第6話 アマランの街、冒険者ギルドへ(1)
街が見えて来ると、ぐるっと街を取囲む様な10~12m くらいの壁が街を取囲んでいる。恐らく森であった熊やら魔物やらの侵入を防いでいるのだろう。
衛星画像で見ると、この街は結構大きく王城の様な建物を中心に中世ヨーロッパの様な街並みが続く。
文化レベルは、あまり高そうではなかった。
ウリシュクの話からも、そんなに科学が進んでなさそうで、やはりバリバリのファンタジー世界なのだろうか?
「なんだ、お前達は?子供二人の旅なのか?保護者は居ないのか?居なきゃ街には入れんぞ?出直してこい」
すると人の行き交う門にたどり着いた俺達に門兵らしきおっさんが話しかけて来た。
受付をしないと街に入れないっぽいが、おこちゃま二人だ。
うむ疑われるのもしかたない。
はたから見たら子供だけで受付してる奴なんてまったく居ないしね。
門兵の人も仕事だ。身元の分からない人物を、ホイホイと街に入れる訳にはいかんだろう。
ホイホイと入れてたら犯罪者とか悪人も入り放題だ。
納得のいくセキュリティだよな。
ただ受付には100人以上は並んでるっぽい。こりゃ受付するだけでも相当時間かかるな…と覚悟した俺を尻目にウリシュクが、どんどん受付で並んでる人達を無視して列の先頭の受付で何かを記入してる門兵に話しかけた。
「入るわよ、あ この子は私の連れだから気にしないで」
「は?お前は何を言っている?子供だけで街に入れると思うなよ」
「さっきの門兵も、あなたも新人ね?見ない顔だし今の内に通さないと怒られるのは、あなたなんだけどね」
「勝手な事を言うんじゃない!詳しい事情は後で聞く!とにかく列に並んでろ!!お前の対応は、その時にしてやる!!」
「深淵の炎よ我が前に、その威力を示せ ファイアーボール」
ゴバン!
と熱風が吹き荒れると共にウリシュクと兵士の間に炎の塊が現れる
「ヒッ!?」
炎は炎柱となり3m程の火柱となってそびえ立った。
「き 貴様!!魔法使いか!?だ 誰か!!賊だ!!賊が出たぞ!!」
腰を抜かした受付の門兵は大声で他の訪問者の対応をしていた仲間を呼寄せる。
「ヒッ!?な なんだ!?」
「も 揉め事か!?」
「あ あれは魔法か!?」
並んでいた100人近くの訪問者達も、騒ぎ始める
「どうした!?何事か!?」
「あ!兵長!!こ この者が急に魔法を放って!!ぞ 賊です!!」
「なに!?…て、こ これはウリシュク殿!?」
「やっと知った顔が出て来たわね」
ヤレヤレと言った感じでウリシュクは5〜6人の兵士達と話し出した。どうやらトラブルは回避出来そうかな?
「へ 兵長?こ この子供を知っているのですか!?」
「はぁ…すまんなウリシュク殿こいつらは、この前入ったばかりの新人なんだ。慣らす為に街の訪問者の受付をさせていたんだが肝心な事を、教えてなかったよ、すまん」
「へ 兵長!?」
そう言うと40〜50代くらいの貫禄ある兵長と言われる男は、ウリシュクに頭を下げた。
「まぁいいわ次から気をつけてね」
そう言うとウリシュクは、俺に来い来いと、手招きをしてからさっさと街には入って行く
「へ 兵長!?あんなやばそうな魔法使い街に入れて良いんですか!?」
「良いもへったくれもあるか!あの人は冒険者だ!!しかも金級の超有名人だっての!!炎壊のウリシュクさんだよ!!お前も通り名くらいは聞いた事あんだろ!まぁ教えてなかった俺も悪かったが、あの人滅多に街に来ねえからさ。この前来たのは確か3年前だったか…まぁ次からは、あの顔良く覚えとくんだな。あの人怒らせたら街が一つ消し飛ぶからな肝に銘じておけ!!」
「ま 街が!?あ あんな子供がですか!?」
「見た目に、惑わされんな!ウリシュクさんはハーフエルフだ!ああ見えて俺らよりずっと年上なんだよ!!良く覚えておけよ!マジで!!失礼な事して、あの人の怒りを買ったら俺らの首くらい簡単に飛ぶんだ気をつけろ!!」
「ヒッ!わ 分かりました!!」
何やらウリシュクに対応した兵士が兵士長とやらのオッサンに、怒られてるが、もうちょっと遠いから聞こえないな。
まぁいいかと俺はウリシュクの後を、追った。
「まったくちょっと来ないと、すぐ私の顔忘れるんだから!これだから人間は嫌いなのよ!」
ウリシュクが文句を言った。
「並んで受付しなくても良いのか?お前は顔パスかも知れんが俺なんて素性の分からない人間何だしよマズイんじゃないか?」
「良いのよ私は金級冒険者なんだし貴族くらいの権限があるのよ?この街の領主とも知り合いだしね。そんな私が連れてる人間の事をとやかく言える人なんて、この街には居ないんだから安心して」
「へーお前もしかして偉いんだな?」
「そんなんじゃ無いわよアークデーモンの情報を得る為に、仕方無く冒険者として登録してたら色々な依頼受けさせられて、適当に、こなしてたらいつの間にか金級の称号受けちゃっただけ。まぁ勿論この姿の私で妖精の私じゃ無いわよ?」
「ふーん、じゃ俺の冒険者登録って奴も、それならすんなり出来そうだな」
「そうね私の口添えなら名前登録するくらいで冒険者登録は出来るはずよ。まぁ安心して良いわ」
うーむ何かフラグの様な気もするが、仕方が無いので俺はウリシュクの後を連いて行った。
