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SOUL BREAKER (ソウルブレイカー) 〜転移した漫画家の最強異世界冒険譚〜  作者: 百屋敷レイ


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第55話 それぞれの帰路

俺がミリス達のやり取りに見入っていると


「シグレ、王女から頼まれてるんだけど明日で良いからシルファさん呼んで来れない?」


ウリシュクが少し申し訳なさそうに、そう言って来た。


「へ?王女がウリシュクに?そりゃまた何の用だ?」


あのバカ王女が何故接点の無さそうなシルファに用が?


「あのさ、転移魔法を私がやった様に見せたじゃない?あれをさ光魔法だってしつこいのよ…さんざん断ったんだけど、どうしても光魔法で…なんかね母様の病気を治してほしいって言われちゃったのよ…」

「え?王女の母様って…もしかしてお妃様なんじゃないの?」

「うん、その通り。確かに、ここ数年病気で公の場に出てこないって噂は聞いてたけど本当だったみたい」

「病気か…それってシルファでも治せるのかな?」

「シルファさんの治癒魔法なら、もしかしたらって思ってるのよ。普通は治癒魔法じゃ外傷は治せても病気や呪いなんかは治せないのよ。それらは医者や呪術士の専門だからね。でもシルファさんの治癒魔法って見た事も聞いた事も無いわ。アンデッドまで蘇生しちゃったし私達の魔法の常識を覆してしまえる魔法だったわ。私にも対魔魔法を教えてくれるって話だし、そんな事まで出来るオールラウンダーな魔法使い何て聞いた事無いもの。だからもしかしたらって思って王女には返答を待ってもらってるのよ」

「なる程な。王女は好きじゃないけどカイルは良い奴だしな。カイルの母さんな訳でもあるしな。ちょっと聞いてみるよ」

「うん、よろしくね」


ウリシュクは、ちょっとホッとしてる。

まぁ王女の無茶振りに困ってたんだろうな。


[て、事だけど、どうよ?シルファ?]

[うん聞いてた。ここの治癒士じゃ病気は治せないみたいだね。私の世界では状態異常なんかもヒールで治るし、ちょっと魔法の系態が、やっぱり違うみたい]

[呪いなんかも治せそうか?]

[うーん、どうだろ、状態異常に近い分類だと思うけど、まぁ多分大丈夫だと思う。私のヒールは状態を健康な時の身体に戻すのは得意だからね。最悪、時間を戻せば、その人を健康な時の状態に出来ると思うし問題無いよ]

[え!?お前、時間操れんの!?]

[フフフ、私の世界では、それは常識。ゲームやり込んでないホマレじゃ知らないのも当然]


自慢げにシルファがマウント取って来たよおい。

そりゃシルファのデザインした時に設定は読み込んだけど漫画家が、そんな時間取られるMMOのゲームなんて、やり込めないしうーむ、しかし何か負けた気がして、ちょっと悔しいな…


[フフン!ホマレの知らない私っ!]


あ、俺が悔しがってるのを知って、ちょっと良い気になってますがな、この娘っ子は…


「ど、どうなの?シルファさん何て言ってる?」


心配そうにウリシュクが、そう聞いて来た。


「うん、呪いとかは、ちょっとやってみないと分からんらしいけど、病気なら多分大丈夫って言ってる。まあもし治してみてダメだったら期待持たせた分がっかりさせちゃうからさ、やるだけやってみるって言っといてくれ」

「う、うん、そうよね、常識的に考えて高司祭級でも治せない病気らしいしね分かったわ、うまく言って納得してもらうよ」

「俺から言ってやろうか?」

「いいよ 私のが王族と話慣れてるからシグレじゃケンカになっちゃうでしょ?あなた王女嫌いみたいだしね。すぐ顔に出るのは治した方が今後、会話する事も増えるでしょうし練習しないとね足元見透かされるよ?」

「は?貴族と会話?何でだ?面倒くさいのはお断りだぞ?」

「まぁ、これだけ実力知られちゃったんだから、すり寄って来る貴族やらは増えちゃうんでしょうね。冒険者って一般人には人気の職業だけど貴族何かの特権階級からは、どうしても粗野で乱暴者ってイメージが根強いのよ。でも金級クラスの冒険者は王族とも付き合いがあるからコネを作ろうってのが貴族からしたら一般的なのよね。私も金級になってからは、つまらない誘いが多くて困ってるのよ。あなたもすぐに分かるわ」

