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株式会社エデン、異世界対策課  作者: 虎川 悟
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M5K0 アフロディア 27

 翌日俺たちは街を見て回ることにしました。

 街並みは地球の繁華街のようで、明らかに転生者か転移者が関わっているっぽかったです。なぜなら店の看板が地球で使われている言語形態をしていたからです。中には明らかに日本語があったり、うどんに似た食べ物があったり、路面電車が走っていたりと、とにかくいろんな時代の地球がごちゃ混ぜになったような風景でした。

 俺たちはそんな風景を楽しみながら歩き、近くの露店や、食品店、服屋を覗いたりしながら歩くと、魔道具屋と書かれた一軒のボロ小屋を発見しました。

 そのボロ小屋は、トタン板で作られた家で両隣の店の隙間に何とか詰め込んだような店でした。中に入ると、外観は駄菓子屋のような狭さでしたが、中は外観では想像もつかないほど広く、何処かのショッピングセンターの一スペースくらいの広さがあり、何かの魔道具で拡張したみたいです。

 中にいた店員はデッサン人形のように陶器の顔がない球体人形で、喋る機能は搭載されていませんけれど商品の名前に分かりやすく説明がしてあるため、落ち着いて静かに見れます。この機能元の世界でも欲しいなと考えなら俺たちは分かれて商品を見て回ります。

 商品は魔導冷蔵庫や、魔導掃除機と一見すると家電量販店でしたが、店の一角には武器がずらっと並んでいるコーナーがありました。

 そしてその中でも異彩を放っているのは杖や銃が置かれていることです。ほかの町でも杖は置かれていましたが、木を削ったような杖がほとんどです。しかし、この店にある杖はまるでゲームであるような杖で、先端に大きい宝石が付いていたり金属の装飾がたくさんついていたりと正直言って派手すぎます。ですが、性能自体はすごく高くていいものです。

 武器コーナーでは歌君が真剣に選んでいました。いつも歌君は直観で選んでいたため、これ程悩むことはありませんので、俺は聞いてみることにしました。


「おーい歌君。何悩んでんの?」


「ああ、正義か、実はさあここに置いてある武器って全部精霊の気配があってさあ、しかも気配が全部同じで高いから、性能がいいのをと思って悩んでた」


ということでした。俺には精霊の気配というのがわからないので、一度鑑定をしていくことにしました。

 鑑定をすると、形は全然違うものが多いですが、性能はまるでそう作ったように一定で高性能です。

そう歌君に言うと、さらに深く考えだし、より悩んでしまいます。


「よし!決めた。これにする」


と二本のサーベルと刀、それにハンマーに鞭を手に取り、試しができる場所に行き、いろいろと試しました。鞭は扱いがかなり難しい武器のはずですが、歌君は武器を使い才能があるらしく、初めて使ったはずなのにまるで使い慣れたかのように扱っていました。 

 一通り武器の感じを確かめた後、いつの間にか現れた店員人形が、カートを押して俺の横に立っていました。歌君は店員に礼を言って武器をすべてカートに載せます。するとカートを持ってきた店員はカラカラとカートを押して、会計台に案内します。

 会計台にいたのは複数人の男女でした。男女は全員この世界では全く見たことがない黒髪でダークブラウンの瞳をしていました。鑑定すると『日本人、迷い人』と出ていました。

 一応解説をすると『転移者』と『召喚者』の違いは、召喚者は今回のケースみたいに魔法陣を使ってこの世界に招き入れた存在で、要は取り巻きBたちです。転移者は俺たちのように、本来召喚人の対象ではなかったのに、召喚された人のこと。結末は一緒ですが、転移者は蔑ろにされることが多いです。

 一方迷い人は自然の中に魔力だまりができて、偶然転移門が出てきて、そこを偶然入った人のことです。この迷い人は自然に元の世界に変えれるケースが非常に低く、ほとんどが迷い込んだ世界で一生を終えることが多いです。

