M2K3千日妖万両鬼2
子供たちが無事帰ったのを見計らって、私は、お札を一枚近くの樹に貼りながらさっき聞いた少年の特徴を思い出して、妖力を送り込むイメージをする。
すると、お札がグニグニと蠢きだして、お札の文字が貼った樹に移りすべて移った後にお札が塵になって消えました。貼っていた樹を見ると大量の目がこちらを覗いていました。その目にさっき送ったイメージの少年を探せと命令しました。すると目たちは黒目を一瞬下に下げ樹々を移っていきました。
先ほどの目は『百目樹』と言い、樹に寄生する妖怪で、枝から枝へ移り相手に視線を送り続けるだけの妖怪です。私が迷い込んだ世界で二番目に仲間になった妖怪で、森の中での探し物に向いています。私は彼らに気配の消し方を教えたため、相手の気配探知にも引っかからず、たとえ目が一つ消えようとも二つ目が残っていたらまたいずれ蘇る。という大変便利な子です。初めて見る人にはすっごい怖いですがね。ちなみに私は彼らの位置がわかるようになっています。
少し待っていたら百目樹の一体から反応があった、彼らは私に場所教えるように反応があった場所に集結し、目で誘導しました。
私は反応のあった場所へ急ぐと先ほど聞いたイメージ通りの少年がいましたが、どこかおかしいです。
一つ目に百目樹たちに全く怖がらないこと。普通に考えて樹々に動く目が沢山あるのは普通に恐怖ですし、彼らはさすがに気配の消し方を教えたとはいえ姿が消えるわけじゃないですし、少しくらいはビビッて当たり前です。
二つ目はなぜこの子に妖力の反応があるのかです。確かに迷い人も魔力や妖力が芽生えることがありますが、どんなに才能があろうとも、ここまで自然に妖力を扱えるのは、もともとここに住んでいた妖怪か、私たち審査官だけです。
私は巾着から、LEDのカンテラ型の装置を出してその少年?に当てました。すると、少年の表面が崩れてきて全身が浅黒く、体つきが骨ばっている、老婆のような妖怪がいました。私の鑑定は妖怪専門なので見てみると、『天邪鬼』と出てきました。
このカンテラは、雲外灯と言い、照らされたものの擬態を暴き、強制的に解かせるためのものです。
天邪鬼と言えば、確か瓜子姫の皮をはいで成り代わった鬼だったような。と思っているとはっと思い出し、カスミに捕縛をお願いし、私は巾着の中の眼鏡を取り出して天邪鬼を見て、
「あなたが変身した少年はどうしたの?」
と聞くと、天邪鬼はそっぽを向きましたが、眼鏡を通してみると、
『あのガキなら知らないよ。今頃この森の主にでも食われてるんじゃないのか?あの怪物にさ。私は特に何もしてないよ。』
と吹き出しで出てきました。
この眼鏡はサトリ眼鏡と言って相手の心が、吹き出しで分かります。ただ、表面上で思っていることしかわからないですが。
私は百目樹に再び指令を出し、捜索を続行させました。その間に私はこの天邪鬼の処遇を考え始めました。正直この擬態能力は魅力的ですし、工房の人たちに依頼したら面白そうなものができそうですし。
なんて考えていると天邪鬼が私をにらんできました。どうしたのか眼鏡を通してみると
『こんな小娘なんかすぐ殺してやる。この捕縛が解けたら覚えていろよ?』
と出ていました。そうですね。封印しましょう。と私はカスミに合図をしたら捕縛を解くように言いました。私は、巾着から、『五種ノ龍ノ頚ノ球』を取り出し、弓を想像すると、球が変形し和弓に変化しました。弓の中心にはさっきの球が埋め込まれたもので、矢は二股に分かれた破魔矢になっていました。私はカスミに目で合図をし捕縛を緩めてもらう。天邪鬼が辛うじて解けるまで解いてもらう。天邪鬼は、捕縛が緩んだので、必死にもがき抜け出したので、私を殺そうと襲い掛かってきました。
天邪鬼は激昂していたので、牙を剥き、爪を前に出し襲い掛かってきました。私はまっすぐに向かってくることが予想できていたので、破魔矢をのどを目掛けて放ちました。見事喉に命中し、天邪鬼は吹き飛び、近くの樹に激突し、体が大の字に広がりました。私は連続で破魔矢を放ち、両手首と両足首に命中しました。私は、最後に五つの矢の中心に矢を放ち命中した瞬間矢同士が五芒星を描きました。私は無地の紙を投げると天邪鬼が光に包まれ、、神に昔の妖怪絵風の天邪鬼が描かれました。
天邪鬼を封印したところで、百目樹の一体の反応が消えました。私はカスミの能力の一つの影潜りを使い、消えた百目樹の場所に急ぐ。
消えた百目樹のところに行くと、そこには籠に入った例の少年とその籠を背負った山姥とその近くに浄衣と烏帽子姿の鬼がいました。少年は幸いにも気絶していたため少し安心しました。私はその二人に、
