You die
まずはどこに行こうかしら?
門の外、続いている道は三つに分かれ、
そしてそれぞれ、石工の町、湖の町、図書の町
に繋がっている
三つとも歩いて2時間かからない距離にある
なら、
ここは運命に導かれるべきよね
木の枝をたて、
倒れた方向に進むことにする
そして倒れたのは正面、湖の町!
でも、魚系の部位はいらないのよね
スライムはいるかしら?
「まっ、なるようになるわよね」
この道は草原にあるから、
捕まるところがない
つまり、高速移動には向かない
2時間かかることは確定しているので、
触手スキルの熟練度上げをしながら、
ふわふわと浮遊して進むことにした
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「やはり最初のうちはどんどん成長できるわね」
500円の初心者パックを買ったおかげで、
ゲーム内30日間、レベル30以下であれば
経験値と熟練度が上がりやすくなる
おかげで、
どこかゴム製のおもちゃのような動きだった
タコ足が、ヌルヌル気持ち悪い動きができるようになった
そして、
湖の町の手前、
草が長く生い茂っていて、
視界が悪くなっている場所
あと少しで町に着ける
移動という退屈が終わる
そう、
これからを期待して、
心躍らせていたとき、
黒いナニカが、私の頭部を吹き飛ばし、
白い小さなのが、タコ足2本をちぎり、
緑色の小人が、メイスで左石腕を砕いた
「ッ?!」
下半身が幽霊であることはフィールド効果などによって
移動速度が遅くならないメリットがあるが、
同時に、このような緊急時に
瞬発力がないのが致命的
対して距離を取れなかったし、
その上、
左右のバランスがわるくなったせいで、
体勢が悪い
「魔物?」
そう思い、相手をよく見る
すると、黒いナニカは動物系キメラ
白い小さいのは骸骨系キメラ
緑色の小人はゴブリン系キメラ
つまり...
「残念、不正解」
「僕たちは初心者狩りにきたプレイヤーだよ」
「そう、
これからを思い描いてルンルン気分が台無しになったのは
どう責任をとってくれるのかしら?」
「そのまま死んで、サヨナラすればぁ?!」
ゴブリンがメイスを振りかぶり、跳躍
「ぶっ殺す」
私は迎撃の準備をすると、
「おいおい、口が悪いなあ」
他の二人もそれに追従する
順番...ゴブリン、骸骨、黒いの
メイスは打撃武器だから触手で対処、
骨は脆いから石腕で対処、
黒いのがジョーカーね
残りのタコ足でメイスを迎え撃つ
捕まえて、それを軸に回転、
そして...
「“其の者”に、“岩盤”、“地”に落つる“龍”の“罰”を!!」
ズドンっ!
魔力が尽きる...
と、同時にレベルアップ
相手は先の町にいる先達、つまり格上、レベルも上、
その経験値は極上になる
「は?詠唱...魔法?!」
「何で初心者が魔法使えんだよ?!」
「次っ!」
骸骨に殴りかかる
簡単に避けられるが、
ゴブリンがワンパンされた衝撃で反撃は来ない
「本命はこっちよ!」
片腕だけで殴って勝てる、
当てられるわけがない、だから本命は
タコ足に握ったメイス!
頭部にクリーンヒット、
視覚が失われる
続け様に石腕が胴体を襲い、肋骨が折れる
私?私はマネキンの目と耳が無くなっても、
スライムの方でわかるし、声は元々スライムの方から
「ラスト...っ!?」
頭と胴、と両方潰したのよ?
なんで...
「何で動いてんのよ、このクソ骸骨!?」
「そりゃあ、お前と同じでスライムボディが核だからだよ」
黒いのが迫り、そして私の核に噛み付く
黒いのはさまざまな動物の特徴をのせた、
スライムのキメラだった
骸骨も、空洞の骨内部にスライムを内包するキメラだった
「本当は、手こずる相手だったら骸骨の方が死んだふりをするハズだったんだぜ?」
「ああ、油断したとはいえ、魔法を使い、ゴブリンを殺すなんて予想外だったからな。
軌道修正できてよかったぜ」
ああ、油断した...
スライムは核があるから、
それさえ壊れなければ死なないから、
組み合わせしやすいから、
だから選んだと言うのに、忘れていた
相手も“同じこと”が出来るということを...
「...油断したわ
死は確定ね。ここに来るにはまた、2時間かかるわ。
そう、だから...アナタのイノチも貰って行くわネ?」
「っ!しまっ...」
私は、露出した骸骨の核、
それに向かって、“タコの口”を開き、
そして砕き飲み込んだ
流れるレベルアップの通知、
そして視界は暗くなり、初めての死を経験した
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