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株式会社エデン、異世界対策課  作者: 虎川 悟
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閑話 M4K1ハウィック バカンス2

 歌君をどうやってフォローしたものかと考えていると、ふと考え着いたことがあった。そういえばここではピュアフルーツを料理しているけど匂いで生物が来たりしないよなぁ。


「歌君ここなら大丈夫じゃないかな?ほら、外で大っぴらにお菓子を作ってるのに俺たちも平然としているし、魔物とか動物なんかも全然来ないし」


とそっと慰めるとそっと顔を上げて周囲を見て、ゆっくりと立ち上がった。そして俺は続ける。


「だからさぁ、歌君。ここなら大っぴらにお菓子作りしてもいいだろ?」


というセリフを聞いて歌君の顔がぱあっと明るくなり、途端に元気になった。


「おう!ありがとう!じゃあ早速あれ作ってあれも作れるかな。(´∀`*)ウフフ夢が広がってきたぞーー」


「盛り上がってるところ悪いけどそろそろ夕方じゃないかしら?」


うわ!本当だ。もう夕日が傾いている。


「今日の晩御飯どうします?バーベキューでいいです?」


「いいですね!バーベキュー♪」


「やっぱりキャンプならバーベキューかな?」


「いいねぇ!じゃあお菓子作りは明日にしよっかな」


と全員楽しみそうにしているから、そうしましょうか。

 俺たちはさっそく役割分担をすることにしました。歌君と月姫ちゃんは後ろのほうで魚釣りを、俺と伊澄先輩は、セットの準備をそれぞれすることにした。


「そういえば歌君は釣竿持ってるのを知ってるけど月姫ちゃんは持ってるの?」


「持ってますよ?結構高性能のものを」


といって巾着から釣竿を取り出した。その釣竿は迷彩柄みたいな緑色でリールの部分にはデフォルメされたカッパが描かれています。


「何それめっちゃ可愛い」


と早速歌君が反応した。歌君ってかわいいもの好き?

 と二人は後ろの釣り堀に歩いていき、精霊獣たちも一緒に歌君について行きました。

その後ろ姿を見ていた伊澄先輩がぽつりと、


「お若い二人を見るのはいいですわねぇ」


「お若いって先輩も十分若いじゃないですか。大体神様に不老にしてもらったんじゃないですか?」


「いえいえ、これでも私は結構年ですので。精神年齢的なものですわよ。それに不老じゃなくて老けが遅くなるだけですわよ」 


とムッとしていたけれど別に怒ってはいない用でしたので安心しました。


「じゃあ俺たちはセットの準備でもしましょうか。俺は食材の用意を始めますので、先輩はコンロの用意をお願いします」


「あら?わたくしも食材を切ることくらいはできますわよ」


「先輩、食材をこま切れ肉にすることを『切る』とは言いませんよ」



〈藤井月姫、歌海綺星side〉


 俺と藤井さんは一緒に島の裏側の岩場に来ていた。俺は精霊釣竿を取り出して、着々と準備を開始する。俺の釣竿は工房班の人たち曰く魔力をルアー代わりにするらしいから餌は必要ありません。

 藤井さんの釣竿は可愛らしいカッパの釣竿でルアーもなんとカッパとカッパ尽くしだった。かわいいなこの釣竿。


「じゃあ始めましょうか」


というので俺たちは釣りを開始する事にします。



〔藤井月姫〕


 私の初めての後輩の歌海綺星君を一目見た時かなり軽薄そうな男の子だった。見た目はお友達に囲まれていて、カラオケとかにもよくいきそうなクラスの中心人物みたいでまぶしく見えた。苦労も特にしてなさそうに見えました。

 だけど先日の異界進軍事変スタンピードと世間で呼ばれている事件で考えががらりと変わった。彼が助けに来てくれた時、彼を助けた時、彼は息を切らせながら来る様はまるで物語の主人公のように見えた。

