情勢調査
夜。家には灯りが点る。便利。外からは見えないので噂にもならない。
ゆっくりと冒険者の手引き書を読む。
森の浅い所ではコブリン、野良犬、ウルフ、ホーンラビット、スライムが闊歩するらしい。
そして全部テイム出来るらしい。
ゴブリンをテイムしてどうするの?って思ったら、街のゴミ集めや下水路の清掃などの単純労働に使役するらしい。
テイムした魔物は専用の腕輪や首輪をしていて、迫害は御法度ということ。
森の奥地にはオークやオーガがいるけど滅多には出てこない。
採集出来るのはヒール草や魔力回復草。少し奥に行くと八イヒール草とか採れるらしい。
あと食べられるモノは多彩。
森が魔素をたっぷり含んでいるので冬でも採集には困らないそうだ。なるほど、街に畑らしきものがないのは森の恩恵か・・・
スライムは思った通り残飯やトイレ。下水の処理には欠かせない存在で、各家庭に一匹は飼っているそうだ。明日取ってこよう。
翌日。
スライム狩り。国民的RPGのモンスターのようにグミのような形のモンスター。目玉やロはない。
それを素手で殴る。
スライムからの反撃。
痛くない。楽勝。
念じる。仲間になれ!
二度、三度。六度・・・
【テイムに成功しました】
【テイムLv.1】
モンスターを従属させる。
体当たりしていたスライムが気がつくと足にまとわりついている。かわいい。
「スラ吉と名付ける!」
スライムのステータスウィンドウが開く。
種族:スライムLv.1
名前:スラ吉
友好度:低い
スライムにレベルがある・・・だと?
スライムのレベルアップ大作戦。
素手で殴ってあとはスラ吉に攻撃させる。1匹10匹20匹。
レベルが5にもなるとスラ吉が最初に攻撃するだけでスライムは死ぬ。
「スライムの魔石が20個。スライムの粘液が15個まぁまぁの収穫だね」
スライムの粘液を鑑定してみる。
【スライムの粘液】
【料理の材料。果物と一緒に冷やすとゼリーに似た食感になる。また、ハーブと一緒に漬け込むと肌の保湿剤になる。】
ふむふむ。このまま冒険者ギルドに卸すより加工して売った方が儲かるのでは?
「スライムの魔石です」
ざらざらと魔石を20個冒険者ギルドに卸す。
「スライムの魔石ですね。銀貨1枚になります。あの、スライムの粘液は?」
受付嬢はスライムの粘液がないことを不思議がる。
「スライムの粘液はこのまま冒険者ギルドに卸すより加工した方が売れるのでは?」
「はい。加工する技術があるならそうした方が高く売れます」
受付嬢はあっさりと言う。まぁ、駆け出しの冒険者というのはその辺の技術は持っていないか。
「まぁ、駆け出しの冒険者はスライムを倒してスライムのドロップ品を加工するより、別のモンスターを狩った方が見入りはいいですからね」
受付嬢は笑う。まぁ、スライムの粘液を加工するよりホーンラビットを狩って肉と皮と魔石を手に入れる方が見入りはいいんだろう。
あくまでもスライムは糊口凌ぎだ。
「冒険者ギルドは加工品を買い取ってくれるの?」
「商業ギルドの方が高く買ってくれますよ?」
新しい情報である。
「あと、自分で売るなら商業ギルドに登録する必要があります。まぁ扶助会ですね」
「ありがとうございます。行ってみます」
「商業ギルドは街の南側、コインのこぼれた袋の看板が掛かった建物です」
改めて受付嬢に礼を言うと商業ギルドに向かう。
「いらっしゃいませ。取り引きですか?登録ですか?」
「将来的にモノを売り買いしたいので登録をお願いします」
「小さいのにしっかりしてますね。登録だけなら銀貨1枚必要ですか?」
「はい」
スライムの魔石を卸した時に受け取った銀貨を差し出す。
「では書類に記入をお願いします」
ふむ。字が書けるというのは必須なのか・・・
店の名前、形態、店の場所を書くようになっている。
小さな妖精の店、雑貨・食料品、街の北側の一軒家と書き入れる。
「店を開いて5年間は無税です。6年目からは年間の利益の5分が税金として徴収されます。帳簿は最初の一年目から商業ギルドに提出してください。解らない所は?」
「自分で採集するので仕入れ価格がわかりません」
「小さいのは見た目だけのようですね。商業ギルドに来てくれれば毎月の素材の原価が判るようになっています。あまりにも原価が高いと脱税を疑われるのでご注意を」
「一緒に人頭税を払っても?」
「ギルド銀行の口座から引き落とされるなら証明書が発行されます」
「はい。わかりました」
商業ギルドに登録し、原価表を貰って商業ギルドをあとにした。




