M5K0 アフロディア 25
町を出て街道を歩いていると、歌君が突然こう切り出しました。
「なあ正義。なんであの街を助けようとしなかったんだ?お前の力があればできるんじゃないのか?」
「まず買いかぶりすぎかな。俺にはそんな力も権力もないよ。それで、街を助けようとしなかった理由は二つ。まず一つ目はさっきも言ったようにそんな力がないこと。俺は勇者でもないし権力者でもない。それにもし一時的になんとかできるとしても、その先はどうなるかわからないから。もう一つは俺を派遣した会社の規則で、歴史に大きくかかわってはいけない、載ってはいけない。っていう規則があるからどうしようもできないというわけ」
というと歌君はふーんと納得をしたような表情をして、あれ?と何かに気づいたようでした。
「じゃあ俺や木島たちが何とかするのは大丈夫なんじゃないのか?」
「まあ、大丈夫は大丈夫なんだけど、正直めんどくさくない?それに、すぐにあの街がやばいことになることは目に見えていたし」
「そう!それどういうこと?」
「ああ、歌君は気づいてない?近くの森で強い魔物の魔力の反応があってさ。もう少しであふれ出しそうかなと考えてさ。んで、魔物にとって人間はただの獲物だから、あの森からあふれ出た魔物はすぐに街に殺到するだろうね」
というと歌君は顔を青ざめています。
しばらく街道を話しをしながら歩いていると空気が乾燥してきたのを感じて、小高い丘を登ると、一面きつね色と青い空が見えました。砂漠です。
俺たちはあの街があんなにさびれている理由の一つをなんとなく察しました。確かに街を出て一、二時間歩くと砂漠があるなら人も物資も来ないよな。
俺たちは砂漠に差し掛かりましたが、俺のブーツは気温調節の付与がしてありますし、なぜか沈むこともないという特別仕様ですし、歌君のほうに至っては、ブラックドラゴンのブーツはすべての属性に対して耐性がありますし、全身が精霊の気配がする装備なので、全身を氷の魔力を軽く流して体温調節をしているそうです。
砂漠には街道がないので迷う心配がありますので、歌君の『ツバメの道案内』が大活躍です。
歌君に説明を求めると、どうやらこういうことらしい。ツバメの道案内ははっきりと探し物がわかっている場合はその方向を指しますが、そうじゃない場合は常に地図でいう上を指します。なので、このツバメを見ると方角がはっきりとわかります。なぜ”北を指す”と言わないのかというと、いくつもの世界の地図は常に北を向いているとは限らないからだ。そのあたりは、矢印を指す方向とは逆の方向に太陽が昇っているからです。
俺たちは、砂漠に足を取られることなく砂漠を地図を頼りに進んでいると、地面の砂がゴモゴモという音と共に盛り上がり、中からでかい口があるワームが出てきました。
俺と歌君はすぐに跳躍してワームの口を回避する。
ワームはテリトリーの中にいて足音がした部分に獲物がいるとわかっているらしく、俺たちの足元に出たというわけです。
俺たちは動きにくい砂漠での戦闘ですが、俺は酉モードで空を飛び、歌君はシトリンの光をブーツに宿らせることで、地面を固めて足場を作りました。
ワームは再び潜り込もうと頭を地面に突き立ててグネグネ体をうねらせて再び潜ります。俺とは相性が卯ないタイプですので、サポートに徹することにしました。
俺は魔導銃DWTを戌モードに変えて地面に連続で放ちましたが、全然当たりませんでしたが、
「正義!地面に音を立ててくれ!俺が捕まえてみる!」
というと俺は何をしたらいいのかすぐに理解し、DWTを亥モード変えて地面の歌君から少し離れた場所に撃ちドーンドーンという音を立てていると、撃ち込んでいる場所が、ゴモゴモと膨らみワームが出てきました。
歌君は目の前にワームが出て来たのをを確認し、弓を取り出して、ワームの根元を撃ち、地面を硬化させる。ワームは後ろには下がれないらしく、地面から上半身が生えているという奇妙は姿になっていました。
歌君は斧を取り出し、アクアマリンの光を斧に込めて、ワームの腹?に振りぬくとワームの腹に食い込むことなく、はじき返されました。歌君は目を見開き信じられないような顔をして、俺のほうをちらっと見ます。
俺は一つ頷き、久しぶりに鑑定をしました。すると、砂漠の魔物にしては珍しく、弱点は火属性でした。
「歌君!そいつの弱点は火だよ!逆に氷と雷には完全耐性があるから聞かないぞ!」
というと、歌君は斧のまま、ルビーの光を纏わせて、再び同じワームの腹?に横切りすると、あっさり切れました。
歌君はワームの腹が切れたことを確認すると痛みにのたうつワームを躱しながら、斧を剣に持ち替えて、ルビーのを纏わせると、なんと刀身が伸びました。よく見てみるとルビーの光の混じってシトリンの光が入っていました。
歌君は暴れるワームに近づき根元につくと、ワームの構造上攻撃が当たらない部分です。ワームの体に剣を一閃するとスッパリとワームの体が切り離されました。
切れたワームの上半分を見ると、のたうちまわっていますが、少しして上半分はピクピクと痙攣しやがて沈んだので、俺は上半分を、歌君は埋まっている下半分を収納することにしました。
