデカいカマキリの職員にネチネチなにか言われ続け、うつむきながら話を聞いている。あとあのカマキリ目が血走ってるし、よだれ垂らしてるけど、あのまま食われるのでは?
その予想は的中し、ネズ公に襲いかかった瞬間他の職員に抑えられ、カマキリの職員は奥へと連行されていった。
そしてネズ公はミニサイズの書類を手にしながら戻ってきた。その顔は青ざめ、いまだに震えている。
「と、とりあえず意外といっぱい就職先があったのだ……」
「どれどれ……建築業にファーストフードにスポーツインストラクター、それとクリーニング屋?ネズミなんか雇うのか?」
『ハムスターサイズってことなんじゃないですかね?』
就職先その1、建築業。
「ホントにミニサイズの家作ってるんだな」
せっせとネズ公と同じサイズの動物やら小人やらが家を作っている。しかもさらにその横では普通に人間サイズの連中が家を作っている。
『どうやらペットの家を作らされてるみたいですね』
「はえー惨め。つーかあのネズ公どこいった?」
『あれ』
OBFが指差したほうを見るとネズ公は木材に腰掛け、タバコをふかして一服していた。
そこを小人の頭領に見つかり、胸ぐらを掴まれ怒られている。
「テメェ!まだ働いてないのになにもう休憩してるんだ!」
「えー、だってこんな重労働だってマロ聞いてないのだ。詐欺なのだ。それにミニサイズの家も人間が作ったほうが早いのだ」
そうネズ公が言った時に、たまたま近くにいた人間の頭領が聞いていた。
「お、そうだな。ということでお前ら全員クビ」
「なに余計なことしてくれてんじゃゴラァ!明日からどうやって家族を食わせればええんじゃオォン!?」
ミニサイズの連中がネズ公を取り囲み、集団でリンチしている。見ていて楽しい。
「ご、ごめんなのだ!」
就職先その2、ファーストフード店。
「違うのだ。お客様は神様ではないのだ。どう見てもネズミなのだ」
「ハハッ!金の国の神に逆らうとは良い度胸の店員じゃねーか。ハハッ!俺が指を鳴らせばこんな店簡単に潰せるんだぜ!」
「大変誠に申し訳ありません神様!なにやってるのキミ!もう明日から来なくていいから!」
就職先その3、クリーニング屋さん。
「バカ野郎新人!何度言ったらわかる!そのやり方だとシミが残るでしょうが!」
「ご、ごめんなのだ」
「それにその捌きかただと内臓が傷ついて売り物にならねーんだよ!いくら損失出せば気が済む!」
「つ、次から気をつけるのだ」
「次!?この業界に次なんかねぇよ!生きるか死ぬかのデスマッチライフじゃ、グハァ!」
「マズイ!敵の川久組の増援だ!ずらかれ!」
「あぁ、クリーニングってそっちのクリーニングね」
『ミニサイズにもミニサイズの世界ってのがあるんですねー』