 能力は、『召喚者』は正規で招かれた扱いでかなり強力な力が備わっている場合がほとんどです。

 『転移者』は正規で招かれたわけではないので、強い力が備わっている場合はほとんどなく、精々言葉に困らないくらいです。

 『迷い人』は迷い込んだわけなので、特に能力があるわけじゃありません。ですので大体はすぐに魔物に食われて死ぬという結末や、奴隷にされて一生を終えるなどがあります。

 『迷い人』のつらいところはもう一つ、それは地球では見つかりにくく、調べる方法がほとんどないことです。

 迷い人たちは全員が20代後半から三十半ばくらいの人たちだった。俺は彼らに聞こえるように、『日本語』で


「これをお願いします」


というと彼らは全員目を見開き、俺たちに詰め寄ってきて、その中で一番の年長者が代表して


「なああんた。なんで俺たちの言葉を話せる。誰から教えてもらった?」


と凄んできて、彼らをかばうように後ろに寄せて、いってきます。彼らの視線は怯えがほとんどでした。


「だって俺地球から召喚されて、この世界を調査しているから」


といい、続けて


「ごめんだけれど鑑定させてもらった。それで質問だけど、いつからこの世界にいるのか?何年位前?」


「な!なに!マジかよ!」


とまだ警戒していますので、俺は最後に地球の荷物をいくつも取り出して彼らに見せました。

 新聞にプラスチック製のコップ、色々な機械製品などを見せるとようやく信じたようで、近くの球体人形店員を操作して、店を閉めたらしいです。


「それで、俺たちにそんなことを言って何の用だ?冷やかしならぶっ殺すぞ」


と殺気を込めた目をこちらに向けてきました。


「いやいや、違う違うそうじゃなくて、俺は探索中に偶然君たちを見つけたから、帰らない?って提案をしに来ただけ。俺は異世界召喚審査官って言って、異世界に迷い込んだり召喚された人たちが死なない用に見守ってさらに元の世界に返す役割をしている」


というと歌君はぽかんという顔を、迷い人のリーダーはポカンとした後、頭から湯気が出そうなくらい憤慨し、俺の胸ぐらをつかみ


「来るのが遅せえんだよ。そんなのがあるなら何でもと早く来なかった!もっと早く来たら、あいつも、あいつも死ぬことはなかったのに・・・」


と怒鳴っている間に泣き出してしまいました。


「すまなかった。としか俺は言えない」


と一通り泣きはらしたところで、彼らは向き直り、


「俺たちがこの世界に来たのは22年前だバスごと転移して、俺たちはその後協力してこの世界で生きて、仲間が数人死んで、今いるのはここにいる奴らだけだ。」


22年前か、その時期だとまだエデンが発足する前だな。


「なああんた。俺たちがもし元の世界に戻っても、心配してくれる奴らはいるか?」


「ああ、いると思うぞ。できれば亡くなられた方々の遺品などもあれば持ってきてほしい」


というと、アイテムバッグを差し出してきます。


「この中に遺体も含めてすべて入っている」


と言われたので、持っているように言い、


「俺たちは目的があって探索しているんだが、終わったらすぐに返してやれるが少し待っていてくれるか?」


というと、がっくりとうなだれて顔に絶望を張りつけていますので、


「約束しよう。一週間だ。一週間で絶対にここに戻ってくると」


と言うと、アイテムボックスの中から腕輪を取り出して、彼らに渡す。


「これは俺が設置した転移扉への案内をしてくれて、その場所に入れる認識章であり、カギだ。俺がもし死んだら使えるようになっている」


というと、希望が持てたという表情をし俺の礼を言ってきて、歌君が持ってきた武器をすべて譲ってくれました。そして出ていこうとすると歌君が一人とこっそり話をしています。

 「あのちょっとお願いが・・・」

 俺たちはその後店を出てからすぐに行動を起こしました。

 すぐに街を出て、街のすぐ後ろにある山のふもとに着き、俺は魔導銃ETOを卯モードに変えて俺と歌君に使い、山を全力で走る。近くに寄ってきた魔物は俺が瞬殺し、歌君がすぐ収納するという流れ作業をして、お昼前には山頂に着きました。

