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キャプテン・コンドル  作者: エコー太郎
27/30

ダンスとシャカチキでパーリナイ 3

「お前のせいで捕まったんですけどオカマァ!」

「っかしーなー。一昨日の土曜洋画ロードショーで見たミュージカルだと敵も味方も老若男女問わずみんなで歌って踊ってハッピーエンドだったんだけど。キャプちんも見た?バッドエンドミュージカル」

「タイトルがすべてを物語ってるじゃねぇか」

ディマルズ……テロリストたちに捕縛された俺たちはメインシンボルの城の地下に連行され、そこにある工場のような場所で縄に繋がれていた。

周りはパクりキャラクターたちに囲まれていて到底逃げだせそうにはない。

この状況をどうするか考えていたそんな時、工場の奥からかん高い声が響いた。

「ハハ!捕まったというのに、とっても威勢がいいんだね!君たちは。そんなときは、彼を呼ぼう!おーい!」

「ボースー!」

それがお決まりのセリフらしく周りのパクりキャラクターたちが声を揃えてボスと呼んだ。いやオカPなに一緒に呼んでるねん。

「いやだって毎週のこの時間帯のお決まりだし……日曜夕方のじゃんけんみたいな」

「知ランガナ」

「おいテメェら!無視してんじゃねぇぞ!ハハ!ペアレンツの教育がなってねぇな!いまの良い子はみんなディマルズニー・ラマルド・チャンネル見て育ってんだよ!」

『チャンネルて』

微妙に似ていないかん高い声の主であるテロリストのボスが、俺たちの目の前に現れた。

モザイク用意!

「やあみんな!僕がディマルズニー・ラマルドのボス、オスワイルドだよ!」

そこにいたのはネズミではなく、ウサギだった。

「いや誰だよ」

「元祖ノ方ダナ」

オスワイルドは呼吸をするが如くかん高い声でハハ!ハハ!と笑っている。というか過呼吸起こしてるみたいで超怖い。

「遠路はるばるご苦労だったね!ハハ!でもそれもすべて無駄になってしまったね!君たちがあのニワトリ野郎の手先だというのはもう僕たちにバレているんだよ!ハハ!どうせ狙いはこの星のエネルギー炉だろうけど、もう壊せないね!やったねー!」

「エネルギー炉って?」

「ルックルッカールッケスト。あれのことよキャプちん」

オカマの視線の先には確かにそれっぽい巨大なエネルギーの玉が浮かんでいた。

「あ、ちょっと待ってあのエネルギー炉3つあっちから見ると隠れミッ」

「ワアアアアアアアア!ワアアアアアアア!キコエマセーン!」

何てことを言い出すんだこのオカマは。宇宙著作権管理会社がそろそろ出てくるぞ。

「ハハ!よく気がついたね!これでこのワールドには残りあと6つ幸福のマークがあるよ!」

『ワールドて』

「安心シロ。サッキ ヒトツ 見ツケタカラ後5ツダ」

「ハルッカー!ええその通りよディマルズニー・ラマルド・チャンネルのリーダーは、オスワイルド!オスワイルド!オスオス、ワイルド!オカPたちの狙いはこの星すべてのエネルギー炉を破壊し、幸福のマークをすべてスナップショットに収めて、この宇宙のミュ~ジコォ~の平和を守ることよ!」

唐突にオカマが立ち上がりオスワイルドを指差し、ポーズを決める。ギリシャ神話の像みたいな。

「あのオカマ、すいませんオカマ、いままでの流れ全部無視して突然話巻き戻して話再開するのやめて?あと何しれっと目的の項目にマーク探し追加してんだよ」

「いややっぱトロフィー集めは重要だし」

『トロフィーて』

「ハハ!どうあがいても無駄だよ!外部からの通信は遮断している!最後の一個すごいわかりづらいから攻略サイトを見ようとしてもWi-Fiが切れてるから無駄だよ!え?幸運のマークの話題は終わった?じゃあ今何の話?」

