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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 3 (2023.1~12)  作者: 四季


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愛され令嬢、女にそそのかされた婚約者から婚約破棄を告げられるも幸せになる!

「エリーは本当に綺麗ね」

「きっと素敵なお嫁さんになるわぁ~」

「女神のよう」

「ほんと好き。愛してる。同性でも愛したいくらい好き好き」


 良家の一人娘であるエリーは美しい容姿と綺麗な心の持ち主で、親からも親戚からも、皆から愛され称賛されて育った。


 だがそんな彼女を良く思わない者もいて。

 婚約者ベーガラー、彼はエリーの素晴らしさを認めたくないという心を持っていた。


 そのため彼は定期的にエリーを呼び出しては罠にはめるようなことをして恥をかかせようとするといったことを繰り返していた。

 もっとも、エリーはそのたびに味方の力を借りて乗り越えるので恥をかかせることはできず、彼の企みは無意味に終わるのだが。


 そんなベーガラーには実は愛している女性がいる。

 その名はエリミーネラ。

 彼女はエリーとは比べ物にならない家柄の出だが、ベーガラーからすると自分より下の女といるという安心感のようなものがあったようで気に入っていた。


 そんなベーガラーはある時エリミーネラから「あんな女、早く切り捨てて!」と迫られ、ついに覚悟を決めなくてはならないこととなる。


「エリー、君との婚約は破棄する」


 ベーガラーは人が多くいる公園へエリーを呼び出すとそんなことを宣言する。


「え……」

「もう君とはやっていかない。いいな? じゃ、そういうことだから。永遠に……さよなら」


 こうして終わりを告げたベーガラーだが。


「何あいつ、あり得なーい」

「エリーちゃんにあんなこと言うなんてサイテー」

「酷いわねぇ」

「ま、もともとつりあってねーけどな」

「エリー様にはあのような男は相応しくありませんわ!」


 通行人からはベーガラーを批判するような声が多く出ていた。


 たまたまその場に居合わせたベーガラーの勤め先の社長は一部始終を目にして怒り、ベーガラーをクビにした。


 一方的過ぎる婚約破棄という問題行動によって失職したベーガラーは、社会的な評判も地に堕とすこととなり、そしてそれによってエリミーネラからも「あり得ない! 今のあんたみたいな男、価値なし!」と言われ捨てられた。


 こうしてベーガラーはいろんな意味で終わったのだった。


 ただ、エリミーネラのまた、その後痛い目に遭うこととなる。

 というのも、エリーの父にベーガラーとの関係を暴かれ償いの金を支払わされることとなったのだ。


 ベーガラーも、エリミーネラも、結局穏やかな日常は手に入れられなかった。


 一方エリーはというと、後に旧王族の青年と結婚した。

 とても裕福な家庭で育ってはいるもののきちんとした教育を受け凛とした青年に育っていたその人はエリーにお似合いの男性であった。


 エリーは幸せに暮らしている。


 結婚した今でも皆は口を揃えて「彼女は素晴らしい女性だ」「女神のようだ」などと言う。それほどの魅力を彼女は備えているのだ。夫はもちろん、周囲の人たちの心も、老若男女問わずとらえて離さないエリーであった。



◆終わり◆

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