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SOUL BREAKER (ソウルブレイカー) 〜転移した漫画家の最強異世界冒険譚〜  作者: 百屋敷レイ


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第66話 妖精の隠れ家

王子達が王都に着く数日前シグレ達は王子達に早く王都に着き過ぎて怪しまれぬ様に時間を潰す為、王都へ続くと言う街道を外れウリシュクの隠れ家と言う場所へ向かっていた。

街道を外れ道なき道をエアバイクがやっと通れる位の獣道を3km程進むと


「あ!ここよ!止めてシグレ!!」


何も無い森の手前でウリシュクが叫んだ。


「え?どこだ?何もねーけど?」

「フフフ、まぁ見てなさい」

[森よ扉を開けよ]


ウリシュクが謎の呪文を唱えると(翻訳されて意味は分かったけど)森が動き入口の様な空間が出来上がる。

丁度エアバイク1台分位のスペースが出来た。


「うおっ!?木が動いたぞ!?」

「あら?シグレでも驚く事があるのね♡フフフ安心して結界を解いただけだから、この乗り物位の入り口を造っただけ、さ、入って入って!」


そう言うと妖精サイズのウリシュクは、さっさと森の奥に飛んで行ってしまった。

俺もエアバイクを、ゆっくり動かし後に続いた。

すると中はかなり広く外とは何か別の雰囲気のある空間だと感じる。


「これは…異相空間魔術ですね!妖精族が森や泉に造り出せると言う空間魔術のたぐいですよ!話には聞いてましたが初めて見ましたよ!」

「あら、さすが5千年生きてるだけあるわねミリス。ルミティア様も、もしかして使ってたのかしら?」

「あ、いえ、前マスターとは、そう言う事もあったかも知れませんが我は見た事は、ありませんでした!知識で知っていただけです!しかしここは素晴らしい魔力を感じます!良い場所ですね!」

「妖精ならエルフと同じで、こういった隠れられる空間を森とか、泉、魔力の多い場所なら造れるのよ。他人を入れたのは初めてだけどね。人のサイズの家も造ってあるから楽にして、くつろいで良いわよ」


確かに小さめだが人間サイズの可愛らしい一軒家が奥の方に見える。

この空間は奥行き50m位あって境界線は、ぼんやりとしている。

多分あそこを超えると外に出ちゃうんだろうな。

大体野球場位の大きさがあるね。

東京ドーム1個分と、言った所かな。

それにしてもキラキラと7色の光が漂っていて本当に幻想的な所だ。

うん、美しいね。


「光が気になる?あれは光の精霊ウィルオーウィスプよ。珍しい客人を歓迎してくれてるわ。害は無いから安心して良いわよ?」


ウリシュクが説明してくれた。


「凄いな妖精ならみんなこんな空間が造れるのか?」

「ううん妖精でも一部の限られた魔力の高い妖精しか造れないわ。私みたいな王族なら魔力も高いし簡単だけどね」

「どうやって、あの建物とか造ったんだ?お前、材木持てる程、力無いだろ?」

「バカね浮遊魔法とか精霊に頼めば、そんなの簡単でしょ?特に、この空間内では私の魔力も上昇するから、あれぐらいの建物なら3日もあれば造れるわよ」

「ほえ〜便利だな、やっぱりウリシュクは大したもんだな!俺や、シルファ、デュランダルにだって、こんな空間は造れないしな!さすが炎壊の名は伊達じゃ無いな!」

「伊達じゃありませんね!!」


ミリスも同意してくれた。


「あのね、この空間造る位で、そんなにおだてないでよね!大体今の状況で炎壊の異名は関係無いでしょ!?」


そう言いつつも、ちょっと嬉しいのかウリシュクの頬が赤くなっている。

照れてますな、この妖精ちゃんは。


「じゃ、お言葉に甘えてのんびりしますか!お、そろそろ昼どきじゃん?ここは妖精の隠れ家特製の食事を奢ってもらいますか!」

「は?人用の食べ物なんて、ここには置いて無いわよ?ここは、あくまで私の一時しのぎ用の隠れ家だし必要な物しか置いて無いわよ?」

「えー?こう謎のハチミツとか虹色の団子とかファンタジー独特の食材期待してたのに無いんかいっ!!」

「あなたね…妖精に幻想を持ちすぎじゃないの!?私は只の一種族の普通の女子なのよ?無い物は無いわ!!」


うーむ、そう都合良くはいかない様だ。

妖精の食事なんて良い漫画の資料になったんだがな。


「シグレさん!我はシグレさんの出す料理が大好きです!お昼を所望します!!」

「そうよ、あんな美味しい物出せるんだから私なんかが用意しなくても大丈夫でしょ!さぁレオンさんに言って出して!早く!」

「ああ…結局それかよ…分かった分かった!じゃ、あの家で昼にしようか。テーブルと椅子は、あるよな?」

「ええ、一応人間が来ても良い様に3人分はベットもあるわよ?テーブルも椅子も、もちろんあるから。じゃ家に行きましょうか」


ん?待てよ、ここはウリシュク専用の隠れ家なのに何で人間サイズの家具とかあるんだ?

