M5K0 アフロディア 28
〈伊藤 正義〉
いやぁ完全に油断してたわぁ。気づいたら捕まってたわ。んで、ここはどこかな?まあ状況的には魔王の根城ってところかな。
俺は気づいたら、牢屋に入れられていた。俺のいる牢屋はなぜか魔法が使えないというか魔力が練られないことを見るとそういう結界が張られているか、某海賊王の石みたいに能力を封じる石材を使っているかということかな。多分前者かな?
俺は懐を見ると魔導銃は二丁ともあるところを見ると、この結界に絶対の自信があるようですね。
落ち着いたところで俺は周りの状況を見てみます。近くの牢屋には数人入っているのと、繋がれた骸骨、しかも学ランを着ている。つまり迷い人か。
同じ牢屋の住人は元気に喧嘩をしているようです。声がどこか聞いたことがありますが、よく見ると木島君たち勇者様御一行だな。さーてと、俺は歌君を待ちますかね。俺はこの後木島たちが死なないように守るだけだね。
〈歌海 綺星〉
俺はツバメの道案内を使って正義の場所を教えてもらって、全力で走って急ぎます。すると、後ろから
『クルァーーー』
という声と共にタッタッタッタという音が近づいてきました。俺は一度止まり後ろを見ると、昨日荒野で別れたラプトルが走ってきました。しかも前よりも大勢の仲間を引き連れて。
俺は迎撃準備をしようかと武器を構えて、迎い討つ準備を終わらせます。すると、ラプトルは俺の目の前で急停止し、俺をじっと見つめて、しゃがみ、一つ鳴きました。それは『乗れ』と言っているようです。俺はラプトルにお礼を言って跨り、そのままツバメの通りに進むように言うと、ラプトルは走り出して、群れも追従するように走り出します。
しばらく走り出すと、急にあたりが暗くなりゴロゴロと遠雷の音が響いてきます。ですがラプトルは怯むことなく走り続けました。
そうして走っていると遠くのほうに浮島が見えて、その上に城が建っています。便宜上この城を魔王城と呼ぶことにして、正義の反応はここのようです。遠雷はそのあたりの落ちています。俺は少し手前にラプトルから降ろして、待機するように言ってから、近くの谷に移動する。
俺は深くコートを着て、全身にオニキスの光を纏うと、影に沈み影の中での移動が速くなります。
谷にいた魔物はすべてスルーして、城に一番近い場所につきました。城には門番がいて、跳ね橋が下りていて、目玉がいくつも飛び交っています。
俺はできれば静かに行動したいので、考えているとふと思い出しました。と俺はコートにダイヤモンドの光を纏わせて、少し全身が光り、光学迷彩をしようとしましたが、なぜか使えません。え?なんで?小説や漫画では光を操って見えなくするとかあったのに、つかえません。
再び考えていると、さっきの光で異変を感じた目玉と門番が近づいてきました。俺は全身にシトリンの光が全身を包んで地面に潜りました。門番は俺が潜った瞬間に俺がいた場所に着きましたが、間一髪です。
俺は目玉が去ったのを感じて、地面の中から門番の足をつかみ地中に引きずり込みました。目玉は一度置いといて、もう一人の門番のほうに移動して、同じ方法で地面に引きずり込み殺します。
空飛ぶ目玉はたくさんいましたので、俺は矢の残弾を確認すると、まだまだ吸う百発残っていたので、再び岩陰に潜み目玉を観察して、死角になっている目玉から撃ち抜き、静かに撃ち終わると、目玉が全員いなくなります。どうやら目玉は監視カメラというより防犯ブザーに近い魔物のようです。
跳ね橋について、どうやってししようか侵入しようか考えていましたが正面の扉がゴゴゴゴゴゴゴという地響きのような音を立てて開きました。
ですが中には誰も待ち構えていません。つまりこれは入って来いということですね。いいでしょうその策に乗ってやろうじゃないか。
と俺は正門に入ると、正門がまた地響きのような音を立てて閉じていきます。
城は白を基調とした厳格な雰囲気でしたが、空気や威圧感のせいで暗く見えます。さて、正義はどこにいるかな。