「はぁ?俺はまだ駆け出しで冒険者登録も出来てねぇ新人だぞ?そんな訳ねーだろ」

「バカね、新人の駆け出しが竜を倒せる訳無いでしょ?多分シグレなら初登録で最低でも銀級もしかしたら初登録で金級になるなんて事もあるかもね。聞いた事無いけど」

「そんなバカな、あの程度で甘すぎだろ?」

「そんな事無いわ。あなただって私より強いでしょ?ありえる事よ」


うーん確かにウリシュクは強いけど多分本気で戦えば俺が勝つだろうな。

まぁ仲間と戦う気なんてさらさら無いけどな。


「フ、シグレ殿にも弱点があるのだな」


すると俺達の後ろで会話を聞いていたアハが話しかけて来た。


「何だよ、クソッ、そりゃお前は貴族とかと話すの慣れてんだろうけどよ」

「いや まったく。むしろ話した事など無いな。俺は生涯、冒険者だったしな」

「はぁ?お前カイルの先祖だろ?王族じゃないのかよ?」

「フン、知らん。我らイシュケーン族は流浪の民だった。国や貴族などには縛られぬよ。なので、会った事もない」

「えー?そうなのか?」

「うむ、なのでいかにして五百年、我が一族が国を作ったのか興味があるのだ。今ならば王族や貴族と会話をするのも、やぶさかではないよ」


まぁ自分の子孫が作ったって言う国だから、きっと親近感が湧いてるんだろうな。

アハの気持ちも多少分かる気もするけど。


「では、帰投しましょう!アハ様行きましょう!」


カイル王子が、とっても嬉しそうにそう言った。


「はは、分かった分かった。では行こう、シグレ殿に、その仲間達よ」

「私は、ウリシュク。この子はミリスよ。アハ・イシュケーンさんよろしくね」

「ミリスです!よろしくです!!」


二人がアハに挨拶をした。


「うむ、シグレアキラ殿と女神の仲間ならば俺にとっては恩人だ。何かあれば命をかけてお前達を守ると誓おう!よろしくお願いする!!」

「はは、頼もしいな、ま、これからよろしくなアハ」

「うむ、よろしくだ!シグレアキラ殿!!」


うーん、凄いキラキラした目でアハが俺達を見てるよ。

ちょと前までは殺す気満々でしたよね?あなた?ま、まぁいいか、すんだ事をグチグチ思うのはシグレアキラのキャラじゃねぇしな!

…ん?そう言えばミリスのゴーレムまだ船に戻してないのか?


「どうしたんだミリス、ゴーレム転送しないのか?」

「え?いえ、我の判断でゴーレム体を戻しても良いのですか?」

「え?別に良いだろ?レオンがダメとか言ったのか?」

「い、いえ勝手にシグレさんの所有物であるゴーレム体を戻すのは下僕としての権限では無いと…」

「え?別に良いよ出す時も別に俺の許可とか今後もいらないしミリスが必要だと思ったらお前の判断で出し入れすれば良いじゃん?」

「へ?よ、良いのですか?」

「うん。全然大丈夫。あ、ただし迷惑になる様な事はするなよ?街中で急に出すとか暴れるのは無しな!」

「は、はい!ありがとうございます!シグレさん!!」

「じゃ、しまっちゃえよゴーレム。レオンに言ってさ」

「りょ、了解です!!ではレオンさん転送をお願いします!」

[了解しました。では、召喚っぽく派手に演出して転送しますね!]

「え!?ちょ、ちょと待っ…」


俺が言うよりも先にゴーレムは派手な七色の光に包まれて最後にカッ!!と、よりいっそうの輝きをはなち、転送されて行った。

あれじゃまた、光魔法だの何だのって誤解を生むだろ!


「し、信じれない、あんな小さな子まで光魔法を…あ、あのミリスって子まで使えるのね…炎壊のパーティは、ど、どうなってるのよ…」


テムが、その光景に驚いてるよね、うん、だよね!


「や、やっぱり炎壊のパーティメンバーならお母様を…」


王女が今の光に感動している。


「ア、アハ様、今のはやはり光魔法なのでしょうか?」

「カイルと言ったか?俺でも光魔法など生涯見た事などなかったが、あのシグレアキラ殿の仲間だ。恐らくそうなのだろうよ」

「そ、そうですか!これは…フフ宝剣以外にも大きな収穫が出来ましたよ!」


カイル王子まで、目をキラキラさせてしまってますよ!?

誤解120%だよっ!


[フフフ、どうでした?召喚魔法っぽかったですか?]


自慢げに、レオンが、そう聞いて来たので、


[うん、ま、まぁ良いんじゃない?]


と、当たり障りなく答えておいた。

まぁやり過ぎだけど考えてみたら今更だしな。

レオンも悪気がある訳じゃ無いし気にするのは、やめておこうと俺は半ば諦めてアマランの街への帰途に同行した。

次回は9月15日(火曜日)に更新です!(^^)

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