第37話 ルフレ達からのお礼
登録も無事(?)すんで、俺達はギルドを出た。
シルファとデュランダルの召喚時間(分身魔法の残り時間)も残り10分を切ってしまったので、俺達は宿屋に行って二人の召喚を解く事にする。
何せ出現時も消える時も、ちょっと派手なエフェクトが出てしまうので、人目を避ける為に宿屋の部屋に俺達は戻った。
「それじゃウリシュクにミリス私達は元の場所に戻る」
「おう、いつでもこまったら俺を呼べ。ザコどもなんぞ一掃してやっからよ!」
「バカトカゲ分身…召喚魔法は1日に何度も使えないし今日はもう無理。あんまり適当な事を言うと焼きトカゲにする」
「ああ!?誰が焼きトカゲだ!このクソエルフィン!!やるならやるぞ!!」
「はいはい、仲が良いのは分かったから、二人共お疲れ。さっさと帰って良いから」
「仲良くない!」
「仲良くねぇ!!」
二人の文句が狭い部屋に、こだまを残して二人は消えていった。消える寸前にウリシュクが二人にお礼を言っていたし名残惜しそうだが厳密には、俺を通して二人は居るんだけどね俺の中に。
俺の見た物や感じた事は共通してるから全然お別れではないんだけど、そこは秘密なので、しょうがない。
二人を戻した後、俺達は約束してた「夕暮れ亭」に向かう事にした。
街の中央辺りに夕暮れ亭はあり宿屋も兼ねているみたいで結構大きめのレストラン…いや居酒屋って感じの所だ。
大きめの扉を開けると、酒臭い匂いと賑やかな声が飛び込んで来る。
食事をする所は広くて体育館位あるか。
人も2〜30人が酒を飲んだり、談笑していて賑やかな感じだ。俺もシグレアキラも、こういう雰囲気は嫌いじゃないので悪くない。
「相変わらず騒がしい所ね…」
ウリシュクは、あまりこういった所は好きでは無さそうだな。
「あ!シグレさん!!こっち!こっちですよ!!」
ルフレが大きめの声で、俺達に声をかけた。
とっても嬉しそうだ。
窓際の大きめのテーブルに、6人パーティですでに盛り上がっていた。
ルフレのパーティメンバー全員そろってて楽しそうだ。
「炎壊さん!お待ちしておりましたよ!!」
「炎壊さんに、シグレ君!やっと来たね!!」
「良く来た」
「まあくつろいで、好きな物注文してくれ、奢るぜ」
各々が俺達を歓迎してくれている。
皆、心から迎えてくれてるのが分かる。
それと少し恐れを感じる。
人の魂は正直だ。
シグレアキラの特性で心が見える感じだ。
恐れは、まぁアンデッドとかゴーレムを倒した俺達へのちょっとした強さへの恐れ
何だろう。
それよりも尊敬の色が強い。
まぁ命を助けたってのが彼らからしたら、大きいんだろう。
恐れながらも敬まってくれてるってイメージだ。
シグレアキラからしたら、大した事をしたイメージは無いんだけどウリシュクにしても彼らにしても、この世界の人達は義理堅い人間が多いな。
まぁ人によるんだろうけど、ウリシュクに絡んだアホな連中だっていたしな。
まぁこの人達は、良い人っぽいけどね。
「良かった来てくれないかと思ったよ。命を救われて、足りるとは思えんが少しでも借りを返したかったんだ。勿論俺達の出来る事なら今後何でも頼んでくれて、構わない。炎壊のパーティに、俺達が力添え出来る事など正直ありそうも無いが、情報や何かあれば言ってくれ。助力は惜しまない」
リーダーのイングディが、そう言ってくれた。
「そうね あなた達じゃ私達の敵に太刀打ち出来そうにないけど、情報はありがたいわ。ギルドの情報以外にも個別の冒険者の情報があったら、教えてくれれば、助かるわね」
素っ気なくウリシュクが、そう言った。
冷たい態度に見えるが、ウリシュクの魂は、温かい色を感じる。
多分こういう集まりに、慣れてないので、冷静を装いつつも、嬉しいって所かな。
本当に、こいつはツンデレ属性が強いな。
「な 何よ?ニヤニヤして」
「いいや別にな」
そんなウリシュクが、面白くて笑いがこみ上げて来て、さらにニヤニヤしながら俺がそう言うと、舌を「べっ!」と出してそっぽを向いた。
その仕草が本当に可愛い。
キュートすぎるだろ…このロリコンキラーめ!おっと俺には、ダメージは軽微だがな!