「ほらオカマが急に話題変えるから~。敵さん困ってる~」

「へへ、さーせん」

薄気味悪い笑顔を浮かべ、オカPが平謝りしながらオスワイルドに焼きそばパンがギチギチに詰まったビニール袋を差し出している。いやどっから出したそれ。

ん?ちょっと待って。

「あのさぁオカP……」

「ヤキショバペェンメェ。なんじゃろほいキャプちん」

「お前いつ縄ほどいた?」

その言葉に、全員の視線がオカPへと集まった。

先ほどまでみんなで仲良く縛られていたのに、オカPの足元に縄が落ちていた。

「あ、やっべ」

オカPは手ブラで直立したまま全員を見渡した後、ナメクジより早く、ゆっくりと動き、落ちていた縄を体に巻き付けた。もちろん亀甲縛りで。

「これでヨシ」

「ヨシ!じゃねぇんだよオカマァ!さっさと俺たちの縄ほどけオカマァ!」

『待ってキャプテン!敵さん!ここ敵さんのど真ん中!』

「敵サンモ マダ 動揺シテルカラ早クゥ!」

「ハハ!逃がさねぇぞテメェら!さっさとソイツを捕まえろ!」

「──ノノンノンノン、ノンタン。無駄よディマルズニー・ラマルド・チャンネルのリーダーは、オスワイルド。オスワイルド。オスオスワイルド」

「それ気に入ったの?」

「うん」

オカPはポーズを次々と変えながら周囲を敵に囲まれていた。だがテロリストたちはピクリとも動かない。

「ハハ!何をボケッフォ!ごめん。何をボケッと突っ立てるテメェら!爆発シーン並に早く動いて捕まえやがれ!ハハ!そろそろ高い声限界!」

「無駄よと言ったはずよ。ディマルズニー・ラマルド・チャンネ、あーもういいや」

『そこで飽きるんかい』

「無駄よ無駄無駄、ダムダムアッパー。あなたのストロベリーちゃんたちはすでに“感染”してるわ」

オカPは足踏みをし、指を鳴らし、リズムを刻み始める。

そしてどこからともなく聞いたことのあるメロディが流れ始める。というかまたいつのまにか黒子がラジカセを持って立っていた。

「ハハ!感染……だと……?」

「メチャハピ、メチャカピ、カビカビーン。いいこと?オカマというのはね、ただ強いだけじゃないの。最強なの。容赦なく圧倒的な力を振るう、それがオカマという超生命体よ」

オカPの動きが激しくなっていくに連れ、周りのいたテロリストたちもリズムを刻みだした。

「ハハ!いったいどうなってやがる!何を踊りだしてるテメェら!ディマルズニー・ラマルド・クラブ・ハウス・サンド・マーチ以外の曲で踊るんじゃねぇ!」

「いやん。そんな怖い顔しちゃテンタクルよリーダー」

「そうよそうよ。リーダーもアタシたちと一緒に踊りましょう」


「こ、これは……!?オカPまさか!」

『テロリストたちが、オカマになってる……!』

「普通ニ地獄絵図ナンダガ」


オカPはミュージカルの様に歩きながらエネルギー炉の方向へと向かっていく。

「さあ行くわよキャプちんたち!ここは任せたわよペロンベロンネェチャア……キャンディーズ!」

「ウィ!任されたわオネェさま!」

オカマになったテロリストたちはオスワイルドを手をつないで輪になって取り囲み、手繋ぎスクワットを始める。

「ハハ!クソ!正気に戻れテメェら!」

オカマテロリストたちに縄をほどかれた俺たちはファッションショーのように、いやそれよりも大袈裟に左右に腰を振るレベルじゃないほどにクネクネしながら早歩きで進んでいくオカPに追い付いた。

「オカPお前……ヴァイラス星人だったのか」

「カリカリウメウメェ。あら、意外と物知りなのねキャプちん。興奮する!」

『ヴァイラス星人って?』

「アア!」

『まさか本当に歌の力でどうこうしてるんですか?』

「いや。ヴァイラス星人っていうのはな、その星人達と、その惑星がまるごとブラックリストに入っている連中だ」

「アタリメ。その通り。オカPたちヴァイラス星人はお身体の80パーセンツが感染力と増殖力が高いウィルスで構成されてる超生命体。ウィルスの種類が個性そのもの。そして惑星の名物はウィルス温泉饅頭、ウィルス焼き、ウィルス宇宙ヌードル、ウィルス丼、ウィルス定食、お昼の11時から15時限定のウィルスランチメニュー、おにぎり(ウィルス)、昔懐かしいおばあちゃんの味ウィルス、スパムスパムウィルススパムスパムスパムウィルス、エトセトラ、エトセトラ」