アマランの街は、石畳の整頓された美しい街並みだ。
ドイツのローデンブルグの様な中世ヨーロッパを絵に描いた様なファンタジーな街だ。
大きな街で、ここだけで半径1~2kmは、ありそうな大きな都市って感じだ。
歩いている住人も西洋風の鎧を着た戦士やら、普通に武装した集団が歩いている。
住民は、人間ばかりだがドワーフとか亜人と言われる種族も稀に出合う事も、あるらしいが基本的に、この街は人間の街らしいので遭遇する事は少ないらしい。
「キョロキョロして珍しい?あなたの国の技術からしたら、こんな街、田舎なんじゃないの?」
「い いや珍しいって!こんな街入ったの初めてだしさ!感動したよ!」
まさにファンタジーな街に生で入れてる。VRゲームも真っ青な状況に、俺は凄い漫画の資料になるぞ!これは!!と感動して街並みに見とれていた。
「ふふ変な人ね確かにアマランは街としては中規模の大きさだけど良くある普通の人間の街よ?やっぱりあなた本当に違う国の人間なのね」
キョロキョロして珍しそうにしてる俺を見て少し呆れた様にウリシュクがそう言った。
「もう少しで冒険者ギルドの建物に着くから。ほらあの大きな建物がそうよ。キョロキョロしない!」
「おお!」
ウリシュクの指さした、その建物は周りの建物より首一つ抜きん出た大きさで、ひと際目立っていた。
建物は5階建ての中世ヨーロッパ風の堅牢そうでそれでいて調和のとれた美しい石造りの建物で周りから見てもとても目立っている。待ち合わせを、ここにすれば迷わずに済みそうな分かりやすい目立つ建物だ。
「それじゃ入ってさっさと、パーティ登録を済ませちゃいましょう」
そう言うと3mくらいある大きな扉を軽く開けてウリシュクは建物に入って行った。
ウリシュクの体格で、この大きな扉を開けるのは難しいと思うんだが、とても重そうな鉄製の扉だし下手したら1トンくらいありそうなんだが…
俺は恐る恐る扉に触れた。
「!?」
するとスウッと、扉が開く。
軽く力を入れただけで重そうな扉がまるでプラスチック製の扉の様に、スムーズに動かせた。
「か 軽いな!?何これ!?」
俺は驚いてウリシュクに尋ねた。
「やっぱりね。あなたなら簡単に開けられると思ったわ。この扉は魔力のある者しか開けられないのよ。普通の人間じゃ見た目通り、そのままの重さになってとても扉は開けられないのよ。まぁ防犯もかねてて面白い扉でしょ?」
クスッと、してやったりな得意顔でウリシュクがほほ笑んだ。相変わらず小憎らしいくらい可愛い笑顔だ。
「あらウリシュクが笑うなんて珍しい事も、あった物ね」
何か人とは違う妙な気配を出しながら一人の女性が近づいて来た。
「久しぶりねリット相変わらず、あなたは胡散臭いわね」
「あら数年ぶりだって言うのに、ご挨拶ね炎壊さん」
良く見るとウリシュクと同じに耳が尖っている。もしかしてエルフって奴!?
「初めまして少年…見てたけど、あなたあの扉を苦も無く開けた所を見ると年のわりに相当な魔力持ちね…耳は普通だけどひょっとして、あなたもハーフエルフ?」
「へ?いや俺は普通の人間だけど?」
「あらら、これは本当に珍しいわね。人間嫌いのウリシュクが人間と一緒に居るなんて…どう言う風の吹きまわしかしら?」
「う うるさいわね私にも色々あるのよ!そんな事より仕事の話よ別室に案内して」
「あらあら数年ぶりにギルドに帰って来たってのに、相変わらずねウリシュク。まぁあなたが来たら、それ以外の用事なんて、まず無いものね。はいはい分かってますよ」
「奴の肉体を滅ぼしたわ」
「え!?」
リットと言ったハーフエルフの表情が変わった。
「ま まさか!討伐したの!?」
「だから、その事を詳しく話すわ.。ギルド長は居る?」
「ギルマスは3日前から王城に行ってるのよ。いつもの遠征よ。だから多分一週間は帰って来ないから私がその件は報告を聞きます」
今まで少しふざけた態度だったリットは、見るからに豹変した真剣な表情を浮かべた。
「そう相変わらず忙しいのねギルマスは…まぁいいわ。報告と情報ならリットでも充分でしょ?じゃ行こうか」
「うんいつもの応接室に入ってて。10分くらいで私も行くから!」
そう言うと、慌ただしく部下らしい人物に
「緊急案件よ!依頼金級案件の報告が来たわ!急いで関係書類を集めて!」
「は はい!!」
「き 金級案件って嘘だろ!?」
「ここ2~3年じゃ初めてじゃないんですか!?」
「こりゃ急いで準備しないと!!」
見るからに、慌てだしたギルド職員らしき人間が全員で色々な方向に走り出した。
「な なんだ?こいつら殺気だってないか?」
「いいから、さあ私達は応接室に行くわよ」
そんな周りを気にせずさっさとウリシュクは大広間を出て廊下に行ってしまった。
慌てて俺はウリシュクの後を追った。
次回は土曜日(3月28日)0時に更新になります。
よろしくお願いします!(^^)
毎週、火曜日と土曜日の0時に更新しております。
覚えてもらえると嬉しいです!(^^)
良ければブクマや星を付けてもらえると、とても嬉しいです!
感想もお気軽に書いてもらえるとやる気が倍増します!
よろしくお願いします!(^^)