お?見回りの兵士が去ったな。今のうちに地下に行く。なぜ地下かって?牢屋といえば地下だから?と俺は地下に進み、牢屋が見えました。牢屋には牢番がいます。ですが牢番はぐっすりと眠っています。牢番が眠っている椅子は”木”で出来ています。俺はこっそりと針を取り出して椅子に向かって投擲をします。すると木が動き出して牢番を縛りました。そして、牢番はくぐもった声を上げてこと切れたのを確認して、牢番の死体を探りました。
懐から鍵束を取り出して、牢屋の中に入る。牢屋の中には繋がれた学ランを着た骸骨が数体に牢屋にいた人影、と牢屋の隅で震える木島君たちです。因みに正義は見つかりませんでした。
「おーい木島」
「ん?お、お前!歌海!てめぇ![こら木島君静かに]おっと済まねえ。とりあえず助けてくれ」
と言ってたので、鍵束から鍵を探し出して彼らを牢屋から解放しました。
「で、なんで牢屋につながれてたん?」
「おう!実はなー」
と状況を説明しました。簡単に言うとこの城に突撃して捕まったらしい。あほじゃねえの?こいつら。とは思いましたが、次に正義を探しに行こうと思いましたが、正直こいつらを連れて行くのは、正直言って足手まといですので、避難させることにしました。
「とりあえず逃げるから捕まって」
と言って俺に摑まらせると、魔力を込めようとしましたが、なかなかうまくいきません。ですが、精霊獣が力を貸してくれたおかげで、なんと固めることができます。
「『銀の竜巻旅行』」
と唱えて、かかとを三回鳴らすと風が起こり、気づいたら見たことがある風景に着きました。そこは最後に訪れたあの地球の文化がごちゃ混ぜの町でした。
「ここで待ってて。次あの場所に行ったら多分死ぬよ」
とくぎを刺して再びかかとを三回鳴らして『銀の竜巻旅行』で、城まで戻ります。
城の中に戻り、再び正義を探すと、ツバメが上を向きました。今度は上ですか。全く面倒ですね。
ですがさっきからずっと疑問に思っていますが、人が誰もいないというか少ないことです。
階段を上っていましたが、誰もいないことにものすごい違和感があります。が、今は気にしている場合ではないので、ツバメの道案内に従って進みます。
しばらく上っていくと、大きな扉に着きました。これまでただの一体魔物も見ていないことを本当に疑問に思っていると自動で大扉が開き、疑問がようやく解決しました。謁見の間のような場所に大量にいました。だからいなかったんですね。
そして、玉座には三メートルはありそうな青い肌の男が肘をついて待ち構えています。
「待っておったぞ、勇者よ!俺のもとにつけ!俺のもとに来れば世界の半分をくれてやる」
・・・どこかで聞いたことがあるようなセリフだな。魔王ってなんでこんなセリフを知っているのか疑問でしたが、それを追求するのは置いておいて、ここは、
「断る!!!」
と懇親のキメ顔を決めながら言うと、魔王は紫の球体を手元に引き寄せて、
「ほう、これでもか」
と魔王は紫の球体の形を変形させて鳥かごのような形に変化させました。俺はそうなることを見越していたので、
「せ、正義、そん・な」
とうなだれたら、魔王はにやけた勝ち誇ったような表情を上げていました。油断は禁物です。
「『取り換えっ子』」
とこっそりと唱えて、立ち上がり、
「ふ、フフフ、はーっハハハハハ。油断したなあ魔王」
というと魔王は突然の俺の変化に怪訝そうな顔をしてちらりと鳥かごを見てもう一度俺のほうを見て、
「気でも触れたか?勇者よこの人質がどうなってもいいのか?」
と魔王は自信満々に鳥かごを掲げてニヤニヤし始めますが、俺は無表情で立っています。
「フン!僕たちよ!勇者を殺せ!」
というなり所狭しといる魔物たちが襲ってきました。
俺はふわりと笑った後、鞭を取り出し、うっすらとダイヤモンドとグリーンベリルの光を纏わりつかせて、周囲に振り回して、半球状の空きを作ると、外側は風の刃に氷のつぶてが混ざってブリザードのようになりました。
氷のつぶてに当たった大半の魔物たちは、一瞬で氷像になり、風の刃で破壊されてを繰り返しています。
大半の魔物が片付き、魔物の特効が終わると俺は鞭を振り回すのをやめて、周囲を観察しました。周囲に残っている魔物は明らかに上級の魔物で強そうです。というかこいつらは魔族かな?
