第64話 驚愕の炎壊とパーティメンバー
「な、何と!そ、そんな者がウリシュクのパーティに居るのか!?」
「あ、そうねカイエンの認証待ちだったから書類持って来るわ。今日はもう出かけないならギルマスの部屋に持って行くけど、そしたらウリシュクの仲間の事も少しは分かるわよ」
「う、うむ出かけるかどうかは状況次第だが取り敢えず、すぐ持って来てくれ!」
「分かったよ、あ、お疲れ様、遠征はどうだったの?」
「ああ、それも詳しく話そうギルドの幹部もついでに呼んで来てくれ」
「了解、それじゃ…あ、エニグマ!久しぶりね!珍しいね、あなたがギルドに来るなんて」
「ああ、久しいなリット。我らのパーティが全員もう少ししたらここに集る。緊急案件だ、準備を頼む」
「え?うん今ギルドの幹部を集めてギルド長の部屋に集まるってカイエンに言ってた所だよ、じゃあ、あなた達もこのままカイエンと一緒にギルド長の部屋で集合で良いのね?」
「ああ、そうだ。よろしく頼む」
「わ、分かったわ、じゃ急いで幹部達も招集するわね!」
そうリットは走って来たのに息を切らしていないエニグマに感心しながら急ぎ足で受付を出て行った。
「カイエン様全員を置いて行くとはカイエン様らしくない。俺しかあなたの足の速さに、ついて来れなかったじゃないですか」
「フ…さすがだな全力の俺に少し遅れる程度で、ついて来れるとはな流星と言われる異名は伊達では無いなエニグマよ」
「それで炎壊は、ここに居るんですか?」
「いや、一歩遅かった様だが午前中まではアマランに居た様だ。リットなら行き先を知っているだろうし聞き出したらすぐ後を追うぞ」
「しかし炎壊め、あの悪魔王を滅ぼすとは…フフ、奴に会った金級の受領式の時より更に腕を上げた様ですな、これは会うのが楽しみになって来ましたな」
「いや、そんなレベルでは無いだろ。それが確認出来たら恐らくウリシュクは歴史上始まって以来の称号を与えられるだろうよ…」
「おお!それは金級の上の称号と言う事ですか!?確か金級以上の称号など無かったはず!?それは一体!?」
「詳細は、カイル達の依頼達成記録を、見てからになるがウリシュクは、それだけの偉業を達成した。しかも2つもだ奴は最早金級の称号では足りないだろう、弟、いや国王と相談し好きな名乗りを名乗らせる。フフ歴史上初の事案になるだろうよ楽しみだな」
「そ、それは一大事ですな!国中で大騒ぎになりますぞ?」
「フ…そう言った良い騒ぎならば大歓迎だろ?ここの所、遠征の失敗で国中が沈んでおったのだ喜ばしい事だ」
「フム、確かに国民には喜ばしい事ですな。それに我らにとっても、それ程強くなった炎壊が手伝ってくれるのならば守護者とも次こそは互角に立ち回れるやも知れませんしな!これは本当に喜ばしい事です」
あの感情を滅多に表さないオーガ族のエニグマが笑顔を作っただけでも、とんでも無いニュースだなとカイエンは思った。
確かに、これはエニグマが笑顔になる程の朗報だ。
しかし安心は出来ない。
ウリシュクはアークデーモンの事になると、どこだろうと行ってしまうのだ。
それがガセの情報だとしてもだ。
一度街を離れるとエルフなのもあって平気で奴は数年音沙汰が無くなってしまう。
すぐにでも後を追い捕まえておかねば、また数年遠征に参加させるチャンスが遠のいてしまうのだ。
特に今回は自分のパーティメンバーが次回の期限の半年後に参加出来ない事が分かっているのだ。
傷を癒し全快したら一週間後にも、また遠征に出たいと、カイエンは思っていた。
守護者を一人でも倒せるチャンスが、やって来ているのだ。
前にカイエンが若く全盛期だった頃に守護者を一人倒した時は2年も遠征を、よこさなくて良いと奴らから許可が出たのだ。
今のウリシュクが自分達のパーティに加わってくれれば恐らくチャンスがある。
ここ数十年来の好機なのだ。
これを逃してはならない…
するとギルド職員がエニグマの巨体を見て怯え始めている。
強者に慣れている、この上級冒険者用のギルドの受付人でもエニグマは特別だ。
その強者が醸し出す雰囲気や魔力量の高さを、ひしひしと感じ取っておるのだろう。
それにエニグマは見た目も怖いしな。
「すまんな皆、受付で騒いでしまって俺達は俺の部屋に行くから安心してくれ。少ししたら俺のパーティメンバーの残りもここに来ると思うから来たら俺の部屋に通す様にな」