確か今までは魔力の消費が多いからあまり人間サイズには、ならなかったって言ってなかったか?

ウリシュクだけなら人間サイズの家具なんて必要無いだろうし…

そうか、いつか仲間が出来たら隠れ家に招き入れたかったんじゃないのか?人間を…

そんで初めて俺達を招き入れられたって事か…ウリシュク寂しかったんじゃないか?

仲間が居なくて。

そうでなければ人間サイズの家なんて用意する必要は無いしな。

そう思って俺とミリスの周りを飛んでるウリシュクの顔を見ると何だか本当に嬉しそうな顔をしている。

ここに来たのは、それだけで正解だったな、うんうん。


(カイエン視点)

ギルドから6騎の早馬を出し俺達6人は炎壊に追い付く為に早馬を飛ばした。

2日かけて王都へ続く街道を通り王都へ着いてしまった。

途中、商人や農民や低級冒険者に出会ったが結局ウリシュク達とは出会えなかった。


「着いてしまいましたな。恐らく炎壊達はもう王宮へ入っているのではないでしょうか?」


ゼルフィンが残念そうにカイエンに聞いた。


「うんにゃ、そんな訳あるまい!王都へ行くには我らの通って来た街道が一番の近道なんじゃ!早馬を、あれだけ飛ばして来たと言うのに何故出会えぬ!?別の道もあるが街道使うより通りにくいし何より時間を取られる程グネグネしとる道しか無いぞ!?冒険者がわざわざ、そんな非効率な場所使って王都に行く訳が無いし何故遭わんのじゃ!?」


マーリンが憤慨して文句を言った。


「あの…師匠、もしかして炎壊は何らかの移動手段を持っているのではないでしょうか?早馬より早い魔導具とかもしくはエルフの上位種が使用出来ると言われている転移が使えるのかも知れませんよ!?」

「あのなあトゥーリィよ転移は王宮魔術師が10人は居ないと発動出来ん超高等魔法なんじゃぞ?わしでも出来んのに、いくら炎壊とは言え単独で転移など出来る訳が無いわい!!現に4年前炎壊と話した時に本人から出来無いと聞いておるぞ!?」

「いえ、魔法使いは、おいそれと自らの手の内を明かしたりはしませんよ。単独で転移が出来るなどと知れ渡れば国に協力させられるのは明白です。隠しているのかも知れませんよ?大体あの悪魔王を倒せる位の実力をつけているんです。4年前は本当に出来なかったかも知れませんが力をつけた今ならば可能かも知れませんよ?何しろ彼女はエルフ何です。ありえると思いませんか?」

「クク…そう言えば、そうじゃな…もはやウリシュクの実力は、わしでも測りきれぬ…そうか転移されれば街道で出会えなかったのも納得出来るの」


なる程今のウリシュクの実力ならあり得る話だ。

そうなると非常にマズイ事だ。

用事を済ませば奴はまたさっさと、どこぞへ転移してしまうと言う事だ。

そんな事になれば我らでは追うのは不可能だ。

何としても王宮内で接触しなければならない。

王宮に戻る事に望みをかけて俺達は王都の入口に向かった。

早馬なので、この広い王都も早々に着く事が出来た。

2日、ほとんど寝ずに飛ばしたので馬はもう限界が来ているな。


「止まれ!何者だ貴様ら…と、こ、これは、カイエン様か!?マ、マーリン殿も、いらっしゃる!?し、失礼いたしました!!」


衛兵が構えていた槍を慌てて方向を変える。


「いや、驚かせてすまなかったな。早急な用事があり無礼を許せ、では馬をまかせる。無理をさせたので相当に疲れさせてしまっている。休ませてやってくれ」

「了解です!カイエン様!!…それで、やはりカイエン様もアハ様に会う為に、お急ぎで王城に来られたと言う訳ですな!!」


衛兵が良く分からない事を言った。

こんな時間から、まさか酔ってるのか?

アハ・イシュケーンとか…

この時俺は衛兵の言ってる意味が全く理解出来てなかった。

だが、この後、衝撃の事実を聞く事に、なる。

次回は10月24日(土曜日)の更新です!(^^)

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