第9話 ギルドからの依頼(2)
「竜の谷は高レベルの魔物や死霊系のアンデッドが確認されてる魔の谷って呼ばれて恐れられている程の場所よ。とても正気とは思えないわ、その依頼主…」
「ん?竜は居ないのか?」
「居る訳無いでしょ!!竜なんて居たら私クラスの冒険者10人は必要でしょ!そんなのが居るなら私だって断わるわよ!!」
呆れる様にウリシュクが答えた。
「いや だってよ竜の谷って言うなら居るんじゃねぇの?竜?」
「そうね数百年前には強力な火竜が巣を作って近隣の村や街が被害に遭っていたのは事実よ。でもここ数十年は竜の発見情報も一件も入ってないから何処かに移動したか何らかの理由があって居なくなったみたいね。それであそこは竜の谷って呼ばれてるのよ」
リットが説明してくれる。
「火竜?火竜って言うと竜の中でどのくらいの強さなんだ?」
「はぁ?竜はどんな奴だって強いわよ!あそこの火竜は炎をブレスするし巨大でとんでもない奴だったらしいわよ!アークデーモン達悪魔族に唯一対抗出来る存在なんだからね!」
呆れてウリシュクが答えた。
「ふーんお前でも、もしかして見た事無いのか?」
「当たり前でしょ!竜は最高位に位置する魔物なのよ?地域によっては信仰される程の存在なんだから!そんなのに遭遇なんてしたら命がいくらあっても足りないんだからね!」
俺の知っているゲームの世界の竜は
古代竜(超強い神級、天災級)
中級竜(巨大、強い、災害級)
小級竜(土竜、知能低いが巨大な為脅威)
と言った感じだったが、この世界ではそう言った等級分けは無いのかな?
ちなみにデュランダルは古代竜クラスだ。
「あなた…もしかして竜に会った事あるの?」
ジト目でウリシュクが聞いて来た。
「ほ 本物に会った事はねぇって!だから見てみたいな〜なんて思っただけだって!」
「あ あなたね怖い物知らずにも程があるわよ?まぁあのアークデーモンと戦えるんだから竜とだってもしかしたら戦えるのかも知れないけど普通会ったら即逃亡するのが常識なのよ?」
俺を指差してウリシュクが詰め寄る。
「まぁ心配しなくても竜の谷には今は火竜は存在しないって調査が入ってるしギルド調べだから間違い無いわよ。にしても竜が居なくてもあそこの谷はかなりマズイのよ。高レベルの魔物も多く目撃されてるわ。銀級の冒険者でもしっかりと準備したパーティが3つは必要なくらいの難易度よ」
「そうよそんな所になんで依頼主は行こうとしてるのよ?」
ウリシュクがリットに詰寄る。
「く 詳しくは教えてもらって無いけど、あそこは人が滅多に入れないから、かなりのお宝もあるって情報もあるわ。それも国家レベルのお宝がね。もしかしたらそれの探索かも知れないわね。だから護衛期間が長いのよ予想だけどね」
「はぁ…くだらないわね。本当にそんな依頼普通なら無視したいとこだけどシグレの登録が、かかってるからやるしかなさそうね」
「フフありがと本当に助かるわ♡でもウリシュクあなた、いつもはこんなに拘束期間の長い依頼は断るのに大丈夫?」
「あら断ってもいいの?なら受けないけど?」
「もう!意地悪ね!お姉さんとして気を利かせて聞いたのよ!…でも本当に平気?あなた2日以上パーティと同行する様な依頼は受けないでしょ?高難度の依頼も全部、単独で受けてたし珍しいからさ。ちょっと心配になったのよ」
「誰がお姉さんか!誰が!私とたいして年も変わらないでしょ!あなたは!!」
「あなたは160才でしょ!?私は162才ですからね!立派にお姉さんじゃない!!」
「二つしか変わらないでしょ!!」
「ばかね!人間なら2年早く生まれたら立派に、お姉さんなんだからね!敬え!このリットちゃんを敬えい!!」
「お お前調子乗んな!焼きエルフにしてやんぞ!!」
