第7話 アマランの街、冒険者ギルドへ(2)
「あの扉を開けれた魔力と良いウリシュクが同行を許している事と良い…あの少年何者なの?」
部屋を出ていく俺を遠目で見つめながらリットは俺を不思議そうに見つめていた。
ウリシュクの後を追い長い廊下を歩いて階段を上り2階のひときわ豪華そうな扉を開き応接室らしき部屋に俺とウリシュクは入って行った。
部屋の中は結構広くて畳12畳くらいはある。
豪華そうな装飾品や家具が並び中央に大きめの机があり、その周りにはやはり豪華そうなソファーが並んでいる。
対面で4~5人は座れそうな感じだ。
「なんか少し来ないだけで、また内装が変わってるわね。せわしないわ」
ウリシュクは装飾品などを一瞥するとドカッとソファーに腰掛けた。
「シグレも遠慮しないでさっさと座りなさい。その内リットも来るからさ」
「あ あのなぁ自分の家みたいに…くつろぎすぎじゃねーの?」
「いいのよリットとは数十年の付き合いだしギルドでは金級の冒険者は待遇が良いのよ。気にする事無いわ」
「そ そうなのか?」
しかし俺は遠慮からウリシュクから離れたソファーに座った。
出版社のパーティでもこんな豪華なホテルにある様な部屋には入った事は無い。
正直壊したら弁償出来そうになさそうな装飾品ばかりだ。
なんとも居心地が悪い。
「あら?もしかして緊張してるの?フフ可愛い所もあるのね♡」
「し してないわっ!!」
「うそ〜顔がひきつってるわよ♡」
そう言うとウリシュクは俺の顔を、ツンツンとつついた。
「ひ ひきつってないわっ!!」
「ひきつってるって♡」
「あらあら仲が良いのね、これは大ニュースね!」
俺とウリシュクがグダグダしてるとリットが両手に資料を持って部下10人を引き連れて部屋に入って来た。
「そ そんなんじゃ無いから!」
「そんなんじゃねぇっ!」
リットに俺とウリシュクは、ハモるくらい同時に抗議する。
そんな俺とウリシュクを見てニヤニヤするが、すぐに真顔になって部下に
「ここからは重要事項の会議になるから私以外は外で待ってる様にね」
「はっ!副マスター!!」
10人は綺麗に返事をハモらせて俺達にも一礼しリットが持ちきれなかった資料をテーブルに置いて部屋を出て行った。
部下の気配が無くなるとリットがしゃべり出した。
「それでアークデーモンを…深淵の森の王を倒したって言うのは、本当なの?」
「当然でしょ?奴の気配が森から消失していたわ。あいつが自分の支配する場所から居なくなる訳ないし間違い無いわ」
「…どう言う事?あなたの口ぶりだと確認はしてないみたいに聞こえるけど?」
「その通りよ。私、奴と戦ってたけど全然かなわなくって奴の魔法で死にかけて途中から意識が無かったからね」
ウリシュクはリットに正直に話た。
「う 嘘!?炎壊って呼ばれる、あなたが何年も準備して戦ったんでしょ!?そ それでも通用しなかったって言うの!?」
「うん残念だけど、あいつは格が違いすぎたわ…私の魔法が全く効いてなかったわ…」
悔しそうにウリシュクはリットにそう言った。
「だから一人で戦っちゃダメってあれ程言ったじゃない!!王都に居る金級の冒険者と高額でもパーティを組むとか銀級冒険者のパーティ何組かと力を合わすとかしなさいって!!ソロでなんて絶対に倒せる相手じゃ無いのよ!?アークデーモンは言わば天災と同じで、人がどうこう出来る相手じゃ無いの…いくらあなただって勝てっこ無いってあれ程言ったでしょ!?」
リットは本気でウリシュクに怒っている様だった。それは利害関係無くまるで妹を心配している姉の様な温かい感情のある怒り方だった。少なくともギルドとしてより個人として本気でウリシュクを心配しているのが強く感じとれた。
「心配かけたのは謝るわ。でも私はパーティは組みたく無いのよ、しょうがないでしょ?」
「またく…事情はあるんでしょうけど、あなたはいつもそれね!命は一つしか無いのよ?そんな無茶ばかりしてたら本当にその内死んじゃっても知らないんだから…」
リットは涙目になっている
「わ 分かってるわよ今回で自分の実力の無さに本当に反省してるわ…それでその対策がこの子って訳よ」
ウリシュクは得意げに俺を指さした。
「そう言えば、あなたが気絶してたって事は…も もしかして!?」
「ええ、このシグレとシルファ、デュランダルって人達の3人パーティがアークデーモンを討伐してくれたのよ」
「と 討伐!?そう言えばさっきも滅ぼしたって言ってたわね!じゃあ本当にあの森の王をあなた達が倒したの!?」
「私じゃ無くてこのシグレと後2人のパーティで倒したみたいよ?信じられないなら森に調査を送れば良いわ。戦いの跡が残ってるし何しろアークデーモンが居なくなってるからね」
「ほ 本当なの?あなた魔力はありそうだし年は若いけどどこかの冒険者?等級は?」
「あ いやその俺は冒険者じゃねぇんだ。残りの二人もな」
「へ?冒険者じゃ無い?アークデーモンなんて国家レベルの天災級の魔物を倒せるパーティが?ど どう言う事なの?」
「シグレ達は他の国から来て、この国のシステムを全く知らないみたいよ?シグレの国には冒険者ギルドも無いらしいし要は流れの冒険者って事ね」
「な 流れって普通低レベルなチンピラみたいな野党冒険者が多いのよ?滅多に高レベルな腕の立つ冒険者なんて居ないのよ?少なくとも私は聞いた事が無いわ」
リット副ギルド長はマジマジと俺を見つめた。
「ウリシュクが、かなわなかったあの天災級のアークデーモンをたった3人で倒したって言うの?」
「ま まぁよ実際に倒したのはデュランダルって言う奴で俺とシルファは、そ そのサポートしたって感じかな?」
実際にはデュランダルが切れて一撃で粉々にしちまったんだが、それじゃこのシグレアキラとシルファの説明が難しいので、そう言う事にした。
「し 信じられない…それでその他の二人は居ないの?」
「あ ああ今は二人共来れねぇんだ。会いてえなら、その内呼んでおくよ」
シルファもデュランダルも正確には俺一人で変わってるから同時に出て来る事は無理なので苦しいがウリシュクにした言い訳と同じ事をリットに俺は言った。
「そう言う事だから実力は申し分ないでしょ?残りの二人は後でいいからとりあえず今はこのシグレだけでもアマランの冒険者として登録してくれる?」
「そうねその話が本当だとしても…今はちょっと出来ないのよウリシュク…」
申し訳なさそうにリットはウリシュクにそう言った
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