「待ちなさい!その子をどうするつもりです?」
と言いました。
「おやおや爺さんや、また一匹生贄がのこのことやってきたぞ?」
「あらあら婆さんや、そうですね。ですが、生贄の数は揃っているどうしよう。」
「「そうだ、食べてしまおう。」」
「爺さんや、私はこの絹のように美しい髪からいただこう」
「婆さんや、私はこのきれいな足からいただこう」
こいつが主か?と思い鑑定を使おうとしたが、妖力が多すぎて見えなかった。
私は気を引き締め、五種ノ龍ノ頚ノ珠から、小太刀二本に姿を変える。カスミも臨戦態勢で、いつでも戦闘ができるように用意をしました。
男の鬼のほうは、懐から手を放し笏を取り出し、山姥は腰に差してある包丁を取り出す。何故か籠を背負ったままでした。
ちょっと大変そうだなと思い、カスミに目配せをし、少年の保護と護衛を頼む。
「さあ、私を食べてみなさい!食べられるもんならね!」
と私は挑発し、カスミから意識をそらさせる。
最初に動いたのは山姥でした。山姥は前傾姿勢になり、私のいたところに向かって包丁を振りかざしてきました。それを跳んで回避し、反撃をしようとしましたが、山姥は背負っていた籠を前に出し、人質のように見せてきました。私はそれに対し奥歯をかみしめて動きを止めました。そその瞬間、鬼のほうがいつの間にか接近してきて思い切り横腹を蹴りつけました。私は吹き飛んだ先にある樹に激突し、衝撃で肺の空気が一気に抜けました。
「カッハッ!ゲッホゲッホ」
と私がえずくと鬼と山姥はニタニタしながら近づいてきました。その瞬間。山姥の後ろを何かが通り過ぎました。カスミです。カスミは使える術の一つの木の葉変化の術で、木の葉のダミーを作り出し、件の少年を咥えて離れていきました。鬼と山姥は後ろに何かが通ったことに驚き、後ろを振り返りましたが、そこには何もいませんでした。気のせいかと思った鬼と山姥はまた私のほうを向きました。
私はカスミの反応が離れていくのを確認したので、この鬼たちに手加減をする必要はありませんね。私はゆっくり立ち上がり火ネズミの革衣を召喚し、羽織る。見た目は、身体に紅い膜まとわりつき、全体に紅く光っていました。
山姥は籠を盾にまた襲い掛かってきました。私は一応籠をよけて包丁を小太刀で受ける。この小太刀は切れ味が鋭く、そのあたりの樹や石くらいなら簡単に切れます。さらに火ネズミの革衣は、受けた衝撃に自分の込めた妖力の分火のダメージが上乗せされて相手に跳ね返す膜を展開します。その結果妖力で強化されたとはいえただの包丁くらいなら簡単に切れます。
山姥の包丁を切り、ついでに手首を焼き切りました。私は瞬時に五種ノ龍ノ頚ノ球を槌に変更すると、頭はとぐろを巻いた龍が、口を開けている形で、柄の部分は、シンプルなデザインです。私は、そのまま痛さでのたうち回る山姥目掛け籠ごと潰す。その瞬間火ネズミの革衣が反応し、山姥が燃え上がりました。その間男の鬼はポカンとし、山姥が燃え尽きたときに意識が戻り、
「人でなし、人でなし!人でなしいぃいいぃいぃ!」
と発狂しました。
人でなしって、ああ、こいつらわかってたのか。私が手出しできないようにこうしたのね?あ、わかった安心させてやろうかなと思っていると。鬼の男が燃えた山姥の死体に近づき、
「あ、ああぁぁ、食いたかったのに。婆さん。やくそくしたよね、片方が死んだら生で食うって。」
って人でなしってそういうことか。と思っていると、
「許さない、許さない許さない許さないユルサナイいいイィイィッィイッィ!」
と再び発狂し、襲ってきました。
私は瞬時に槌を小太刀に変え、攻撃を凌ぐ。だんだんと速くなっていく攻撃に耐えていましたが、男の鬼が急に思い出したかのようにその場を離れ持っていた笏を私のほうに向けました。
男の鬼は、
「はあぁ!」
という掛け声とともに蒼白い炎が鬼の周囲に出現し私に撃ってきました。私は接近ができそうになかったので、切り札の一つの『蓬莱の玉の枝』を取り出す。それを鬼のほうにむけると、色とりどりの球が鬼に向かい飛んでいきました。
球は朱色に蒼色、碧色、紫、黄、白、黒、銀色とあり、それぞれの属性に応じた球が飛んでいきました。各球の耐久力はかなりあるため鬼程度の力では破壊できません。
球は鬼に全部命中し、原形をとどめていませんでした。この玉の枝は、力の加減ができません。なので、これは仕方がないとため息をつきました。さて、カスミのところに向かいましょう。
気づいた人はいると思いますが、月姫のモチーフは、かぐや姫です。各武器の詳細は終わり次第閑話で書こうと思います