「それじゃまず、お酒よねエール10杯追加よね!」
「あ 私、お酒は苦手だからブドウジュースで。シグレも同じで良いよね」
「あ ああ同じで良いぜ」
「あら?シグレ君は…14才…だったっけ?なら慣れてないのは分かるけど、炎壊さんはエルフだし、お酒は大丈夫ですよね?遠慮なさらず注文して下さい!」
チャチャと言う魔法使いの女性が俺達に、そう言った。
「所で、その子はパーティメンバー…なんですよね?」
チャチャが俺の横で、ちょこんと座ってるミリスを見て、そう尋ねた。
「はい!我はパーティメンバーのミリスと申します!以後お見知りおきを!!」
元気よく、ミリスが自己紹介をした。
「ふぇ〜嘘!君も炎壊さんのパーティメンバーなの?そう言えばゴーレム出した時も、副ギルド長と炎壊さんと何か話し込んでたわよね?ミリス…ちゃん歳はいくつ?」
キャロルと言う弓使いの女性がミリスに聞いた。
「5千…いえ14才です!」
本当の年齢を言いそうになって照らし合わてた他人に聞かれたら14才と、言えと教えておいた事を思い出してミリスは訂正した。
危ないなコイツは…まぁ本当の年齢を言った所で信じては、もらえないだろうけどね。
「あらら もっと下かと思ってたよ炎壊さんより小さいし、じゃあシグレ君と同い年ね」
「はい!!」
俺と同い年と言われて、ミリスは何故か嬉しそうに返事した。
「遠慮とかじゃなくて本当に苦手だからブドウジュースで頼んで」
「え?あ、は はい、それじゃ料理はどうします?適当に頼んじゃって良いですか?多めに頼みますので嫌いな料理があったら言って下さい」
「特にないから、それで良いわ」
「分かりました!ちょっと!注文よろしく!!」
「はあーい!」
と、言ってウエイトレスっぽい女性が注文を取りに来て、キャロルとチャチャが、あれこれ注文している。
「いや 本当に助かったよ危うく全滅する所だった。本当に恩に着る。命を救われたよ」
パーティリーダーのイングディが、改めて俺達に、お礼を述べる。
「私は正直乗り気じゃなかったのに、シグレが行こうって言うから仕方無く付き合っただけ。お礼ならシグレに言ってよね」
「え!そうだったの?サンキュー!シグレ君!じゃあ、あなたのおかげで私達は助かったのね!!」
そう言ってキャロルが抱きついて来た。
うわ、ちょっと嬉しい!
「鼻の舌が伸びてるわよ…」
ウリシュクのジト目攻撃を、くらってしまったので、やんわりとキャロルを引き剥がして
「だからさ、大した事ねぇって、リッチも謝ってたしな。なんかあいつ誰かに命令されて魂を集める為に、人間を襲ってたって言ってたから、リッチの意思で、あんたらを襲ってたんじゃ、ないみたいだったからさ、もう人間を襲わないって約束したし大丈夫だと思うぜ?」
「何!?それは本当か!?」
イングディが驚いて、そう尋ねた。
「ああ、リッチ本人が、そう言ってたからなもう人は襲わねぇだろ」
「い、いやそこも驚いたが、誰かに命令されていたとは…どう言う事だ?あのリッチを従える存在が、い 居ると言う事をなのか!?」
「え?うーんそうだな、そいつが一番悪い奴なんだろうな。気になるなら聞いとけば良かったかな?」
「って言うか、シグレ君魔物の言葉が分かるの?」
「あ、え、えーとな」
マズった。
翻訳機の事は、理解出来ないだろうし、なんて説明しよう…
「違うわよ、リッチが共通語で命乞いして来たのよ。リッチも元人間なんだし共通語位喋れるでしょ」
俺がドギマギしてると、ウリシュクがフォローを入れてくれた。
た 助かった。
さすがウリシュク空気の読める子だ!
「な なる程、確かにリッチは、ハイマジシャンが時を重ねて呪われた力を得て、リッチになると聞いた事がある。死霊語以外も喋れるのは納得だな」
ウックと言うシーフの男性が、そう言った。
何とか誤魔化せたみたいだ。
ウリシュクには感謝だな。
「でもさ、あのリッチが命乞いして来るなんて…さ、さすが金級パーティね常軌を逸してる…」
「まさしく…」
「ああ…」
「とんでもないな…」
ルフレのパーティ全員が、感心して頷いている。
彼らからしたら、あいつらもきっと脅威の存在だったんだろうが、俺からしたら
アークデーモンに比べたら大した事無かったので、ちょっと認識のギャップがある。
どうやら、このシグレアキラもデュランダルや、シルファ程ではないが、この世界の冒険者の中では、結構強い方なのかも知れない。
それなら死ぬ可能性も低くなるし、まぁ一安心と言った所かな。
油断は禁物では、あるけどね
次回は7月14日(火曜日)の更新です!(^^)




