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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 3 (2023.1~12)  作者: 四季


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甘やかされて育った婚約者は驚くほど自分勝手でわがままです。~婚約破棄の理由が凄いですね!?~

 我が婚約者ウィールズはとことん身勝手な青年だった。


 彼は甘やかされて育った。

 そのせいか自分が言ったことは周りの人間がすぐに叶えてくれるのだと思い込んでいる。


 それゆえ、思い通りにならないことがあるとすぐに怒り出す。


 しかもその怒り方が大変幼稚。

 手足をじたばたさせたり、頬をふぐのように大きく膨らませたり、びええと泣いたり――その様はまるで幼児のようである。


 そんな彼との付き合いに私はいつも大変苦労していたのだが。


「僕が食べたかったお菓子先に食べたぁぁぁ!! ぶぃいえぇぇぇぇぇぇ!!」


 ある日のティータイム中、私がクッキーを一枚口にしたところ、急にそんなことを言われ号泣されてしまって。


「もう嫌! 婚約破棄する! 婚約破棄ぃぃぃぃ! 大嫌い、大嫌い、だいっきらいだああぁぁぁ!」


 さらにはそんなことまで言われ。


 結果、そんな些細なことを理由に婚約破棄されてしまった。


 ウィールズの両親は彼の味方だった。

 だから正当な理由なんてないのに力押しで婚約破棄に持ち込まれてしまったのであった。


 どうして……。

 ただお菓子を食べただけなのに……。


 だがしかし、後になってよくよく考えてみれば、この展開は私にとって悪いものではなかったと気づいた。


 だって、面倒臭いウィールズから解放されるのだ。


 それが悪い展開なはずがない。


 幼稚で自分勝手過ぎるウィールズとも、そんな彼の味方ばかりをしていまだに息子を甘やかしているウィールズの両親とも、これで縁を切れる。


 そう考えてみれば悪いことばかりではない。



 ◆



 数年後の春、私は、栗色の髪が綺麗な五つ年上の青年と結婚した。


 彼はウィールズとは違う。

 年相応というか、それ以上の大人っぽさと素晴らしい精神性を持ち合わせている人物だ。


 逆に私のわがままを受け入れてくれるほどである。


 彼は私をいつも穏やかに見守ってくれている。そしてそっと寄り添って、大切にしてくれる。私を見守っている彼の瞳にはいつもどんな時も包み込むような優しさの色が滲んでいた。


 私は彼のことが好きだ。


 愛している――そんな風に言ったら単純すぎると思われてしまうかもしれない――けれども本当にそうなのだ、私は彼を本当に本当に想っている。


 ああ、そうだ。そういえば。


 ウィールズはあれからも複数人の女性と婚約してはそれを破棄するといったことを繰り返したようだ。


 で、やはり、婚約破棄の理由は毎回くだらないことらしい。


 しかし最近ではその情報が世に出回っていて。

 よほどの世間知らずくらいしか彼と関わらないような状況になっているそう。


 つまり、ウィールズはもう誰からも相手にされていないのである。


 ウィールズは孤独の中で生きている。



◆終わり◆

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