「は、はい!ギルドマスター!了解しました!!」
そう言うと、俺達が奥に進むのを見て道を開けるギルド職員達。
怖がりながらも冷静さを保とうとして怯える表情を抑えている。
エニグマを前にして大した物だ。
さすがは上級ギルドの受付達だ。
俺も焦る気持ちを抑えて少し冷静になろうと心を落ち着かせる。
俺とエニグマがギルド長用の部屋に(自分の部屋)入ると少しして残りのメンバー達が部屋に通されて来た。
「酷いですぞ!カイエン様!老骨をいたわらないと罰が当たりますぞ!」
そう言ってヤレヤレと魔法使いのマーリンは部屋にあるソファーに腰を下ろした。
「クッ!エニグマ速いな!さすがにスピードでは追いつかんか!!」
女戦士のセリュードが息を乱して悔しそうにエニグマに、そう言った。
「修練が足らぬな。この程度のスピードで息を乱すとはな」
「う、うるさい!!」
そう言ってセリュードもソファーにドカッと座りこんだ。
「フ、セリュードも人間種としては、かなりの体力だと思うぞ?我らに比べオーガ族の肉体は元々造りが違うのだ。張り合うだけムダな事よ」
「フ、フン!!」
ゼルフィンにそう言われそっぽを向く
セリュード。
「も、もぅ!私の事も少しは考えて下さいね!皆様が本気で走られたら私では連いて行けないんですから!」
顔を真っ赤にして疲れを見せるトゥーリーもソファーに座る。
「うむ、全員そろったか。少し待てリットと幹部職員が悪魔王との依頼達成書と、インフィニティ探索成功の話をしに、すぐやって来る」
「なっ!?」
カイエンとエニグマ以外の4人が驚きを、あらわにした。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!カイエン坊!?今インフィニティ探索成功と…そ、そう言ったのか!?」
あまりの興奮にマーリンがつい素でカイエンに、そう問い正してしまう。
「マーリン落ち着け昔の癖が出ているぞ?リットから、さっき聞いてな間違いなさそうだ」
「い、いやこりゃすまぬな!し、しかしインフィニティとは、あのインフィニティ何じゃよな!?」
「インフィニティに他の案件など無い。宝剣インフィニティで、あってるよ」
「そ、それは本当か!?カイエン様!!あ、あの数百年、行方不明だった、あの伝説の剣がみ、見つかったと言うのか!?」
セリュードも驚愕している。
「し、信じられぬ…建国以来デュラリオン王国の人間なら誰しも知っておる伝説の剣ですぞ!?そ、その情報の信頼性は、どの程度の物なので!?ガセでは、ありませぬか!?」
「フ、リットからの情報がガセでは本国一の、このアマランのギルド自体の存在価値が問われるな。リットの情報に嘘など俺がギルド長に任命されてから30数年、一度も無いな。まず間違い無いと思って良い。今、詳細をリットに聞く所だがインフィニティの件はカイルと近衛騎士団からの依頼達成書が届かぬと詳細はまだ不明であるがな今日の午前中に炎壊自らがリットに報告を上げに来たそうだ。詳しくは炎壊に会って依頼報告書より直接聞きたい所だがな」
「おお!炎壊と会えそうなのですな!それは吉報!炎壊は街に滞在中なのですか?」
「いや、ゼルフィンそれもリットが来たら聞こうと思っておる所だよ、まぁ午前中にはアマランに居たのだ、そう遠くには行っておらんだろうよ」
「ほほう!それは楽しみですな!4年振りじゃなウリシュクめ、どれ程の使い手になっておるのか、この目で確かめないと、いけませんなフフ王国一の魔法使いの称号を譲る時が来たのかも知れませんな!悪魔王討伐でさえ国家レベルの偉業だと言うのに、そこに宝剣インフィニティの奪還ですぞ?これは本当に前例の無い超偉業達成じゃて!全く昔も凄かったが、あやつはどこまで強くなれば気が済むのじゃてな!」
驚愕しつつも、まるで弟子を思う師匠の様に柔らかい笑顔でマーリンは、そう言った。
「そ、それ程の使い手なのですね炎壊は!!で、では我らの遠征に参加して貰えれば相当な力になってくれますね!ぜひ会って勧誘せねばなりませんな!炎壊は今どこです!?宿屋に居るのであれば行って連れて来ますよ!!」
「いや待てセリュード。それもリットが知っておるよ。リットが来たら聞いてみるさ…うん、どうやら来た様だな」
カイエンが、そう言うやいなや、ギルド長の部屋のドアがノックされた
次回は10月17日(火曜日)に更新です!(^^)




