第41話 カイル王子との出会い
「すまんな、シグレアキラにミリス。もっと団員に、お前達の事をきちんと伝えていなかった私の落ち度だ。非礼を詫びよう」
この人は、本当に良い人だな。
魂を見ても本当に反省してる感じだ。
この人は冒険者に偏見は無さそうだ。
「シグレ、王宮の貴族や騎士は、こんな物よ冒険者を底辺の職業って思ってるから、いちいち気にしてたら、しょうがないわよ」
今のやり取りを見てたウリシュクが呆れて俺に言った。
「誰だろうと、仲間に危害を向ける奴は容赦しねぇさ。でもまぁお前には立場上迷惑かけたな、すまねえなウリシュク」
するとクスッと、ウリシュクは笑って
「あら?あなたでも、素直に謝る事、出来るのね」
「へっ俺だって子供じゃねぇんだ理解してるっての!」
「大人は自分の事を、子供、子供って言わないのよ?だからまだ子供よ」
いや、俺って本当に29才の大人何だけど…
そりゃ見た目は、こんなガキだけどな!
「私は、冒険者でも尊敬に値する人物は、そう思っている。偏見などくだらぬ事だ。不快な思いをさせて、すまなかったが、そろそろ本題に入るとする。今回の依頼は半年前からカイエン様に依頼としてギルドに提出していた案件なのだ」
ケンプ隊長が、謝りつつも今回の依頼について説明を始めた。
「ギルドマスター直属に?やっぱり面倒くさそうな依頼ね」
「フッそう言ってくれるなウリシュク殿。これは公には出来ない案件ではあるが、国家の悲願でもあるのだ。宝剣インフィニティの話は聞いた事あるだろう?」
「え?ああ前の戦争で、確か五百年前に伝説の龍族に、取られたとか奪われたとかって言う宝剣インフィニティの話ね。もちろん知ってるけど、それが?」
「インフィニティは竜の魔窟に存在する。それが最近判明したのだ」
「なんですって!?あれって只の、おとぎ話じゃなかったの!?」
「事実よ師匠…王宮魔術師長のマーリン様の占術が、ついにインフィニティの、ある場所を示したのよ。間違い無い、インフィニティは竜の魔窟のどこかに存在するんだから!!」
ケンプ隊長の後ろに控えていた、テムと言うウリシュクに絡んで来た感じの悪い女性が、発言をする。
ちなみに、このテントは結構広めで、畳12畳位は、ありそうだ。
そこにケンプ隊長、テム、そして女性の神官らしき人物。
護衛の騎士が二人居る。
相手方は、五人テーブルを挟んで俺達と、対峙しているが、座ってるのはケンプ隊長とテムだけで、残りの三人はその後ろに、少し離れて立哨している。
「なる程ね…アハ・イシュケーンの話は只のおとぎ話と、思ってたんだけど本当にあった事だったのね」
「ああ、その通りだウリシュク殿。龍族に五百年前に国宝インフィニティを奪われた王国は、この五百年ずっと探していたのだ。だが見つける事は出来なかった。いくら探しても手掛かりすら、無かったのだ。なので国も半ば諦めていた所に、この情報が分かり真偽を確かめる為にマーリン王宮魔術師長に占星術を使ってもらい調べてもらった所、なんと反応があったのだ。これは由々しき事態なのだ」
「なる程ね。それを秘密裏に回収する為に、こんなコソコソした依頼を頼んだのね?でもだったら、何で王子が居るの?竜の魔窟は有名な高レベル帯の魔物の生息地なのよ?そんな所に、王家の人間を連れて来る意味が分からないわ」
「お前はただ、護衛をしていれば良いんだ。くだらぬ詮索は死を招くぞ?冒険者ごときが!」
またテムとか言う奴が、ウリシュクに絡んで来る。
本当にやな奴だな。
そろそろ、シグレアキラもキレそうだぞ?
これ以上煽られると止めらんねぇっての!
やめとけ!アホ女!!
「よさないか!テム!ウリシュク殿は、金級冒険者だ!彼女は王公認の実力者なのだぞ!それを侮辱する事は、王への背信行為と、みなすぞ!!これ以上の無礼は、俺も許さんぞ!!」
「しかし!兄様!!」
「二度は言わん!分かったな!!」
「…了解です隊長…」
渋々テムは、黙り込んだ。
うん、それが良いよ!
危うくシグレアキラが暴れ出す所だっての!