 山について気付いたことですが、この山はカルデラというやつで山頂に凹みがある山です。

 歌君はすぐに周りをきょろきょろして、精霊獣の気配を探ります。すると、カルデラの真ん中を指さして、あそこに気配があるといいましたが、俺が見ても何もありません。しいて言うと真ん中は快晴にもかかわらず影が差しています。

 俺は魔導銃ETOを戌モードに変えて自分に使い、歌君が指を刺した方向を見ると、巨大な岩が浮かんでいました。

 岩はちょっとした島くらいの大きさがあります。

 俺は魔導銃DWTを酉に変えて、歌君のお腹を抱えて、空を飛び岩に近づき歌君に案内してもらい上陸する。

 この場所はグウィネスが言っていた精霊獣がいるらしい。歌君は周りを見渡して精霊獣を探す。俺は邪魔しいないように岩を降りて、カルデラで歌君を待つことにします。


〈歌海 綺星〉


 俺は正義に岩の上に運んでもらって探すことにした。正義は俺を運んだあと岩を降りて、待っているようだ。

 さて、頑張って探すかと思い岩を探す。すると岩の影に大きなトカゲが丸くなって眠っていました。

 トカゲは俺が近づいたのに気づいて片目でちらっと見た後、のっそりと体を起こして俺に近づきするすると俺の体を登り、俺の頬をチロチロと舐めて、顔を擦り付けました。

 一通り満足したようで、日向に出て来たときに気づいたのですが体からは暗い靄が出ています。俺はトカゲに向き直り、

「俺と一緒に旅をしてくれないか?」

と聞くと、トカゲは首を縦に振ったのを確認したので、ネックレスを取り出してトカゲに近づけるとトカゲは額をこつんとネックレスにつけると、暗く光った後ネックレスの石の一つが、黒く光りオニキスに変化しました。

 おれは立ち上がり、周りを見渡すと、腰が押されたような感覚があり、後ろを向いて、目線を下に向けると光を発するクマがいた。

「ガウッ♪」


と一つ鳴き声をあげて、俺の腰に頭を擦り付ける。

 俺はクマの前に座り、足を開き、腕を前に出して抱きしめるポーズをとると、クマは俺のほうにのしのしと近づき体を預けてきました。

 俺はクマを撫でまわして毛並みを堪能する。クマの毛はゴワゴワしていて、肉厚の低反発の感触です。このまま寝たいなと思いましたが、俺は目的を思い出します。

 しばらく堪能した後俺はクマに向き直り、


「俺と一緒に旅をしないか?」


というと、クマは「ガウッ♪」と鳴き声をあげて頷きました。

 俺はネックレスを取り出して、クマの前に差し出すと、クマは額を押し付けると光が強くなり消え、ネックレスが光り、石の一つがダイヤモンドに変わりました。

 俺はふうっと息を吐き、立ち上がり正義を呼びます。

 正義を呼ぶときは、地面に向かって矢を放つらしいです。俺は矢を番えてエメラルドの光を矢筒に籠らせて、地面にめがけて放ちました。すると、


「ぐへぇ」


という声がして、着弾点からニョキニョキと樹が生えて、立派な樹が生えました。正義を待っても一向に来ないので、俺はおかしいなと思い、コート全体にグリーンベリルの薄緑の光を纏わせて、ゆっくりとカルデラに降り立ちました。

 降り立ち、正義を探しましたが、どこにもいません。ですが、いたであろう場所に正義の銃の申モードの粘着弾がくっついていました。そしてその周りには複数の足跡があり、正義が連れ去られたことを示しています。

 俺はあの正義が連れ去られるなんてと思ってはいましたが、あくまでも冷静に対処を開始しました。正義の粘着弾を採集し、ある物の中に入れます。

 これで準備完了です。ではツバメの案内に従いますか。


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