 大群に一人で立ち向かう歌海さん、精霊の力に呪いの力。その相反する力を操り戦うその姿はとってもかっこよく見えました。

 私は神から力を借り受けた時私は一番印象に残っていた歌海さんの魔力を目印に移動をすることにしたのは偶然ではなく歌海さんのことを信じているからです。なぜあって数日の相手を信じたのかはわからないですが、彼なら物語の主人公ならと思っていました。

 私は実は結構告白というものに立ち会ったことや、告白を受けたことがありましたが、私には恋という感情が分かりません。ですが、感覚的に胸に熱を持ったモヤモヤがあるのをここ最近感じた。おそらくこれが恋という感情なのだろうと思う。これからもっと知っていこうと思います。

 私は今ハウィックという世界に来ています。この世界はリゾートや避暑地としてよく使われる世界です。そこで私と歌海さんは釣りに来ています。

 私の釣竿は河童釣竿といって、河童からもらったものを調整して改造したものです。元々河童釣竿は川釣り専用の面がありましたが、海釣り兼用にしてもらいました。名付けて『海河童釣竿』です。

 私は河童の形のルアーを海に投擲してしばらく待ちます。河童ルアーにはちいさな鈴が付いていて、海の中で小さく鳴り、魚を引き寄せるらしいです。

 小一時間ずっと入れ食い状況でしたので私はいったん釣果を見ることにしました。私は鑑定が使えませんが、ここの世界は専用の図鑑ができています。なぜって?それはなんででしょうかあとで聞いてみましょう。まあそんなことより釣果は、大小合わせて三十匹くらいいますね。さて、歌海君はどうでしょう。

 え?何で?どこにもいないんですが?精霊獣たちもほとんどいますが、ヘビさんがいなくなっています。


「え?歌海さん?歌海さーん?」


「はい?呼びました?」


と後ろから声がした。水着姿で。あれ?顔が赤い気がします。


「ななな、なんで水着なんですか!!」


「いや、だってこいつが海に潜りたいって言ってたから。どうせなら釣りで取れないものをと思いまして」


といって掲げた袋にはサザエやアワビなどがたくさん入っていました。その代わり釣果はあまりないようです。


「そっそうですか、では戻りましょうか」



「お?帰ってきたか?お帰りーどうだったー?てか月姫ちゃんどうしたの?顔真っ赤だよ?」


「聖勇者さん。そういう事はあまり詮索するものではありませんよ。ここは温かく見守ってあげないと」


「もう!二人ともからかわないでくださいよ!」


「??どういうことだ?」


「歌君は知らなくていいの。それで成果はどうだった?」


といって二人から取れた獲物を受け取る。


「お?サザウェにアウェビじゃん♪サザウェはつぼ焼きにするか」


?今なんていいました?サザウェ?アウェビ?


「えっと後はっとこの魚はゴンズィーかよく毒に当たらなかったな月姫ちゃん大丈夫だった?」


「へ?毒?嘘!」


と私は聖先輩がはじいたさかなを見つめて、そういえばかかってた気がします。それにこれを外したのってというかこれは簡単に外れてえ空中を泳ぐように飛んでいったような。

 と私は何の気なしに歌海さんのほうを見ると精霊獣のオオカミさんが誇らしげにしていました。その状況で察した私はオオカミさんに近づいてお礼の意味も込めて撫でました。


「歌海さん。あとでこのおかみさんをブラッシングしていいかしら?」


「ええ、いいですよ。ですがブラシがないですが」


「あ、犬用ブラシなら特注で作ってもらいましたので大丈夫ですよ」


と話し終わると丁度聖先輩が魚の選別を終えたようで、魚を捌きにかかっていました。


「聖先輩。私も手伝います!」


「勇さん!俺も手伝うよというか作りたいものがあるから作ってくる」


「ああ、歌君頼むよ。それと月姫ちゃんはあそこで暇そうにしている伊澄先輩の相手をしてて」


というので見ると流れるような長い金髪をいじっている伊澄さんが居られました。かわいいなこの人。年上に言うのはあれですが。

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