『長い。というかとんでもなくヤバいオカマだったぁぁぁぁぁぁぁ!!』

オバファッ!とガゴさんが叫んでいると不意にオカPは立ち止まり、辺りを見渡すと「バス亭にエッチなオネェさんがいねぇ!」と叫んだ。

「チャカラシャガシノサマヴァケ。さて、ここからは貴方の仕事よキャプちん。バス亭にエッチなオネェさんがいないからって落ち込んでいる暇はないわ」

「さっきから何が見えてるんだお前……仕事って?」

「ほいこれ」

オカPはどこからともなく空中に四次元ポケットがあるかの如く機械の玉を出し、手渡してきた。つーかヴァイラス星人にそんなマジシャンみたいな力あったっけ……。

「で、何これ」

「ボム」

「え、意外とちっちゃくね。いやお前の下の話じゃねぇから、頬を赤らめながら股間抑えるな」

「ピッピカアロライ。突貫工事だったからね。ギリギリこの星すべてのエネルギー炉を爆発させる威力しかないわ。だから今回のミッションインポッシボォにはアナタのカウパ、あ間違えた。パウワーが必要なのよ」

「力って?」

「ああ!あ、これさっきもガゴさんがやったか。カウパーというよりはザーメ、アナタのその惑星を死へと導く、無意識の才能が必要なの……」

『うぅ……キャプテンの害悪でしかない才能が役立ってしまう日がついに』

なんで泣いてんだこのスクラップ。

「でも急に爆弾設置するいい場所見つけろって言われてもなー」

辺りを見渡しながらその辺をぶらつき、エネルギー炉の真下。どこまでも続いてるように見えて目を凝らすと底が見える大穴の側に立つ。

「ナアコレEP1ノ……」

「ああ、超カッコいい二刀流リアル梅干しが真っ二つにされて落ち、あ!」

俺の叫びを聞き、その場にいた全員がコチラを向き、辺りに静寂が訪れた。

そして静寂に包まれたこの場に、カツーンという音が穴の奥から響いた。

『キャプテン……まさか……』

「……すー……ふー……よし!帰ろうぜ!」




「……ぱい。先輩。ケヴィン先輩。先輩」

「どうしたマイケル」

「何か上から金属の野球ボール落ちてきたんすけどケヴィン先輩」

「ああ?バッお前それちげーよ。どう見ても野球ボールじゃねえよ」

「じゃあこれなんなんすか」

「何ってお前そりゃあ……惑星破壊爆弾だよ」

「なに言ってんすかケヴィン先輩。爆弾じゃないっすよ。あれっすよ野球のあの女子の、ソフトボール」

「いや惑星破壊爆弾だね。俺見たことあっからわかるし。マイケルお前見たことねぇだろ惑星破壊爆弾」

「いやまあ……見たことはないっすけど。じゃあハイ」

「バッお前バッ、急に投げんなよ。爆発したらどうすんだよ、ホレ」

「いや爆弾だったら持ってたくないからすけど、ハイ」

「いや俺だって持ってたくねーよ、ホレ」

「あれ先輩。ケヴィン先輩。いま何かカチッて音しませんでした、ハイ」

「あん?あー何か音鳴ってるな。音っていうか曲か?シャカシャカ言ってる、ホレ」

「あーホントっすね。なんかコレシャカシャカのあとにチキンって」




爆音と共に光の柱が立ち登り、エネルギー炉が次々と爆発していく。

誘爆していくエネルギー炉はドミノ倒しの様に連鎖していき、地面が大きく揺れている。


「……いやー……今のはケヴィンとマイケルが悪いだろ」

『あれこれもしかして爆発オチ……』




遥か彼方……銀河の果て。

また1つの惑星が滅びた。

あとシャカシャカチキンの歌がカラオケランキング一位を取る夢を見れたらいいよね~。

ということでオカPもう寝るおやすみ。

「いやお前の妄想かい!」

『キャプテンそろそろ惑星U.S.J.に着きますからシートベルトしてくださーい』

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