第8話 ギルドからの依頼(1)
「ど どうして!?実力があれば12才からの登録だって出来るでしょ!?シグレは14才だし問題無いでしょ!?」
「そうね3年前までは確かに金級の冒険者の口添えがあればノーチェックで登録出来たんだけどね…悪いけど2年前から冒険者登録のチェックが厳しくなったのよ…今はたとえ金級のあなたの口添えがあったとしてもギルマスのチェックを通さないと登録は出来なくなったのよ」
「ええ!?ど どう言う事よ!?」
「もぉだからマメにギルドに寄りなさいって言ったのよ!あなたは平気で数年寄らないでしょ?ここに!そんなだから、こう言うはめになるのよ!!」
「なんでよ!?マメに来てるじゃない!この前はたった3年前に寄ってるでしょ!!」
「あのね…私達ハーフエルフと人間じゃ時間の感覚が違うのよ…私だってたった3年って思うけど人間にしたら、もぉ3年も経ってるってなるのよ。あなたはもう少し人間の社会の事を知らないといけないわよ」
「そ そんな馬鹿な!!」
「まぁそう言う事だから、このシグレって子の登録はギルドマスターがアマランに戻って来るまで待ってもらうしか無いわ」
「あなたの権限で何とかならないの!?私はさっさとシグレとパーティを組んでアークデーモンに繋がる高レベル依頼をこなしたいのよ!!」
「うーん…そうねまぁあなたのアークデーモンに対する執念は昔から知ってるから力になってあげたいのは山々なんだけど…そうねぇ権限でならギルマスが居なくても危険だけど…方法が無くも無いけど…」
「え!?あ あるの!?」
「うん…一週間も待てばギルマスから登録の手続きをしてもらえるんだし本当にお勧めはしないんだけど…まぁ3年ぶりにあなたがギルドに来てくれたんだし、これを利用しない手は無いかなとも私は思うのよ」
「あのねぇ…そう言う事は本人の目の前で普通言わないでしょ…」
「あはは♡まぁそうだけどさ私もギルドの関係者なんだからギルドの利益になる事をみすみす逃せないでしょ?」
「はぁ…まったくリットらしいわね…で何をすればシグレの登録をしてくれるの?」
「ウフフ♡話が早くて助かるわウリシュク♡察しの通り金級案件よ♡」
「そんな事だと思ったわ…」
呆れてウリシュクは肩を落とした。
「まぁまぁ、じゃ詳しく依頼内容を教えるわね♡」
すると準備していた資料を開き出す
「…あなたもしかして初めから私に依頼を押し付ける為に準備してたんじゃないんでしょうね…」
「ち 違うってば!そりゃ滅多に来ないあなたが来てくれたから都合良ければ普通の冒険者じゃ出来ない様な依頼を、こなしてくれるかもって期待はして色々準備はさせては居たけどさ!冒険者登録が厳しくなったのは事実なのよ。ここの所新人冒険者の死亡事故が多くなっちゃってさ新人登録した内の6割がここ数年死亡や行方不明になっちゃってるのよ。現状をうれいたギルドマスターが直に、ここ2年は冒険者の実力を見てから登録をする事になったって訳なの。だからいくら副マスターの私でも勝手に冒険者登録は出来ないのよ。私はギルマス程、相手の実力とか見定められないからしょうが無いのよ」
「はぁ…なる程ね。でもさ弱いくせに冒険者になろうなんて奴が悪いのよ。この世界は実力が無きゃとてもやってなんていけないんだから自己責任でしょ?死んじゃってもしょうが無いじゃない?」
ウリシュクは冷めた口調でリットに言った。
「あのねぇ…まったく…あなたはすぐ金級になって高レベルの依頼ばかりこなしてるから知らないでしょうけどギルドには銅レベルの依頼の方が多く来るのよ?居なくなったペットの捜索とかドブさらいとか初級の薬草採集とか初級の魔物退治とか色々とね。それらも大事なギルドの仕事なのよ?そりゃ金級案件を一つでもこなしてくれる様な、あなたの存在はとてもアマランのギルドにとって重要な事よ?大いに役に立ってくれてるわ。今回のアークデーモン討伐なんて国を挙げての騒ぎになる程よ?ギルドの利益は尋常じゃないくらいの物になるわ。国からも相当の報酬も出るしあの厄災レベルのアークデーモンを私達アマランのギルド冒険者が倒したなんて他国のギルドにも相当名誉な事よね本当に感謝してるわ」
「あのね今回は私が倒したんじゃ無いのよ?倒したのは、このシグレ達のパーティで私はあまり役には立たなかったわ。シグレ達が来なければ確実に死んでたわ」
「そうね、でも野良の名前も知らないパーティが、あのアークデーモンを討伐したなんて誰も信じないでしょ?そもそも3年前に深淵の森の主、悪魔王の退治の依頼を受けてたのは、あなたなんだから今回はあなたが討伐したって事で処理するわよ?もちろん詳細はギルドマスターには話しとくけど公に発表するのはあなたが倒したって事にするから」