ワームは以前食べたことがありましたがゴムタイヤみたいな食感で、味は泥を食べているような味でしたので、俺は絶対に食べたくありません。
そのことを歌君に話すと、歌君も苦そうな顔をして、静かに収納しました。
そういえば、歌君はどうやって砂に埋まっているワームをどうやって収納するのか見てみました。歌君は、槍を突き立ててエメラルドの光を纏わせて樹を生やし、引き抜こうとしたらしいですが上手く気が育たないのを見ると、シトリンの光に変化し地面から石の蔓のようなものが生えてきて、地面に埋まっているワームの体が引きずり出されました。
ワームの体が出て来たのを確認して歌君は収納したのを確認して、俺は地面に降りました。
「ふう、じゃあまた行こうか」
と俺たちはまた進み、次はワームに引っかからないように気を付けながら歩いています。
しばらく歩いていると、太陽が目の前にきました。時間はもう夕方に近づいていますが、さすがに砂漠のど真ん中で野営するわけにはいかないので、周りをきょろきょろすると、なぜか砂漠の真ん中に小さな洞窟がありました。
洞窟は中腰で辛うじて通れるくらいの狭さがあります。洞窟を進んでいくとさらに狭くなり、人ひとりも入れないようなテレビでの秘境みたいな狭さでしたので、俺は仕方がないとため息を一つします。
「歌君。俺の武器の力を使うか?体が小さくなる奴があるから」
というと歌君は頷いたので、俺は魔導銃ETOを子モードに変えて、俺と歌君に使うと、グングンと体が縮み、体が大体十分の一位の大きさになりました。もちろん服も一緒に小さくなっています。不思議設計ですね。もちろん武器や道具の類も縮んでいます。
体が縮んだので、俺たちは目の前の穴に向かって歩き出して、体が小さいので、より距離があります。
元の体なら小石ですが今の俺たちには大岩で、小さな穴も大穴で、苦労しています。
俺は仕方がなくDWTを取り出して酉モードに変えてs俺たちに使うと体に見合う翼が生えてきました。俺はよく使っているから慣れていますが、歌君は慣れていなかったようで、あちこちにぶつかったり、こけたり最初は苦労していましたが、歌君は慣れが早いらしいくすぐにアクロバット飛行しています。
歌君が飛べるのを確認して、奥に進むことにします。すると、歌君が急に顔をしかめて、いましたので、どうしたのか聞くと、
「なんか精霊の気配がする。しかも今まで見たことがないくらい強い。前の精霊の森くらい強い」
と言われていますが、俺は少し首をかしげました。確かグウィネスの言葉では精霊獣は山頂にいるっていう話だったような。精霊だから言葉は信用できるし、などと考えながら歌君を頼りに進むと、急にあたりが開けて、洞窟の中に泉と樹々が生えている幻想的な空間が広がっていました。
「スゲー正義!ここでキャンプしようぜ」
というので、俺は歌君の提案に乗ることにしました。
俺は魔導銃ETOの子モードを解除して、泉のほとりに降り立ち、テントを設営しようとしていると、樹々の奥から白いオオカミが出てきた。
『人の子よ、この場所に何の用だ?今すぐに立ち去れ立ち去らないと,,,,,,,,,は?』
と最初は威勢よく言っていたオオカミでしたが、歌君の精霊獣の気配と俺から出てくる精霊の気配に目を丸くさせて、驚いた顔をしていました。
『待て待て人間お前ら何者だ?なぜおまえらから我が子供たちと我が盟友の気配がするんだ?』
と言っていましたが、正直俺らは自分たちがなぜ精霊獣たちと精霊に好かれるのかわからないので、どうこたえようと目を合わせていると、
『どうした?フェンリルよ』
とオオカミの後ろの樹から人が入ってきました。
「お?久しぶりグウィネス」
『おお!聖ではないか。おっと今は伊藤正義だったな。ここで何をしているのだ?』
「いや野営をしようと洞窟の奥についたらここに来ていた」
というと、グウィネスは呆れています。
「ってことでここでキャンプしていい?」
『はあ~いいぞ。おいフェンリルよ、こいつらは私の友人だ危害は加えん。それと伊藤正義よ、この場所は聖獣の住処だ。この場所のことは内密にな』
フェンリルはグウィネスの言葉を信用して、周りに聞こえるように大きく遠吠えをすると、気配が大きくなり、さらに数も増えてきて、白い動物たちが顔を出していきます。
白いリスのキジムナーに白い鹿のケリュン、白いイノシシのカムプアなど今歌君のネックレスに入っている精霊獣を大きく白くしたような見た目です。
フェンリルは俺たちの横に横たわると大きくあくびをしてほかの白い聖獣たちを安心させます。すると次々に俺たちの周りによってきました。
前の感じから俺のほうには近寄らないなと思ってテントの設営を始めましたが、白い鹿のケリュンと、白いリスのキジムナーが、俺のほうに近づいてテントの設営を手伝ってくれました。
キジムナーは樹々を操る力があるので枝を操りテントのひもを引っ張ってくれて、ケリュンはテントの布を張ってくれたので、俺は歌君に精霊獣の好物を聞き、その通りにキジムナーとケリュンにピュアベジットとピュアフルーツを振舞いました。
さて、晩御飯は何をしようかな♪
投稿遅れて申し訳ありません




