人にB級映画を勧めるときはサメより殺人トマトにしなさい 1
遥か遠い……銀河の彼方……。
壮大なBGMと共に始まる前置き。
どうして斜めなの?
キャプテン・コンドルの疑問は解決されない。
そして自分は読むのが遅いのでいつも自宅で一時停止観賞。
映画館大きいよね。
でも大きいくせに見たい映画が上映されないから円盤化を待つのみ。
次々と繰り出されるネタバレの数々。
始まる映画戦争。
止める手立ては最早なし。
見届けることしか俺には出来ない。
だがそんな悩みを抱えているのはこのキャプテン・コンドルだけでは無かった。
この銀河の彼方に、もう一人いた……。
宇宙のどこか。
巨大人工惑星ペス・スター。
もちろん帝国が君臨しています。
そしてその惑星内部、謁見の間では……。
「コー、ホー」
「ダース・オサトゥー卿は、即刻その転売ヤーを素敵な人格に改造しちゃうぞ工場に送れ、と申されている」
巨大な厨二感満載の黒い玉座に黒ずくめの仮面の男、ダース・オサトゥー卿が座っている。なぜか仮面のデザインが暗黒卿ではなく赤い彗星っぽい。
その横には黒いコートを着た具合が悪そうな顔面蒼白の男、通訳が立っている。
「これがデフォです」
うるせぇ、解説に話しかけるな。
えー、ダース・オサトゥー卿からの命令を聞いた白い兵士は、立ち上がり一礼するとその場を去っていった。
その後ろ姿を見送りながら、通訳はため息をつく。
「やれやれ、我らが帝国に逆らう人間が後を絶ちませんな。これでは満足に侵略も行えない」
「コー、ホー」
「それだけはいけませんダース・オサトゥー卿。いくら貴方でも今の状況で夏コミに行かせるわけにはいきません。すぐさまレイヤーに間違えられ、取り囲まれてしまうのがオチです」
「コー!ホー!」
「駄々こねてもダメ!それよりほらもう次の人が来ましたよ」
通訳が言った通り、奥の方から一人の赤い兵士が歩いて来ていた。
「コー……ホー……」
「…………」
だが入り口と玉座の手前までかなりの距離があるので、まだまだかかる。
「コー、ホー」
「やはりスペース余っているからといって広く作り過ぎなのでは? おーい!そこの兵士、もう走って来ていいぞ!」
「あっはい」
煩わしいので通訳が走ってくることを許可した。
そしてようやく息を切らせた兵士が玉座の前にたどり着き、ダース・オサトゥー卿にひざまずいた。
「ぜぇ、ぜぇ、申し上げますダース・オサトゥー卿!エッホォ!」
「あーもう息整えてからでいいから」
兵士は息を整えると再び話しだした。
「先ほどダース・オサトゥー卿あてに緊急の連絡が入りました!TATSUYAからレンタルしたDVDの返却期限が1日過ぎているそうです!」
それを聞いたダース・オサトゥー卿は飛ぶように立ち上がった。
「━━うわやっべすっかり忘れてたよ~。ここ最近激務だっからさ~。シャークマン借りてたんだった~。じゃあ俺ちょっくらTATSUYAまで返しに行ってくるわ」
「普通に喋れたんかい!」
「オイテメェ!兵士の分際で卿になんて口聞いてんだ!あ、ダース・オサトゥー卿!返してくるだけですよ!借りてきちゃダメですからね!」
場所は移り変わりキャプテン・コンドル一行が乗る船。
「なあOBF」
『はい』
「しりとりしない?」
『別に構いませんが』
「じゃあしりとりの、りからな。りんご」
『拷問』
「……」
『……』
「なあガゴさん」
「ドウシタ、キャプテン」
「しりとりしない?」
「イイゾ」
「じゃあしりとりの、りからな。りす」
「水銀」
「……」
「……」
「……そういや借りてたアンイヤンマンの返却日今日までだったから、ちょっくらTATSUYAまで行ってくるわ」
『ご自由に、どうぞ』




