M0K5 地球侵略行為17魔界12
〈歌海 綺星〉
俺は次に二階を見て回った。二階には応接室があったが、よく見ると家具や壁紙がボロボロで、魔力がしみ込んでいることだ。
前の世界えっと確かアフロディアっていうんだっけとの感覚に似ていたが、決定的に違うところに今気が付いた。家具や壁紙に魔力が物凄いしみ込んでいることだ。それこそ染め物レベルで。
アフロディアでは魔王城のカーペットなどには魔力が含まれていたが、それは精々カーペットにしょうゆを溢したくらいの染み方でした。
勇さんに聞いてもそんなに違いはないらしい。ただ年代物などは染み方が濃いらしい。
俺はわからなかったので一通り収納してから考えることにした。確か工房班の人には詳しく鑑定できる人がいると聞いたからあとで見てもらおう。
そんなこんなで一度客間の数部屋を空っぽにしてから、次に向かう。
ほとんどが客間やメイドなど使用人の部屋だった。この城は何だか違和感を覚える。まるで以前は別の主がいてその主が死んだからここに入って、それが元々計画されていたことのようだ。
廊下に出てから歩いていると、間取りの不自然さと精霊の気配に気が付いた。この世界はびっくりするほど精霊の気配がないからはっきりとわかります。
その気配は壁に続いていた。俺はその壁に近づいて壁を軽くたたくと空洞音が響いた。俺は自然と燭台に手が伸びて燭台をカタンと傾けると目の前の壁が後ろに下がり、そこには隠し部屋があった。
その隠し部屋には無造作に宝箱や、金貨、武器がたくさんあった。
俺は喜んでその部屋の中に入ろうとしましたが、精霊の気配が危険信号を上げていましたので、俺は少し足を止めた。
罠があった。やっぱりね。その罠の正体はわかりませんでしたが、こういうドラマではお宝の重量で罠が作動したり感圧板で罠が作動したりということをよく見ますよね。これって意外と場所とるんじゃないでしょうか?
俺はバングルを使ってお宝を取ることにした。バングルをマジックハンドにして、お宝の上に着き、金貨には価値はあまりないと聞いたので無視をして、剣や武器を重視して、俺の手元に引き寄せる。
幸いなことにお宝の重量で作動する罠はないようで安心しました。
俺はほくほく顔で隠し部屋を後にして、探索を再開する。ほかの部屋は執務室や資料室に着いた。資料室はすっからかんで何も収穫はありません。この城に納入されたもののリストとかあればよかったのに。
「ん?そこの影に隠れている奴出てこい!」
「ままま待ってください!私にはあなたと争う理由はありません!お願いがあって出てくる機会を探っていました」
といって初老の執事が慌てて出てきました。
しかしその執事には影がなくというか実体そのものがなく、幽霊だった。
その幽霊執事は俺のほうを向いてから、
「侵入者様とお見受けいたします。私、先程メアお嬢様を救っていただいたこと感謝いたします」
「あんた、メアのことを知っているのか?」
「ええ、メアお嬢様はわたくしが生前仕えていた主様の一人娘様であらせられます。おおよそ数百年前の出来事でございますかね」
「は?数百年前?だけどメアはどう見ても十歳無いくらいだったぞ?」
「はい。確かにメア様は、5歳でございました。ですが、数百年前のあの日、魔王と名乗る軍団が攻めてきて、主様とその奥方様、兵士たちやわたくしども使用人が無残にも殺されてしまいました。私どもも抵抗は致しましたが、さすがに多勢に無勢。そしてお嬢様は生れつき、呪いをいくらでも溜めることができ、本人は影響を全く受けないという力をその小さなお体に持っていたのです。それをあの魔王と名乗る不届き者に目をつけられてしまい、利用されていたのです。そしてわたくしはお嬢様が心配でこうして幽霊としてお嬢様を助けられないのを歯がゆい思いで見ておりました。そこであなた様がメアお嬢様を救っていただいたことに感謝します」
と語り、一呼吸おいてから、
「失礼ながらお嬢様からもらい受けたペンダントを見せてはいただけませんか?」
というので俺はそれを見せるとじっと眺めてから涙を流して、しばらく嗚咽を漏らす。そののち涙を拭き、
「申し訳ありません。お見苦しい姿をさらしてしまい。もう結構です。子のペンダントにはメアお嬢様の呪いの力が入っておりまして、もしかしてあなた様は呪いの力を使えますか?」
「えっと使えますけれど、、、」
「そのペンダントには呪いに結末を与えることができる効果があります」
「どういうこと?」
「えっとですね、例えばあなた様はどのような呪いをお使いになられるのかお教え願いますでしょうか」
「ああ、言っても大丈夫なのは相手の足が踊り続ける呪いです」
「なるほど、もしかしてその呪いは童話や物語が元になっているのでしょうか?」
「ああ、そうだが、知っているのか?」
「ええ、まあ存じ上げていますが、それはそれとして、その呪いですとメアお嬢様のペンダントのお力を振るわれますと、相手の足や、呪いがかかった部分から下が切り落とされるというものです」
