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SOUL BREAKER (ソウルブレイカー) 〜転移した漫画家の最強異世界冒険譚〜  作者: 百屋敷レイ


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第58話 届いた朗報

「フフフ、今の時代に存在されておられれば、ぜひ手合わせを願いたい物ですな」

「ほう、ゼルフィンの水神流剣術とアハ・イシュケーン様の剣技か。それは確かに興味あるな。まぁ敵わぬ事では、あるがな」

「もちろんですよカイエン様!何しろ五大英雄のカイエン様の、あの素晴らしい剣技の大元になられた技術の祖で、あらせられるのですから!」

「フン、いくら伝説の剣豪と言われるアハ・イシュケーン殿でも現代の剣聖で、あらされるカイエン様に、勝てるとは思えぬが我も、もしもその様な素晴らしい対決が見られるのであれば、興味はあるがな」

「ほう、そこだけは気が合うなゼルフィン。まあ、カイエン様の素晴らしさは、ここに居るメンバーなら身に染みて理解しているので当然ではあるか」

「そうよな、全員カイエン様と対決をして、こてんぱんにあって、軍門に下ったのだからのう」

「フッお主も、その一人であろうマーリン殿」

「ば、馬鹿め!エニグマよ!わしは魔法使いじゃ!魔術師が接近戦で剣士に勝てる訳が無いわい!ま、まあ対決させてくれと頼んだのは、わしじゃから文句を言うのは、お門違いじゃがのう」

「マーリンとは幼少の頃から模擬戦をしていたからな。前はマーリンの高速詠唱に追いつけず懐に入れなかったからな。今では、それすら遅く感じるのでな一対一では同程度の腕同士であれば間違いなく戦士や剣士などの近接職の方が有利だからな。まあ魔法使いの価値は別に一対一に、こだわる必要など無いと思うぞ?俺達では出来ない強力な攻撃が出来るのだ。個人個人の強い弱いなど魔法使いには、どうでも良かろう」

「それでも、わしは、カイエン様の師でもあるんじゃ!負けたら師として、カッコ悪いんじゃよ!」

「はぁ…師匠は国一番の魔法使い何ですよ?そんな子供みたいな事言わないで下さいよ」

「う、うるさいわいトゥーリー!!わしは子供の頃からカイエン様を知っておるのじゃ!!師は強いですね!と、ずっと言われたいの!!」

「何が、言われたいの!…ですか、全然可愛く無いですよ、むしろその年で、そんな事言われたら、キモイです…」

「トゥーリー…お前わしを、もう少し敬えよな…」

「敬ってます。なのでマーリン師匠は、良い年なんですから、もう少しオトナになって下さい!」

「敬ってないじゃん!?」


そのやり取りを見て一同に笑みがこぼれた。

マーリンは道化を演じる事で、いつもパーティに笑いをくれる。

ありがたい事だとカイエンは感謝していた。

しかし本当は結構、素の応対だったりするのだが…

それにしても今回の遠征は本当にどうしようも無かった。

過去数回の遠征の、どの戦いよりも勝機が無かった。

ゼルフィンの言う通り前回よりも奴らは強さが増していたのは間違いなかった。

自分達は老いて年々力が衰えていっていると言うのにだ。

このままでは人類は永遠に北に進出出来ない…

魅力ある天空の国や、エルフの王国、などの新大陸への交流がここ5百年、奴らのせいで閉ざされたままなのだ。

大陸の6つの国が、力を合わせて奴らを倒さねば我らの大陸に、これ以上の発展は望めないと言うのにデュラリオン王国以外の5つの国は、奴らに対する対策に本腰を入れて来ない。

何度も強者の収集を国を通じたりギルドを通して懇願しているのにだ。

理由は分かっている。

それは奴らを倒せる程の勇者が、どこの国にも少ないと言う事だ。

他国にも有名な戦士や魔法使いは居る。

金級の使い手も数名知っている。

しかし彼らが召集にここ数10年、応じる気配は、まったく無かった。

彼らは強者であり奴らと戦いたがっている者も居るのだが各国が、それを許さなかった。

国にとって英雄は国家の財産でもある。

もしも彼らの身に何かあれば国同士の力の均衡は崩れパワーバランスが大きく変わってしまう。

それを各国は恐れているのだ。


「はがゆいな…」


カイエンは、そんな現状を苦々しく思った。


「分かりますぞ、カイエン様。これだけ我がデュラリオン王国が、苦戦していると言うのに、各国はまるで素知らぬふりです。英雄を派遣するのを渋っておる理由は国々のパワーバランスでも考えているのでしょうな」


