スタンピード
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「常に最悪に備えよ・・・我が侯爵家の家訓であったな・・・」
なにそれカッコいいじゃん。って、マッカランさま侯爵なの?高位貴族さまじゃん。公爵は大抵が王族が家臣降家してなる地位だから、侯爵というのは王族以外では最高位のはず。※諸説あります。
「知らぬこととはいえご無礼な口をききました」
土下座です。こちらの風習にあるかどうか知りませんが、床に座り込んで額を床にこすりつけます。
「何事だ!?」
「我が里に伝わる最上級の謝罪です。知らぬこととはいえご無礼な口をききました」
端から見ると可哀想なほどの謝罪である。しかも幼女。プルプルと震えているのが哀れである。
「あぁ面を上げられよ。ヒローネ嬢」
「無礼打ち?」
「しないよ」
言質は取った。恐る恐る頭を上げる。
「スタンピードは人工的に起こせるのかい?」
「街を石壁で覆うということはスタンピードに備えていると解釈しますが?」
「そうだね」
「スタンピードの原因は?」
マッカランさまは宙を見る。
「一番考えられるのは、生態系の異変でしょう」
私は指摘する。森の最奥のモンスターを動かせばそれだけでモンスターの大移動が起こるはず。
「モンスターの忌避剤を撒く。逆に興奮するものを撒く。やり方はあります・・・今まででマッカランの森で確認されたもっと強いモンスターは?」
「ジャイアントマッドボアだな。討伐はされてなかったが・・・」
ボアですか・・・なんだか嫌な予感がしますね。
「マッカランさまは、最近、街でボアやオークが不浄だって叫んでる人が居るって知ってますか?」
「いや?知らんな」
「ボアが不浄で街を襲ったのもボア。不安を煽るには最適かな?って」
隠蔽の腕輪も髭面の男が所有してたし怪しいですぞ?
「まぁ、ヒローネ嬢の言葉も一理ある気に止めておこう」
そういうことになった。
「鑑定持ちさん。こちらで検査を受けてください!」
お、言った通りになった。
そそくさと部屋にはいるとさっさと服を脱ぐ。パンイチだよ。
「パンツも脱ぐ?」
「いえ・・・そこまでは」
部屋の中にいた人が申し訳なさそうにいう。こちとら中身30才のおっ・・・お兄さんで見た目6才の幼女ぞ?恥ずかしいなんて思わん!
「水晶に触ってください。はい。確認取れました。服を着ても結構です」
簡単に済んだな。服を着て外に出る。
「ヒローネさんは検査する側に回って下さい」
「あ、私、触れば隠蔽状態の有無が鑑定出来ますよ。貴族さまの中には下着姿ですら無理という方が居ると思うのでそういう人がいたら任せてください」
自己申告すると、周りがざわついた。
「えっと、本当に?」
「私の鑑定、名前と状態ですからね。試してみます?」
そういうと、商業ギルドの職員がドタバタと出入りを始める。
「私を鑑定してください」
見たことないお嬢さんが手を差し出す。
「ほいよ」
私は差し出された手を握る。触らなくても鑑定と・・・
【マリン・サリクソン】
【なし】
「マリン・サリクソンさんね。あとはわかんない。犯罪歴はなしと・・・」
ざわざわとざわめく。
「なければ始めましょう」
人数が人数だからね。巻いていこう。
・・・
・・
・
人頭税を取る必要からか、街に住む人間は把握されている。まわりが壁に囲われてるから門の所を抑えれば不可能ではない。
で、住民は冒険者ギルドか商業ギルドのギルド証。住民証。旅人は滞在証明書の所有が義務付けされている。
ちなみに滞在証明書は6カ月に1回。ギルドで更新しないといけないらしい。
あと、お貴族さまは基本住民証だけどギルド証を持っている人も少なくないらしい。
身分を隠しての狩り?とか思ったけど、普通に貴族の嗜みらしい。忖度なければ個人の武勇を示すことが出来るもんね。
「住民は終わりました。あとは旅人・・・というか季節労働者ですね」
サクサク調査が進み15時が過ぎる頃、一番警戒すべき層の検査を残す所まできたのである。