「ちょ ちょっと待ちなさいって!なんでそんな事になるのよ!人の手柄まで自分の物になんてしたく無いわ!!それにアークデーモンの肉体は滅ぼせたみたいだけど、あいつらは魂があれば数百年で復活しちゃうのよ?倒したなんて発表はしない方が良いわよ?」
「あのねぇ私達からしたら数百年なんてそんなに長い時間じゃ無いけど人間の社会では世代交代が3回くらいある様な時間なのよ?次復活したら、またそれを発表すれば良いだけで今は滅んだって言っておけば人間達は少なくても百年くらいは安心して暮らせるわ。だから問題無いのよ」
「そんな嘘すぐにばれるわよ?」
「嘘じゃないわ肉体を滅ぼしただけでも国家レベルの凄い事なんだから!この報告書を作成するだけで3日は徹夜しないといけない程なんですからね!!」
「あなたの仕事の事なんてどうでも良いわ」
「ひどい!それでも親友なの!?」
リットは可愛らしく嘘泣きの仕草をとっている。
「大体シグレ達は良いの?あなた達の手柄を私の物にされちゃってさ。あなた達は命をかけて奴を倒したんでしょ?そんな事を…」
ウリシュクは申し訳なさそうに俺にたずねた
「別に良いよ」
正直アークデーモンはデュランダルが一撃で倒してるし。
まぁこのシグレアキラの身体は死にかけはしたけど苦労して倒したって程じゃ無いしね。
「あのねぇあなたは良くても実力者の2人が納得しないでしょ?」
「いや二人共そう言うの興味ねぇし大丈夫だよ」
「そ そうなの?」
「ああそれによウリシュクの手柄になった方が、またアークデーモンの情報も入りやすくなるんだろ?お前の評価が上がった方が都合良いだろ俺達は今の所目標も無いし充分だろ」
「フフフ良い子ね、この子。人を見る目は本当にあるよねウリシュクは」
優しい眼差しでリットがウリシュクと俺を交互に見つめた。
「…それはそうだけどさ…」
不満げなウリシュク
「なら良いじゃねぇか俺はお前のサポートって事なんだしそう言う事でよ」
「…そうね確かに私の評価が上がればアークデーモンの情報も入りやすくはなるしね…分かったよじゃあ、ありがたく私の手柄にさせてもらうよ」
「ああ問題ねぇよ」
「じゃアークデーモン討伐はウリシュクの手柄って事でOKね♡それじゃここからはシグレ君の冒険者登録の件ね」
そう言うとリットは一枚の紙をウリシュクに手渡した。
「これが今回の護衛案件の仕事内容の書かれた契約書よ一読したら2人のサインをお願いするわ」
「え?金級案件って言ってたからてっきり強い魔物退治とか思ってたけど護衛の仕事なの?」
「ええ護衛って言っても只の護衛じゃ無いわよ?重要人物のパーティの護衛よ」
「なる程ね…金級の依頼って事は相当な人物の護衛みたいね」
「さすがウリシュクその通り。これは銅や銀級の冒険者には、まかせられない案件だったのよ。この依頼が来てから数週間適任者を探せなくて先方にもずっと待っててもらってた案件だったのよ正直ウリシュクが受けてくれてギルドとしても大助かりなの」
「ふーんまぁアークデーモンとは関係無さそうな依頼だし私も普通なら受けるかどうか微妙な依頼ではあるわね…」
「そ そんな事言わないで!本当に感謝するから!それにこの依頼にシグレ君が同行してくれて実力を依頼主から認められればシグレ君の冒険者登録は確実に保証されるからさ!お願いよ!」
両手を顔の前で組んでリットはお願い♡のポーズをとる。
凄くあざといポーズで男子ならやられてしまう所だ。
しかしウリシュクはジト目で
「まぁ良いわシグレとはパーティを組む為に冒険者の登録が必要だったしね。それにしても…この依頼書、相当な位の人物の護衛ね。この紙、上質だし、この依頼書の金印…
もしかしてかなりの上級貴族か領主級の人物の護衛よね?」
「ああ えっとねそこは秘密になってるのよ分かるでしょ?」
「はぁ…まぁそこは理解するけどね…お忍びで貴族が冒険者まがいの事案をこなして箔をつけるとか、ありがちな話。くだらないわ…でも仕方ないから受けてあげるけど、これは一週間の拘束期間って長いわね?なんなの?」
「竜の谷の探索よ」
「え!?りゅ 竜の谷!?嘘でしょ!?」
「だからよ。あなたクラスの冒険者じゃないと、あそこの探索なんて同行出来ないでしょ?」
「竜の谷?」
俺は二人に聞き返した。
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