ずばりと、ゼルフィンがカイエンの考えを見抜いて、そう言った。

さすが若かりしの頃からの仲だ。

俺の考えを良く理解してくれる、とカイエンは感心してそう思った。


「何だと!?腰抜けどもめ!我がデュラリオン王国は国が門と接している為に、やむを得んとは言え人類の北への進出を阻止しようとしている奴らは各国にとって共通の敵のはずだろ!国の体裁など今は2の次にしなきゃならぬだろうが!!」


セリュードが憤慨してそう言った。


「…死にたくないのだろう今回は我らは奴らから見て、あまりに弱かったのだろうな明らかに見逃してもらった感じだ。それを互角くらいに持っていけたら奴らも本気を出しただろうな、そうすれば各国の英雄とて無事ではすまぬ。恐らく死人も出る。各国はそれを恐れているのだろうよ。オーガにとっては戦いの中で死ねる事は最高の喜びなのだがな。やはり人族は腰抜けが多い」


呆れ顔で、オーガの戦士エニグマがそう言った。


「何だと!?人間を馬鹿にするか!?エニグマ!何なら私が相手になるぞ!!」

「ほう?お前とは一度本気で戦って見たかったのだ。やるなら受けて立つぞセリュードよ」

「よさぬか!狭い馬車の中で何度もケンカするなセリュード気持ちは分かるが各国の力関係を気にする気持ちも弟が王なだけに分かってしまうのも事実だ。当面は各国の援護は、あてにせず我がデュラリオン王国の強者のみで対応せざるおえんのが現状だ。次回は1年後ぐらいに遠征を行う。少し対策を練らねば、また今回の二の舞いだ。それではまた数百年人類は門を越えられぬ。皆も良い考えか有望な戦士でもおれば、紹介して欲しい所だ」

「え!?カイエン様!?1年は長すぎますよ?せめて半年後に挑戦しなければ奴らはきっと国に侵攻して来てしまいますよ!?」

「うーむ、それはセリュードの言う通りですなカイエン様。敗北続きとは言え門に挑戦している者がおると奴らに認識させておるから奴らはあえて門から動かんのじゃからのう。もしも1年も間を空ければ必ず門の守護者達は近場の国このデュラリオン王国を滅ぼしにかかりますぞ?奴らは、そう言う存在なのです」


マーリンが、珍しく真剣に話した。


「そんな事は分かっている。しかしもはや手が無いのも事実だ。恐らく奴らの事だ今回と同じメンバーで参加すれば必ず数名殺して見せしめにするだろう俺は、このパーティの誰か一人でも死ぬのは許せないんだ…」

「うっ!?た…確かに奴らならば、あり得ますな…奴らは強者にしか、その重きを置いておりませんしな…だが現状、我ら以上の使い手など話は戻ってしまいますが金級の3人を何とか説得するしか手はないかと思います。我が道場の若手でも有望な者も少しは居ますが、この遠征に参加するには、やはり腕が足りぬ者しかおりません…残念ですが…冒険者仲間では、誰ぞ居ないのか?セリュードよ」

「い、いや銀級で、見込みのありそうな戦士は居ない事もないが、やはり私達と比べてしまうと全く力不足だ。とてもこのレベルの戦いに、ついて来れるとは思えんよゼルフィン」

「そうじゃのう魔法使いで見込みのあるのは近衛騎士団に今は所属のテム・ラリウス、エリス・タナフィー…それぐらいしかのう、しかし、この二人でもちと、この戦いに参加するには実力が足りてないのう。エニグマの弟子には有望な者は、おらんのか?」

「フッ、マーリンよ俺の弟子も強い奴は居るが、やはりこの戦いに参加するには、まだ10年は修練が足りんな。足手まといにしか現状はならんな」


マーリンも、エニグマも強者にはやはり宛がなかった。

しかし何とかしなければ、あの恐ろしい守護者達が国に攻めて来てしまう。

それを防ぐ為に、また短いスパンで挑戦したとしたら今度こそ、ここの誰かが殺されてしまうだろう。

カイエンにとっても大切な友人では、あるがそれ以上に、ここに居るメンバーは国に欠かせない実力者だ。

他の国では無いがデュラリオン王国の抑止力にも、なっている彼らを失う事は国益を大きく損なってしまうと言う事でもあるのだ。

どうしようも無い、この悩みにカイエンは頭を抱えるしか無かった。

まさに八方塞がりの状況だった。

その時、前列を走っていた使用人が馬車を横付けしてカイエンに報告を入れた。

それは、その場に居た国の猛者達とカイエン本人にとっても驚愕の報告だった。

それは、


「金級の炎壊、見事かの森の魔王を討伐に成功」


その知らせが伝書鳩にて、先程届いたのだった。

次回は9月26日(土曜日)の更新です!(^^)

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