氷崋の進化
エルフは森の住人である。街に住むのは一部の変わり者だけ・・・というのは今は昔のお話。
今では街に住むというのは珍しくないそうだ。
まぁ、それでもマッカランでは珍しいのだが・・・
「流石C級エリア。採集出来るモノも段違い」
鑑定して有用なものを片っ端から収納する。
メロンとかバナナとかスイカとか季節感仕事しろ。n回目。
「でも米はないと」
まぁ、米は湿地帯で生育するから森では育たないか。(陸稲も今のところない)
「ヒールリーフ+・・・プラス?」
妙な名前の草がある。詳しく鑑定すると、ヒール草の上位種らしい。
効能が色々アップしている。
無論、ポーションの品質もアップだ。
「ガンガン採集だ」
土魔法で穴掘りが出来るアースポットで根っこから採集。
植物だって生きているはずなのにこっちは収納出来る。不思議。
そうそう。この辺りになると生息するのは全部魔物。ネズミも角があったり、石礫を飛ばしてくる。まぁ、大半は逃げてどうしても戦いが避けられないときのみ戦ってる。大抵は逃げているんだけどね。
え?どうやってかだって?空中に逃げるの一択だよ。
魔力消費が馬鹿にならないけど、MP回復草があるからね。
お陰で風魔法のレベルと空中浮遊の効率が上がる上がる。ありがたい。
氷崋の隠形スキルも隠蔽スキルになっているので余裕でついて来ている。
あと奇襲というスキルも手に入れた。
多少のレベル差は力でねじ伏せた。
お陰で私も氷崋もレベルが上がる。
ランクに見合わないほど上がる。まぁ、いいか。
ランクに見合わなくてもドロップ品は買い取ってくれる。
クエスト達成の報酬が貰えないぐらいは許容しよう。まぁ、収納に寝かせてもいいんだけど。
「グルル」
氷崋が角が二本生えた兎をくわえてやって来た。
鑑定するとダブルホーンラビット?と出た。
ダブルホーンラビットの角は魔法の杖の素材らしい。
「よくやった」
ダブルホーンラビットの首を落とし頭は収納に体は氷崋に渡す。
「食べていいよ」
すると嬉しそうにボリボリと食べる。流石狼。食べ方がワイルド!っと・・・心臓の辺りを豪快に食べていると氷崋の体が光始めた。
あ、もしかして・・・
「ウォン!」
光が収まると、氷崋の体が2倍以上に・・・
私知ってる。進化だこれ!
「鑑定!」
氷崋を鑑定する。
【アイスウルフ(温帯仕様)】
【アイスウルフが温帯地域に適応した個体。耐熱スキルを保有するがその他のスキル等に変化はない】
【隠蔽、奇襲、急所攻撃、耐熱、遠吠え、アイスブレス】
隠蔽からの奇襲。急所攻撃は強いな。
しかしなぜ進化したんだ?魔石?魔石か?帰ったら調べるか・・・
他に変わったところといえば、氷崋の体毛だ。白から灰色になった。以前より目立たない。
藪に潜むと背景に紛れるのだ。これが温帯仕様?
しかし口から白い息が漏れているのはなんだ?あ、冷たい。アイスブレスの影響か?
「それにしても、大きくなった・・・ね?」
ブンブンと尻尾を振る氷崋。さっきまで成狼クラスだったのが大狼だ。これがモンスターか・・・
「さて、B級か・・・」
わずか先。植生が変わっているのが解る。
「解り易い・・・」
まず葉っぱの色が違う。濃い緑。いや黒に近い。
次に葉っぱの大きさ。大きい。それが密集している。よく下の葉っぱは枯れないね。
「よし。氷崋は隠蔽でついてきて。私は中空を飛ぶから・・・」
ふよふよと宙に浮かび、境界線を超える。
「鑑定:食べ物!」
鑑定を発動する・・・が反応しないだと?
「鑑定:毒」
うわっ・・・そこいら辺に沢山生えてる。
これは、植物自身の身を守るための自衛策か?
「えぇっと・・・鑑定」
【水仙】
【全体に強い毒性を持つ摂取すると強い嘔吐症状が出るが、球根などすりつぶして煮込むことで毒性が弱まり赤痢の特効薬となる】
これは弱毒化させることで胃袋のものを吐き出させる薬にもなるということか?
取りあえず収納から手袋を取り出し、土魔法アースポットで根っこから採集。袋に詰める。
【鈴蘭】
【摂取すると呼吸停止や心不全を起こす。油に溶かすと強心剤として利用出来る】
毒も少量だと転じて薬になるの典型か。




