M0K5 地球侵略行為16 魔界11
〈藤井 月姫〉
私が守っているゲートから反応がありました。そしてそこから一人のおばあ様が出て来た。
「あれ?確か綿貫絹代様でしたっけ?どうしたのでしょうか」
といって綿貫様を見ると、肩と頭に小動物がいた。だけど何か違和感というかあり得ないくらいの魔力が内包されてあった。
「あら、可愛らしいお嬢さんね。確かに私は綿貫絹代よお。それよりその狐撫でていかしら?」
いつもカスミに初めてあった人は撫でていいかを聞いてくるな。
「いいですよ。ね、カスミ♪」
といってカスミを綿貫様の前に歩かせる。綿貫様はゆっくりと手を伸ばしカスミを撫でさせた。
そういえばさっきの小動物は?と思っていたら、いつの間にかそこにはラフな格好をした少年と、高校生くらいの女性が立って周りをきょろきょろしていた。
「やっぱりこの世界は覚えがある。多分ルシフルじゃないか?」
「ああ、そうだな。確か奴は世界を自分にとってのおもちゃのように遊びだしたからな。あれはひどかった目も当てられない。奴がここで生きていたとは」
と深刻そうな顔をしてきれいな顔の眉間には深いしわが彫られてあった。
「ありがとうね。もう満足だわ。本当にきれいな毛並みね♪」
「いえいえどういたしまして。この子の毛のケアは私が丹精込めてしているので。ところであの姉弟はどちら様で?」
「あーあフフフ違うわよ。あの二柱は同僚の神様よあの姿は多分彼らの趣味ね」
と上品にのんびりと答えた。え?ていうか神!?
「そこの君えっと確か藤井君だったかな?」
と唐突に少年神が声をかけてきた。
「は、はい!私が藤井ですが、ところでなぜ神様がこのような場所に?」
「ああ、それは少し気になるところがあってね。聞かれたかな?」
「は、はいごめんなさい。聞いてしまいました」
「いやいやそうじゃない。聞いていたなら都合がいい君に頼みがある。少し話を聞いてくれるかい?」
といって近くにティーセットを創造し、座るように促した。
「さて、今から話すことはおそらくここの主。おそらく魔王とでも呼んでいるのかな?についての話だ。単刀直入言うと、そいつは俺たちと同類の神だ。ただし元が付くけどね」
私は一瞬何言ってんだこいつと思ったが顔に出さないように気を付けていると、
「何が言いたいのかは大体わかるし、心が読めるから大丈夫。だけどね。これから話すことは真実だよ。これを聞くと君は私の頼みを断ることはできないから」
といって語りだした。その話はある世界で暴走した神が起こした世界を崩壊させるほどの大事件だった。
〈ある事件について〉
その世界は人々の魂が頻繁に消えたり着いたり、まあ一言で言うとよく人が死に生まれるという世界だった。
別に世界中で人が死に、生まれるということには問題はない。それも命の営みの中であるからだ。でなければ戦争は起きない。
しかし、その世界名前を『ルシフル』と言う神が治める国は異質であった。まるでその神が絶対であり、その神に奉仕し、その神のために戦いその神のために死ぬことこそ、至上の喜びという思想が当たり前で、その思想こそ全世界の意思であるという洗脳にあっているかのようだった。
神々はこのエデンができる前にも、世界の管理をするうえでのルールのようなものはあった。
一つ・神はその世界を見守り、干渉をする場合には神託といった形でのみ受け付ける
一つ・神は過度に世界に干渉してはいけない
一つ・神は世界を私物化してはいけない
一つ・神は世界を放棄してはいけない
一つ・神が死ぬと別の神に引き継がれる ,,,etc.
