超小型異星人体内潜伏侵略芸術作成症候群 2
『あの……ガゴさん……』
「……ドウシタOBF」
『……ここキャプテンの口の中なんですよね?』
「……ソウダナ」
原子間圧縮ビーム、破壊光線!マシーンから発せられた破壊光線によってOBFたちの体のサイズは1cmほどまでに小さくなっていた。
現在位置は舌の上。これから食道へと進入するところである。だがそこで問題が発生した。
『あれ……なんですか』
OBFが指差した方向には食道の入り口がある。はずなのだがそこにはネオンライトにきらめくWelcome to Tokyo Condole land と書かれた看板がテーマパークの入り口の如く飾られている。
さらにその看板の下にはサンタのコスチュームに身を包んだおじさんが、タバコを噴かしながら意味不明な宣伝文句が書かれたプラカードを掲げている。
「よぉ兄ちゃんたち。どうだい?良いモン娘が揃ってるぜ……」
深夜ネオン街呼び込みクリスマス限定サンタコスおじさん球。
口内に侵入した元素を気体と物体に分けて選別している。しかし常にサボッているため意味はない。なぜ存在しているのか謎に包まれており、今もなお学者たちの間で研究されている。
『え?なに?なにこのアナウンス。解説と呼んでいいのこれ?ていうかこのおじさん細胞の一種なの?』
「ドウヤラ キャプテンノ体内ニハ 未知ノ細胞ガ 多クイルヨウダナ。ソノ度ニ解説ガ入ルヨウダ」
『えぇ……なにその体内の仕組み。どう考えても人間じゃないのですが』
「まぁキャプテンだし、なんでもありなんじゃない。気にせず早く先に行きましょう」
『そうですね。先に進んで早く問題解決を……え?というかソフトクリーム(ふわくもレインボー味)さん。なんでいるんですか?』
OBFとガゴさんの横には、しれっとごく当たり前のようにソフトクリーム(ふわくもレインボー味)が立っていた。
「私だけじゃないわよ」
「私もいるよ~!」
「ワタシモイルネ!」
さらにナイアーラトホテップ、自由の女神像もそこにいた。
『3人ともなにしてんですか!危ないですよ!キャプテンの体内なんですよ!危ないに決まってます!危なくなかったらそれこそおかしいです!』
「マアソウダナ」
「キャプテンの体内なんだからきっと何かあるはずよ。それで弱味を握って毎月50万要求するって算段よ」
『何考えてるんだこの人……いやソフトクリームですけど』
「私はおもしろそうだったから!」
「ワタシハソノ場ノ乗リヨ!」
3人の宇宙キャバ嬢はノリノリである。その昔はスペースパイレーツだったと言われても不思議ではないほどにこの状況が似合っていた。
『しょうがないですね。ここまでした以上流石に置いて行くわけにはいきませんし……』
「何言ってんのOBFくん。アナタが私たちに着いてくるのよ。ほらさっさと行くわよ」
「れっつらごー!」
3人のキャバ嬢はOBFとガゴさんなど気にせず食道へと進んで行く。完全にこの場の主導権は女子たちが握っている。
「諦メロOBF。女性ニ逆ラッテハイケナイ」
OBFとガゴさんの2人は大人しく3人のキャバ嬢へと着いていった。
「……ヒマだな」
俺はキャバクラのソファに仰向けに横たわって天井を見つめていた。このキャプテン・コンドルの体内ではいったい何が起こっているのだろうか……。
4人が心配だ。ナイアーラトホテップちゃんと赤ちゃん言葉触手プレイでもしようかと思ったが着いていってしまった。あぁ心配で心配でたまらない。
ソフトクリーム(ふわくもレインボー味)ちゃんは……まあ平気だろ。それより何か弱味を握られて毎月30万とか要求されないように注意しなければ……。
自由の女神ちゃんは……初登場だからよくわからない。
そして親愛なるガーゴイルのガゴさん。彼なら問題ないだろうが心配するにこしたことはない。
エ?OBF?ナニソレ オイシイノ?
「くっ……体内で芸術が爆発してる感覚がより激しくなってきた……。言葉にするとちょっと興奮してきた……」
爆発リョナ……良き。
『いや良くねーよ。変な性癖開発しないで』
「ドウシタOBF? 何カアッタノカ?」
『なんでもないでーす。こっちの話でーす』
「ホラァ!男子ィ!キビキビ歩ク!休憩シテンジャナイワヨ!」
『はい!すんません!』
一行は食道を通りすぎ胃へと到着した。そしてまた先ほどの食道どうようにありえない光景が広がっていた。
『うわぁ……』
「コレハヒドイ」
「率直に言って死ね」
「ヤバヤバダネー」
「もーキャプテンのえっちー」
それは胃の内部、ではなくもはや街だった。
ピンク一色の街に立ち並ぶ建物はすべてラブホである。飲食店かと思ったらラブホ。ハロワかと思ったらラブホ。役所かと思ったらラブホ。警察署かと思ったらラブホ。どこもそれっぽいだけで建物の内部はすべてラブホであった。
『ここ本当にキャプテンの体内?僕たち別世界に来てませんか?』
「ダガ、キャプテン ノ体内ダカラト言エバ解決シテシマウノモ事実」
「まあ建物だけだったらいいんだけど……問題はあれよね」
ソフトクリーム(ふわくもレインボー味)の視線の先には、ピンクのベッドが置かれていた。それも1つだけではなく通りに路上駐車されている車の如く、縦横無尽にピンクのベッドが置かれている。
そしてどのベッドも謎のシーツの山が出来ており、ベッドを軋ませながら小刻みに動いている。
ギシギシアンアンクリスマスはセイなる夜だからシカタナイネ!球。
ベッドを軋ませながら性行為による動きからなる熱を放出し、胃の内部の温度を上げ、胃の中にある消化物を溶かしてい液状に変える。産まれてくる子供の誕生日はみんな10月24日前後である。ナンデダローネー。
『なんかちゃんとそれっぽい働きなのがムカつく』
「というかこのナレーション誰?」
「知らなーい」
「ソレヨリ早ク先ニ進モウ。コンナトコロ素通リスレバヨシ」
全員が再び歩を進めようとしたちょうどその時、地面が揺れた。いや胃の中が揺れている。
「ナンデココ揺レテルノ?」
『すっごい嫌な予感がします……』
「そういや腹減ったな……あ、ナイアーラトホテップちゃんが作ってくれたパフェがあったな。ナイアーラトホテップちゃんと一緒に食べたかったけど、またの機会にするか」
揺れ動く胃の中の一行は、揺れの原因が食道から来ていることを知った。
揺れが激しくなっていき、食道からどんどん奥へ胃に向かって進んで来ている。
そして一行は、その姿を目にした。
丸のみしたのか大きさそのままで、ソイツは現れた。
そう、パフェのトッピングのダイス型触手生物である。
『アイツパフェ食べやがったぁ!』