魔族たちは俺に近づくのを恐れていて、おいお前が行けよとばかりに押し合いをしていますが、魔王の威圧がすごいのかその場で思い思いの魔法陣を展開して、そこから火や氷に風、土に闇と雷など様々な属性の玉や槍が飛んできました。
俺はハンマーを取り出し、シトリンとエメラルドの光を纏わせて地面に強く打ち付けると、木の壁と土の壁が一瞬で出来ました。一拍あってドドドドドドドドド!と魔族の魔法が雨のように降り注いで、壁をすごい勢いで削れて行きました。
俺は即座に全身にオニキスの光を纏い、影に潜り、部屋の柱に隠れます。その瞬間俺が作った壁が音を立てて崩れます。
俺は弓矢を取り出してサファイアの光を纏わせて、魔族の集団の近くに放ちます。だんだんと隠れている柱が削れていき、壊れそうになりましたので、次に俺は全身にシトリンの光を纏い、大理石に潜ります。幸いにも魔王城は石造りなので、俺は潜れると考えたからでしたが、壁は石のすぐ下には木が使われていますので、深くは潜れません。
俺は床を潜りながら次々にサファイアの光を纏った矢を放ち続けて、魔族の足元を水でビチャビチャにしたので準備は完了です。
「くらえ!『踊る赤たち』」
というと、魔族の集団は次の瞬間空を飛んだり、横に飛び退き躱してしまいました。
「は?なんでわかったんだ?」
「勇者よ我らを甘く見すぎたな!はっはっはっは答えてやろう。貴様の手の内は筒抜けだ我らはずっと見ていたからなぁ」
と言ってきました。時々正義があらぬ方向を見ていたのは監視用の魔物を殺していたのか。
「勇者よ今一度問う。我のもとにつけ。さすれば世界の半分をくれてやろう」
「断る・・・ヘヘッ」
と力なく笑い武器を鞭に変えて構えました。
「ならば死ね」
という魔王の合図を受けて魔族たちは一斉に俺に向けて魔法を撃ってきました。
俺は鞭に回復以外のすべての宝石の光を纏わせて、振り回します。すると、鞭の衝撃波が飛び、魔法を飲み込み、魔族たちに当たり爆散し、煙に包まれました。
煙が晴れると魔族が四体ほど残りほかのすべての魔族は死にました。俺はフラフラしますが立ち上がり、武器を構えます。ですが足はがくがくとわらっています。正直立っているのもやっとです。
「勇者よ!よくぞここまで頑張ったな。褒美に我自らとどめを刺してやろう」
というと魔王は立ち上がり、ゆっくりと俺に近寄ってきて禍々しい剣を取り出して俺の首筋に剣を這わせて振りかぶり、振り下ろそうとし、死を覚悟し、あきらめたとき、
「よくここまでやったね。あとは任せて!」
という声と共にガキイン!という音が響き静寂が訪れました。
俺はそっと目を開くとそこには腕で魔王の剣を受けている、ロングコートをなびかせた正義がいました。
今日は調子がいいので、二本目投稿します