ああ、そういうことか合点がいった。俺の呪いは元は童話をもとにしているから、その童話の終わりが再現されているわけか。
「どうやらメアお嬢様はご満足されて逝かれたようですな。ではわたくしも後に続きましょうぞ。最後に歌海殿。あなた様にお礼の品を。この城から東に森があり、そこには廃坑があり、その中にアーティファクトがございます」
といってから一礼し、消えました。
俺は執事に黙とうをしてから再び探索を再開しました。
〈聖 勇者〉
静かになったなと俺は地下に向かいながらそう考える。
地下室にはたくさんの牢屋があった。そして少し鉄くさい。おそらく拷問室などもあるのだろうと考えながら歩いていたが、薄暗く、何か変な気配がするから俺は、フュージョンディスクを午モードに設定後、軽く上に投げて、そこに戌モードと酉モードをそれぞれ撃ち込みます。
ディスクはくるくると回転して俺に当たらないように羽の生えた弾丸だ俺の周りを警戒するように追従しだしました。
どうやら、酉と戌、それから午モードだとこんなふうに俺を守るようになるんですね。
俺が歩くとついてきて敵意のある視線を感じるとその方向に向かって行き、急所を的確に狙いうち沈黙させてまた俺のほうに戻るというすごい便利な弾丸ができたと内心喜んで歩く。
「おい!お前!俺をここから出せ!ん?お前この城の人間じゃないな?まあいいやここから出せ!」
となんか騒いでいる奴がいた。俺を守っている弾丸は迷わずそいつに向かって突っ込んでいた。俺は慌てて弾丸を止めてその男に対して鑑定を使う。
その男は日本人だった。だけど魂だけの存在だった。
「ええ?なんでここに地球人がいるの?しかも死んでいて魂だけって?どういうこと?」
「質問は一つずつって母ちゃんに教わらなかったのか?まあいいか。まず質問一は、この世界にいて、この国に仕えていたから。質問二は、この城に込められた魔力のせいで成仏できないから。こんなものか?」
といってからその男は待ってくれました。
「でもその割には遺骨か遺体がないよな?」
「ああ、それは数百年前だからな俺が死んだの」
「そういうことか。それで俺を呼び止めて何の用?俺急いでるんだけど」
「ああ、そうだったな。単刀直入に言う俺をここから出してくれ。俺には目的があるんだ!あの子をメアを助けたいんだ!あの子の呪いを解きたいんだ!」
「たぶんその子死んでるんじゃないのか?だって数百年前に生きていた人だろ?」
「違う!メアは呪いのせいで死ねないんだ!今も苦しんでいるはずだ!」
「どうやって救うつもりだ?死ねない子供を」
「それは、考え中だけどあの子はきっと一人寂しく苦しんでいるはずだ!」
といった瞬間俺は反射的に銃を抜き寅モードに設定し、鉄柵を撃ち抜き、開けてやった。
「というかお前、魂ならすり抜けられるんじゃないのか?」
「ああ、それは数万回も試した。だけど何でか無理だった。それにすり抜けるのは気持ちが悪いし。想像したことはないか?俺には生きていたころの感触があるんだけど、体の中を硬いものがすり抜ける感触をさぁ」
「うっ!それは確かに気持ちが悪いかも」
といって話をしていると、奥のほうから
「「「「俺も出してくれえぇーー」」」」
という声が響いた。
「この声ってなんだ?」
「あぁ、あいつらは無視していいぞ?あいつらはガチの犯罪者だからな。放っておいてもいい。何なら殺してくれてもいいぞ」
「そういえばお前は何で収監されていたんだ?」
「ああ、ここのメア姫を一目見たくて見てから惚れてな。仕えたいと思って突撃したら変質者として捕まった」
「っち!こいつを開放しなければよかった。もう用はないな。俺は行くぞ」
といってから奥のほうに歩きだそうとしたら、
「ちょぉーッと待った!お前にお礼を教えないとな!ここの牢屋の中には隠し通路があるぞ!しかも研究所みたいだ!なぜならよく白衣を着た優男が入っていったからだぁ!」
といってその魂は『待ってろよぉ!メア姫ぇ!』といって走って?行く。
はぁ、全く何だったんだろうな。面倒だな。
俺は歩きながら騒いでいる魂を弾丸を使って撃ち抜きながら歩いていく。
牢屋の突き当りに着いたので、さっき魂が言っていたことを調べてみることにした。弱く亥モードと卯モードに変えて放ち、俺は耳を澄ませる。
弾丸は壁にぶつかり跳ね返るときに衝撃を放ち、振動させる。そして空洞を見つけるというなかなか力業だと個人的に思っていると、コォーン!と空洞音が響いた。
そこは拷問室だった。俺は戌モードを使い仕掛けを探る。
拷問室の中に異様にきれいな壁を発見し、そこに目を集中させるといくつかのレンガが光、その後ろに魔法陣のパズルがあった。
俺は慎重に魔法陣のパズルをレンガを動かして解くと、奥にあるアイアンメイデンが光り、扉に変化しました。
俺は迷うことなくそのアイアンメイデンの扉の中に入ります。