しかし現在のような強制力はなくむしろ破る神のほうが圧倒的に多く形骸化されているだけだった。
その神つまりルシフルはそれをすべて破って、世界を滅茶苦茶にし、私物化した。
見抜けなかったがルシフルには物が壊れる、自分のものではないものを壊すことに対し、強烈な快楽を覚えるといったことが大好きであった。
それを見抜けなかった我々はルシフルに対し、未熟な世界を与えてしまった。それがすべての間違いだった。
奴はその世界を発展させ、兵器を量産させ、異世界から野心を持った犯罪者予備軍のような者たちを大量に召喚し、無敵の加護を与え神の使途とし、世界中で戦争を引き起こすように画策した。
その世界の子供たちはその神の異質さに気づくものは少数だったがそれは異端者として世界から抹殺された。
そしてついに最悪の事態が起こった。人類の手で世界の地表が焼き尽くされ、毒に侵され、雲に覆われ生物がほとんど地表に住めない世界が誕生した。辛うじて生き残った人類はようやく狂った神の存在に気づき、恨み、妬み、深く後悔し、狂った神に怒り、どこに向ければいいのかわからない怒りをため込み、最後の人類が消え、世界は修復不可能な状態に陥り、本当に世界は死んだ。
私たちがそれに気づくのには時間がかかったが、気づいたときにはルシフルは死んだ世界を見つめてケラケラと楽しそうな無邪気な笑い声をあげていた。
私たちはその神ルシフルを粛正し、神としての力をはく奪し、知識をすべて消して修復をあきらめた世界に奴を追放した。その世界は神が見捨てた世界といって、神を追放するために作りだした世界で、神が外から干渉できない世界だ。そこに何の力も持たない神を堕とす、つまり追放すると、最後には朽ちて消えると考えたからだ。
そこにルシフルを堕とし、我々は安心しきっていた。
奴は残忍で狡猾だ。何らかの方法で知識を持ち込み研究に研究を重ね、存在する魔物を研究し魔族として自分の僕にして、伊澄日向を捕まえ、この世界の情報を手に入れ我々に復讐でもするために今回の騒動を引き起こしたのだろう。
〈藤井 月姫〉
「とまあ今回は見過ごせない。よって奴を捕縛し我々神で粛清し、二度とこのようなことが起こらないようにする必要がある。そこで藤井君。君の出番だ」
私はあまりにも重い出来事で理解が追い付かないでいると、後ろから綿貫お婆さんがポンポンと肩を叩き
「大丈夫?藤井ちゃん」
「あ、はい。大丈夫です。それで私に何ができるのでしょうか」
「うん。君にはねそのルシフルを殺してほしいんだ。簡単に言うと神殺しをしてほしいってことだね」
「え?それって私にできるのでしょうか?神殺しなんて」
「うん。今のままなら無理だろうね。「だったら!」だから我々が君に神殺しができるだけの力を貸してあげようというわけだよ」
私は冷静になりながら考えていると、綿貫さんは援護射撃をしてくれました。
「ねえ、それって園田君じゃダメなのかしら?確か彼も神殺しをした人だったと思うんだけど?」
「ああ、確かに彼も神殺しといえば神殺しだけどね。彼の場合は邪神殺しのほうが正解かな?邪神と堕神は別物だからね。彼は確かに強いけど強いだけじゃあ本物の神は殺せない。精々傷をつけるだけだよ」
「でもでも私よりも強い人はいるはずです!」
「僕は言ったはずだよ?この話を聞いたら断れないって。だから君はやるしかないんだ」
「だけどね一つ助言をしよう。君には神を殺すことができるほどの力は確かにないけど、君にはまだまだ成長の余白がずば抜けて高い。だから君を選んだんだよ」
それを聞き私は覚悟を決めてカスミのほうを見ると、真剣そうな顔をして私をじっと見つめていました。
「わかりました!私!やります!どうすればいいですか?」
「うん。いい返事だね。それじゃあ今から君が神殺しの力を扱えるだけの力を身に着けるため特訓しようか。安心して。今から案内する世界は時間の流れはこっちと大幅に違うから。こっちの一秒が向こうでは百日だから安心だね。ああ、ついでにこの力を完全に制御できるようになったら老化が抑えられるから。つまり不老になるから」
ああ、だから園田社長はあんなに若いのか。
「じゃあ、そろそろ行こうかな。ほれ、こっち来て」
といって神は少し離れたところに魔法陣を展開し、準備を終える。
私はカスミを連れていこうかと思いカスミに目配せすると、カスミは一つ頷いてから小さく子ぎつねサイズになりました。
私はカスミを抱き上げて神の展開した魔法陣に乗り、心の準備を始める。さて、頑張りましょう!