「キャー怖い!シグレ君助けて!狂暴エルフに消し炭にされるわ!!」
そう言うとリットは俺を盾にしてウリシュクから逃げる。
「どきなさい!シグレ!このアホを少し懲らしめてやるんだから!」
「あのさ…仲良いのは分かったから話進めないか?」
俺は少々呆れて二人をなだめた。
しかし本当に仲良いなこの二人。
見た目もあって本当の姉妹みたいだ。
それにしても俺は事情を把握した。
ウリシュクが長い期間の依頼を受けれないのは、妖精の身体に戻ってしまうからだろう。
仲は良さそうだが恐らくこのリットにもそれは、しゃべれない秘密なんだろう。
「はぁ…そうねさっさと話を進めないとね」
ため息混じりにウリシュクが言った。
「助かる!本当感謝してる!それじゃ二人共契約書にサインをお願いね♡」
テンション高めでリットはウリシュクに契約書を渡した。
「私の横にフルネームで名前書いてね」
そう言うとウリシュクが羽根ペンにインクをつけて俺に渡して来た。
「ん?」
手渡された書類を俺は初め何が書いてあるのか、全く分からなかったが数秒すると、その文字が翻訳され俺でも読める様になって来た。
「どうしたの?まさか読めないの?」
心配してウリシュクが俺の書いている文字を覗き込んで来た。
「だ 大丈夫、読めたから後は名前を書けば良いんだよな…」
恐る恐る俺は漢字で紫暮明と書いてみると不思議な事に、この世界の文字に漢字が変換されていった。
「なんだ書けるじゃない。ちょっと心配したわよ。シグレアキラね。うん大丈夫。ちゃんとした共通語で書けてるわ」
「そ そうか?」
俺は、ほっとした。
しかし書く文字まで訳してくれるなんて、どうなってんだ?アキラの翻訳機…まぁ便利だから良いけど。
「ふーんやっぱりシグレ君ってこの国の人じゃ無いみたいね」
そんなやりとりを見ていたリットが尋ねて来た。
「一体どこの国から来たの?もしかして魔導公国とか、はたまた天空の国家とか!?」
目をキラキラさせてリットが尋ねて来た。
「い いやその と 遠い国っつうか…ええっとな…」
困ったな違う世界からやって来ました!
…とか言っても信じてはもらえないだろうし、なんて言えば良いんだ?
と 俺が困ってると
「あのねぇ個人の素性とか秘匿するのがギルドの鉄則でしょ!」
半ギレでウリシュクがリットに詰め寄った。
「わ 分かってるわよ!そんな基本的な事!仮にも私は副ギルド長なんですからね!」
「分かって無いから怒ってるのよ!!」
「個人情報の秘匿はギルドのルールだけどさ私とウリシュクは友達なんだから心配でしょ?友達がどこの誰とも分からない人物と付き合ってるかなんてさ!これは友人としての私的な質問です!」
「「付き合っって無い!!」」
俺とウリシュクの声がダブった。
「ええ〜?だって人間嫌いのウリシュクがパーティを組もうなんて普通じゃないでしょ?そう言う関係でもないと変じゃない?」
「あなた…この契約書、灰にしたって良いのよ?」
強力なジト目でウリシュクが契約書をヒラヒラと振りかざした。
「いやぁ!そ それだけは勘弁して!ごめんって!ジョークだからやめてっ!!」
そんなお馬鹿なやりとりが、もう少し続いた後、俺達は護衛の依頼のある3日後まで、このアマランの街に滞在する事になった。
俺はこの世界の通貨を持っていないので、街の外でキャンプすると言ったのだが、お金なら結構持ってるから3日位、宿を借りてゆっくりしましょうと提案されたので、なんか女子に奢ってもらうのはカッコ悪かったがファンタジーな、この世界の街にも興味があったので3日間街を見学しようかなと思い俺はその提案を了承したのだった。
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