もぉやめろよな、まったく…
「王子を、お連れしたのには、事情があるのだ。宝剣インフィニティは、王家の人間にしか触れる事が出来ぬと、伝承にはあるのだ。なのでカイル王子が同行してくれたのだ」
「ふーん王様を連れて来る訳にはいかないし第一王子も次の国王筆頭だろうし、だから第二王子の派遣ね…なる程理解したわ」
そうか悪く言えば王家の中でも比較的に重要な位置にいない立場の第二王子を派遣したって事か。
「カイル王子も貧乏くじを引かされた物ね」
「ぶ、無礼な!」
黙れと言ったのにテムが、また発言してる。
しかし他の騎士達も、憮然とした表情だ。
テムに同意しているのだろう。
「はは、それがそうでも無いのだ。王子は、剣の天才でな、その腕は14才のお年とは思えぬ逸材でな。王宮では、カイエン様の再来と、言われている程でな。常日頃から、インフィニティは自分が取り戻すと言うのが口癖な程、インフィニティには執着されていてな、この話を聞くやいなや率先して国宝の奪還隊を編成される程なのだ」
「へぇ王子そこまで腕を上げたのね。四年前でも結構強かったものね。王家の人間にしては、大した物だわ」
「はは、今の不敬は聞かなかった事にするよ。だが、王子の前では、その様な発言は慎む様にお願いする」
「分かった分かった、でも話を戻すけど、竜の魔窟って言っても広大な広さよ?宛もなく探したって絶対見つかりっこないわよ?」
「うむ、それなら安心してくれ我らには、このマーリン殿より預かった魔導具が、あるのでな」
そう言うと、ケンプ隊長は懐から菱形の、ペンダント状のクリスタルの様なアクセサリーを取り出した。
「そ、それってまさか国宝の賢者の石!?」
「さすがだウリシュク殿、良く知っているな」
「なる程、国の本気度が感じられるわね。そんな物まで用意するなんて…分かったわ。それなら一週間もかからずにたどり着けそうね」
「うむ、理解した様だな。では準備を整えて30分後には出発をする。各自準備を怠らぬ様にな。ウリシュク殿達も、よろしく頼む。では解散とする!」
「ははっ!!」
ケンプ隊長の号令で、テントに居た騎士達も慌ただしく外に出て行った。
俺達も、外に出て彼らとは少し離れた場所で休憩に入る。
しかし俺は疑問に思ってた事を、ウリシュクに聞いた。
「あのさ、さっきのペンダントって何なの?」
「ああ、あれは国宝の魔導具で探し物を高確率で探し出す事の出来るって魔導具よ。使うには魔力がいるけど事前に、マーリンが魔力を入れてたみたいね。だから魔力がない人でも、あれを持っていれば探し物まで案内してくれるって言う夢の魔導具よ。私も欲しいくらいよ。あれがあればアークデーモンに奪われた私達の宝も、取り返すのが容易になるからね」
「はぁ そりゃ便利だな。そんな魔導具も、あるんだな」
「まぁあなたの持ってる数々の魔導具も引けを取らないと思う程、価値は高いけどね」
うーむ確かに、エアバイクとか3Dマップは便利だが、探し物を探し出せるとかの機能は無いしね。
さすがは、ファンタジー世界だ。
科学を凌駕してるね。
「シグレアキラと言ったか!お前14才らしいな!俺と同い年ではないか!どうだ?一戦やってみぬか?炎壊のパーティの剣士であって従者では無いそうではないか!なら強いんだろう?ぜひ立ち会って欲しいぞ!!」
「王子!いけません!!冒険者などに声をかけては!!」
お供の騎士が止めに入る。
「ばかめ!俺は強い者が好きだ!ウリシュクは、金級の冒険者で国でも有名な実力者だ!そのパーティの剣士が弱いはずがなかろう!なあに只の模擬戦だ。お互い探索前だ、こ奴の腕が見たいだけだ!お主らも、不安何だろ?この様な少年で我らの護衛を出来るのかとな!」
王子にそう言われると、騎士達は確かにと、言って後ずさった。
え?止めないんかい!
あ、でもマズイ、シグレアキラの魂が、そう言っている。
売られたケンカは買うって!
ああ、それで正解何だけどキャラとしては!
でも相手は王子だぞ!面倒な事に絶対なるって!!…しかし俺は
「へぇあんた王子って割に威勢が良いじゃねーか。てっきり守られるだけのお飾りだと思ってたぜ?」
うん。
シグレアキラとしては、このセリフで正解だけどもっ!口から勝手に言葉が出ちゃうよ!
「フハハハ!さすが金級パーティの戦士よな!そんな事王宮では、絶対に言われないぞ!こちらこそ気に入ったぞシグレとやら!!」
「貴様!不敬であるぞ!!」
周りの騎士達が、一斉に殺気立った。
「良い!公の場でもないのだ!それに今は、俺は一介の戦士として探索に加わっておるのだ!不問である!!」
「し、しかし殿下!!」
「俺の言う事が聞けんのか?」
「うっ!?」
騎士達は気圧されて、そのまま黙り込んで
しまった。
あれ?
この感じ、もしかして王子様、強キャラ?
「木剣を、持って参れ!確か2〜3本、持って来ておったろ?」
「い、いえしかし殿下!」
「いいから、お渡ししろ何かあれば俺が責任を持つ」
なんとケンプ隊長が模擬戦を、勧めて来たよ!
おいおい一国の王子だろ?
どうなってんだ、この騎士達は…
これは受けざるおえないかな…
シグレアキラ本人はやる気満々だし。
面倒な事に絶対なるだろこれ…
次回は7月28日(火曜日)に更新です!(^^)




