オークは穢れている!?
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今日も街のメインストリートでうどんを売る。付け合わせは天かすとボア肉の角煮に加えて紅芋の天ぷらだ。
うん。紅芋の天ぷらがあっという間に売り切れた。甘いは正義なのだ。
「これは何という食べ物だ?」
「紅芋だよ。どこで手に入れたって?原産地は遥か遠く。これはうちの庭で育てたもんだ」
自家製だといったら大抵の人は入手を諦める。
「今度はもうちょっと数を増やすから勘弁してね」
それで事なきを得た。
甘いものは売れる。ということで紅芋を畑に植える。
元の世界と同じなら痩せた土地でも育つからね。
と同時にとある実験を開始する。
畑にスライムの魔石を砕いて混ぜ込むことだ。
人工的に畑に魔素の濃度を上げようって試み。
なぜかスラ吉が元気いっぱい畑を駆け巡っている。
二週間後、畑は紅芋で一杯になった。スライムの魔石、効果抜群だ。
ちなみに雑草の類は生えていない。どうやらスラ吉がこまめに雑草を取り除いていたらしい。
どうやって雑草を区別したのかは解らないが、一応誉めておこう。
パチパチと爆ぜる焚き火から紅芋を取り出して頬ばる。
「味は・・・森に生えているのと変わらないな」
それがひとくち食べた感想である。森に入る必要がないというのは楽だ。
「さてと・・・」
今日は回復魔法の練習だ。
この世界の回復魔法は大きく分けて2つある。
1つ目は神さまの奇跡。と言っても私をこの世界に送ってくれた神さまとは違うようだ。なぜかって?その回復を司る神さまは女神さまだからだ。
女神さまに奇跡を願う。
聞き届けられると傷が治る。聞き届けられないと治らない。
2つ目は水魔法。傷を覆う。血を操作する。自然治癒力を高める。直ぐには効果が出ないが、治る確率は高い。
まぁ、ポーションの方が魔法より早くて確実だから覚えている人は少ないらしい。
「体の大半が水分で、細胞を活性化させて自然治癒力を増進させるということを根本的に理解してないんだろうね」
ナイフで指先を傷つけて治癒魔法を発動し、治す。
練習方法がこれしかないので習得する方も大変である。
【回復魔法を覚えた】
【ヒールLv.1】
もうひとつ厄介なこと・・・魔法として覚えるの遅くない?十回は指先切ったよ?
斬りつけたとき相応に痛い。魔法をかけると直ぐに痛みは取れるけど、痛いものは痛い。
レベルが上がるとその辺改善されるのだろうか?
幸いなことにかける対象は選ばなかった。
獲物にかけることも出来る。つまり氷華は狩りのコツを覚え私は回復魔法の練習が出来る。一石二鳥だ。
「コケ」
クックのひよちゃんが雛を先導して畑の虫を啄む。
雄が居ないからひよちゃんの卵は無精卵なのでありがたく頂く。
そういえば、近ごろ髭面の男を門の近くで良く見ます。
毎回違う男なので数が増えている?
毎日決まった時間になると床に布を引いて所構わず土下座をし、ある方向を向いてなにやら唱えている。邪魔。もの凄く邪魔。あと、私を見る目が嫌。なんというか、性的に見てない?
ΤSしてからそう言う目先は鋭く反応する。
反応した先を見ると髭面の男がいることがしばしば・・・あれは獣の目だ。
「最近、悪意の視線を感じる」
もしもしポリスメン!という機関はないので商業ギルドや冒険者ギルドの受付にそれとなく情報を伝える。
「なんか最近そう言うの多いですね・・・特に女性からそう言う報告を受けています」
冒険者ギルドの受付嬢が顔をしかめつつ言う。
「あの髭面はなんです?」
「最近流れて来た単純労働者ですね。東西の石壁作りに従事してます」
石壁作り。それなりに力仕事なのでゴブリンは参加してない。
オークはいるが少ない。大半は人間だ。
「オークは穢れている!」
最近、髭面の男たちが騒いでいるらしい。ボア肉も穢れている!とか暴言を吐いて屋台の主人と喧嘩しているらしい。
幸いにもうちは暴言を吐かれないけど、時間の問題かもしれない・・・




