恋はオイルの味 2
「うふふ、これはどう?キャ~プテン」
「うぉ、すごい締め付けだよナイアーラトホテップちゃん……」
「ほーら暴れないで、じっとしてるんだよ~」
「あぁ、すごい血管感じるよ……これが最高に気持ち良すぎる……」
「うふふ……はい、終・わ・り。キャプテンすごい健康だよ~。平均値」
「まさかナイアーラトホテップちゃんの触手で血圧測って貰えるなんて、夢みたいだよ……」
血圧測定プレイをナイアーラトホテップちゃんと楽しんだ俺は、飲みなおす為に元の席へと戻って来た。が、そこにいるはずのOBFの姿がなかった。
「あれ……ねぇソフトクリーム(ふわくもレインボー味)ちゃん。さっきここにいた産業廃棄物どこいった?」
近くにいた顔馴染みのとぐろを巻いた虹色の頭部を持つ、ソフトクリーム(ふわくもレインボー味)ちゃんに聞くと、彼女は店の外を指差した。あといま虹色のう◯こ連想したヤツは彼女に宇宙三途の川に沈められる。
「OBFくんならKRG114514号ちゃんと息投合し過ぎて、そのままお持ち帰りコースだったわよ。なかなかお似合いのカプだったわ。あとカプって言うとコーン連想しない?」
「なん……だと……産業廃棄物の分際でお持ち帰りコース……いくらすると思ってるんだよぉ!」
「代金なら彼ちゃんと払って言ったわよ。あとキャプテンは私の星滅ぼしたんだからさっさと金落としていってね。ということでタワー入りまーす」
「あれー?これどこかで見たことあるお酒だなー。ってこれこの店で一番高いシャンパンじゃねぇか!」
「でも貴方キャプテン・コンドルなんでしょ?これくらい、払えるもんね~?」
「……いえす」
怖い女子には逆らうな。それが俺のルール。なぜなら俺はキャプテン・コンドル。世渡り上手の触手フェチ。はは、目から汗が止まらねぇや。
一方そのころ、惑星コハロにてOBFとKRG114514号はデートを満喫していた。ところをKRG114514号の借金とりに襲われ、カッコつけて守ろうとしたら普通にボコボコにされた。OBFはその場にうずくまり、目からオイルを流していた。
『ダセェ……ダセェよ……どれくらい今ぼくが惨めかというとその行程の説明が省かれている位ダセェよ……』
だってこれ俺の話だし。キャプテン・コンドルの物語だし。脇役は説明省くよ。
『ゴメンナサイOBFさん……私のせいでこんなスクラップ寸前にされてしまって』
KRG114514号はやさしく声をかけるが今のOBFには逆効果だった。いいぞもっと惨めになれ。
『もうキャプテン!ナレーションしてないで早く出て来てくださいよ!いるの分かってるんですからね!』
「んだよ、せっかく登場タイミング見計らってたのに」
そう言って俺は物陰から登場した。なぜなら俺はキャプテン・コンドル。触手フェチの主人公。ナレーションも大事な仕事だ。
「えーでは気を取り直して……惨めだなOBF。惚れたロボ娘も守れないとは、お前に彼女はまだはやい。キャプテン許しませんからね!」
『親か!てゆうかキャプテン!キャプテンならあんな借金取りなんとか出来るでしょう!?ぼくなんかどうでもいいからKRG114514号さんを助けてあげてくださいよ!』
「無理だOBF……実はヤツらはパパンの傘下。俺が手を出すわけにはいかない。あとぶっちゃけロボットの分際で恋とかムカつく。さっさとスクラップになって死ね」
『そう言うと思った!』
許せOBF。俺だって辛いのだ。
『うそつけ』
それに……今はお金がない。というか今からドンドン減ります。
『え?お金がないってどういう……ファッ!?うーん……ハッ!危ねぇ!またシステムエラー起こすとこだった』
OBFの反応で俺はすべてを悟った。そもそもコイツのためなんかで俺はこんな惑星に来たりしない。この惑星コハロに来た真の目的、それは……。
「あ、いたいたキャプテン。ねーねー私さっきチョーかわいいバッグ見つけたの~。でも高くて私じゃ手が届かなーい。貴方キャプテン・コンドルなんだからそれくらい買えるわよね?」
「キャプテン私お腹空いちゃったよ~。さっきアッチで生の高級M69星雲星人食べられるお店あったからそこ行こーよ~。光の巨人てチョーおいしいんだよ~」
俺は両脇からガッチリ腕を掴まれ、逃げ場を失った。
両手に花ではなく、右手に触手、左手にソフトクリームである。
俺は財布を開き、中に入ってる残額を確認した。
それを見た途端、自然と俺の頬を、一粒の雫が伝った。
「━━よろこべOBF。これから毎日宇宙もやしパーティーだ」
そういやこの産業廃棄物、いくらで売れるかな?




