人にB級映画を勧めるときはサメより殺人トマトにしなさい 3
謎の黒い彗星こと、ダース・オサトゥーの家に来たこの俺、キャプテン・コンドル。
順番にツッコんでいくぞ。
まず名前がダース系列だった。どっちかに統一してくれ。
そして家が惑星だった。ちょっと何言ってるかわからない。
「コー、ホー。あ、キャプテン。そっちは格納庫だよ。シアタールームはこっち」
「格納庫?タ◯ファイターとかA◯-ATの?」
「コー、ホー。いや違うよキャプテン。見せてあげるよ」
ダース・オサトゥーに案内され格納庫に足を踏み入れた俺は、思わずそこにある機体を目撃し、言葉を失った。
「コー、ホー。どうだいキャプテン?素晴らしいだろ?」
「いやダメでしょ」
「ダメってなにが?」
「だってこれ全部……ガン◯ムじゃん」
格納庫には何機ものガン◯ムが収納されていた。なんで?そこはザ◯だろ。バー◯ムでもいいけど。
あとガン◯ムオンリーだし。タンクとキャノンとボ◯ルも開発しとけよ。
「コー、ホー。ハハハ、違うよキャプテン。これは我が帝国の最新モバイルスーツ。その名はギャンデャム!」
「いやもっとひねれよ。発音おかしくしただけじゃねぇか。あとそのモバイルスーツ絶対略称使うなよ」
「ゴー、ボー。━━オサトゥー。友人か?」
「コー、ホー。あ、ダディ」
不意に後ろから声をかけられ、ダース・オサトゥーが反応した。
ダディ?お父さん?え、どっちの?シャ◯?アナ◯ン?あ、アナキ◯にお父さんいないわ。
じゃあ◯ャアのお父さんだからジ◯ンか。
「ゴー、ボー。初めまして。オサトゥーの父、ダース・ソルティーです」
そこにはマントをたなびかせている、黒ずくめの鉄仮面の男が立っていた。
「まさかのカロッゾ・◯ナァ!?斜め上過ぎぃ!」
「コー、ホー。ダディ、彼の名は……えーと……キャプテン・ファ◯コン」
「だいたい合ってる」
「ゴー、ボー。そうか、良く来てくれたキャプテン・ファル◯ンくん。さぁ我が帝国の最新兵器を紹介しよう。男の子はみんなこういうの大好きだからな。よかったらギャンデャムに乗ってみるかい?」
「え、いいんですか? じゃあユニ◯ーンがいいです」
「コー、ホー。そんな機体ないです」
一方その頃、帝国の人工惑星ペス・スターに向かう、反乱軍とそのオマケは。
「艦隊ニ近ヅキ過ギルナヨOBF」
『わかってますって………あとオマケって僕らのことか……』
ガーゴイルのガゴさんが手に持つGPS端末に表示されているキャプテン・コンドルの座標にどんどん近づいていく。
「ソロソロ帝国ノレーダーニ反乱軍ノ艦隊ガ感知サレル距離ダナ」
『てゆーかこの船戦闘宙域飛んでも平気ですかね?』
「当タッタラ木端微塵ダナ。腕ノ見セ所ダゾパイロット」
『えぇ……今からでも帰りましょうよ……そもそも帝国の人工惑星にどうやって侵入するかも考えてませんし……』
「……ア、ドウシヨウ……ドウスル?」
『……やっぱ帰りま、のわー!?』
船内にアラートが響き渡り、船全体が大きく揺れる。それはすぐ近くの反乱軍の船がペス・スターに狙撃され、爆発によって生じた揺れである。
「ココマデ来タラ行クシカナイナ!」
『冒険野郎はキャプテン1人で十分なのですが……ん、あれは?』
船のモニターに映し出されている戦闘光景の中で、反乱軍の艦隊から次々と戦闘機が出撃している。否、それはただの戦闘機ではなく、人の形をしている。
『あ、あれはまさか!?』
そう、ザ◯である。
『はい。アウト』
「うおー、やっべコレやっべ。テンション上がる。コックピット内部もまんまパクリだけどテンション上がる」
ユニ◯ーンではないが、やはり乗るとテンション上がる。でも表示されているシステム名がNTR-Dなのは……きっと技術部門の人に何かあったのだろう……うん。そっとしておいてやろう。
「コー、ホー。だからぁ!ギャンデャムはうちのオリジナルだって!反乱軍がパクったの!あのジャキュとかいうポンコツ!」
「うそつけ!絶対財団Bからパクっただろ!キャプテン知ってるんですからね!」
「ゴー、ボー。ハハハ、楽しそうでなにより。ではそろそろ他の場所も案内しよう」
「あ、うん。そうね動かせないから飽きた……ん?」
コックピットから降りようとしたら、格納庫内に聞き慣れたアラームが響き渡る。
「うわ微妙にSE違うし」
「コー、ホー。どったの!ねぇどったの!頼んどいたピザの宅配!?」
「いえ違います!反乱軍の艦隊です!ジャキュが来ます!」
「コー、ホー。なにぃ!?ジャキュだと!」
「あー向こうもパクってるのね……まぁ予想ついたけど」
ダース・オサトゥーは高らかに右腕を掲げ、指示を出す。
「コー、ホー。ハッチ開けろ!ギャンデャム!緊急発進!」
ダース・オサトゥーの指示に従い、格納庫内のクルー全員が戦闘体制に入る。
じゃあ危なそうなので俺は降り……ん?
「あれぇ!?ねぇちょっと待って!ねぇ!オサトゥー!俺のガン◯ム動き出してん……コイツ!動くぞ!?」
「コー、ホー。んとねー、それはアッチでー、緑のチカチカしてんのはソッチ。で、この六種類のチーズハーモニーピッツァ、ウィンナー耳つきはコッチ。映画見ながら食べてよ……ん?オイゴルァ誰じゃあ!ピッツァつまみ食いしたの誰じゃあ!」
「ねぇ待って!お願い!無視しないで!キャプテンこのままだと出撃しちゃう!」
ガン◯ムのコックピット内で叫んでいると通信が入り、すぐやられそうな顔をした男が映し出された。絶対これ隊長だ。
『ハハハ!どうした新人!さすがのお前でも本番はビビっちまうか!』
「新人じゃないです隊長!キャプテン・コンドルです!初めまして!」
『ハハハ!落ち着け新人!そんなんだから彼女を反乱軍なんぞに取られちまうんだ!』
「NTRの被害者新人かよ!アイツ絶対いまベッドの上で体育座りしながらAV見てるって!俺にはわかる!19番目の兄ちゃんがそうだった!」
『ハハハ!安心しろ新人!お前は俺たちのあとに着いてくればいい!俺は先に出るぞ!……ぐわぁ!』
「やられてんじゃねぇか!」
いくら喚いて騒ごうがどんどん出撃ハッチが近づいてくる。ええいままよ、覚悟を決めるしかない。
「ガン◯ム発進する!」
だが俺はキャプテン・コンドル。俺に不可能は無い。すぐさまエースパイロットになって昇進を重ね。美女たちを両脇に侍らせ……あ、そもそも帝国軍に所属してないじゃん。
『あのー……発進どうぞ……』
「あ、了解。━━コンドル!行きまぁーす!」
「モットウマク飛ベOBF!」
『被弾面積を最小限に減らすので手一杯ですよ!それよりキャプテンは!?』
「ン?キャプテン ノ反応ガ近イ!スグ近クニイルゾ!アレダ!」
『あれ敵の戦闘ロボ……あ、そうかキャプテン、敵から奪って逃げたんですね!』
「船ヲ近ヅケロ!キャプテンニ信号ヲ送ルンダ!」
そしてキャプテン・コンドルが乗ってると思わしきガン◯ムに近づいた瞬間、目の前で◯ンダムが被弾し、機体から爆炎を上げた。
『あ……』
「ア……」
『……どうします?』
「……一応確認スルカ」
「たかがメインカメラをやられただけだ!」
あ、待って何も見えない。無理だって。真っ暗。ちょーこえー。俺ニュー◯イプじゃないもん。
『いや、何やってるんですがキャプテン……めっちゃノリノリ』
どこかで聞いたようなノイズみたいな声と共に、外部からコックピットハッチが開けられ、見慣れたポンコツロボットの顔が現れる。
「あれ、何してんのOBF?」
『いやそれコッチのセリフですよ。いいから帰りますよ』
「いや待てOBF!俺はペス・スターに戻らなければ!」
『え、なにそのシリアス顔……捕虜に美女でもいましたか?』
「いや、まだオサトゥーと一緒にミニシャークvsアリさん帝国見てないからさ……」
『B級映画なんて知るかぁ!』
コックピットから離れまいとしがみつく俺をOBFは無慈悲に引き剥がし、船へと強制連行していく。
次は、何を見よう……たまには、ワニ映画でも見るか。




