第32話 ルフレ達との再会(1)
「シグレさん!無事だったんですね!!良かった!!心配してたんですよ!!」
ルフレはまた半泣き状態だ。
相変わらず泣き虫だな。
まぁ芯は強い子なのは、知ってるけどね。
「ウリシュク!!無事だったのね!!」
すると冒険者ギルドの副ギルドマスターの
エルフのリットも、俺達に近づきウリシュクに抱きついて来た。
「へ?何?アンデッドの事は、ルフレ達が報告してくれたんでしょ?無事って何?」
鬱陶しそうに、リットを引き剥がしながら
ウリシュクが尋ねる。
「アンデッドの事は、勿論報告した。しかし凄まじい戦闘の気配を感じて、これは只事では無いと思い、今居た冒険者で徒党を組み援護に向かおうと門の前で集合していた所だ」
するとルフレ達のパーティリーダー、イングディが俺達に、近寄って来て説明してくれた。
「ああ もしかして我との戦闘の事ではないでしょうか?」
ミリスが小声で俺とウリシュクに耳打ちする。
「ああ マズイな多分そうだ。結構派手に戦ったから騒ぎになってるな…どうしよう…」
「うん まぁ任せて私がうまく説明するからシグレとミリスは、私に調子を合わせといて」
「へ?そ そうか?じゃあ任せる」
「お願いします!」
俺とミリスは、説明をウリシュクに任せて、
静観する事にする。
「それでドラゴンはどうしたの!?街に向かってないでしょうね!?」
リットがウリシュクに詰め寄った。
「ド ドラゴン?そんな物とは、戦って無いわよ!!」
ウリシュクが抗議する。
「だ だってイングディ達から、そう聞いたわよ!?」
「はあ?あんた達、何て報告したのよ?」
「い いやドラゴン相当の相手と、炎壊達が戦ってると、報告したまでだ。それぐらいの規模の戦闘の気配を感じたのでな」
イングディが弁解する。
「そうよ、そうよ!大気が震えてたもの!!」
「ああ 地鳴りも凄かった。恐らく巨大な何かとの戦闘としか考えられん。なのでドラゴンかとな…」
「うんうん、上空での魔法の爆発も感じたわ!大規模な戦闘で間違い無いでしょ!?」
「うむ。恐ろしい気配だった…」
イングディのパーティメンバーもイングディに同意した。
「ああ あれはね、もう倒したから気にしないで大丈夫よ」
「え!?た 倒したの!?ウリシュクあなたド、ドラゴンを!?」
リットがさらに詰め寄って来る。
「違う違う あれは大岩のゴーレムよ。黄泉の沼地のほら、目印になってた、あの大岩よ。あれがいきなり復活して、私達に襲って来たのよ。で それをシグレが倒したの。多分その時の戦闘を感じたんでしょうね」
「お 大岩のゴーレムの事!?う 嘘!あれって死んでたんじゃないの!?私がギルドに来た100年間、動いたって言う報告なんて無かったのよ!?」
リットが驚愕している。
「ううん 仮死状態だっただけみたいね。暴れたんで私とシグレ、そしてそこのミリスで、奴を倒したわ。だからもう安心して良いから」
「た 倒したって、あのゴーレムの大岩って20mは立てばあるでしょ!?そんな物を倒したの!?たった三人で!?」
「あ まぁシグレが倒したんだけど、あそこに居る、ミリスも手伝っってくれたのよ。それで倒せたの」
「おい!副ギルド長!!もう出発しないのか!?」
「そうだ!炎壊がヤバイんだろ?うちの金級を失う訳にゃいかねーだろ!」
「おうよ!ド ドラゴンだろうが、この人数で援護すれば、な 何とかなんだろ!」
「ああ!見捨てる訳には、いかねーだろ!尻まくっった日には、このアマランのギルドが他のギルドに、笑われるってもんだ!」
「そうだ!そうだ!!」
「微力ながら、私達も援護しますよ!」
2〜30人の冒険者が、やる気満々でリットに詰め寄る。
中には10代半ば位の、駆け出しっぽい冒険者も居る。
何だか、初めに絡まれたりして、嫌な印象があるギルドだったけど、良い奴も多いんだな。
相手がドラゴンかも知れないってのに、命がけで助けようとしてくれてる。
基本、粗暴で荒くれ者が多いけど、仲間の危機には、命をかける気概があるみたいだ。
何だ.本当に良い奴らじゃないか
(ちなみにウリシュクに絡んだ、連中は居なかったが)
「ちょっとみんな落ち着いて!今、炎壊に聞いたら、その相手はもう討伐したみたいだから、この緊急クエストは、終わりよ!みんなありがとう、解散して良いから!」
リットが、なだめる様に、そう説明する。
「はあ?炎壊ってどこに居るんだよ?まさかそこのチビ達じゃないだろうな?」
「いや この人が炎壊だ。間違い無い。俺達をアンデッドの群れから助けてくれた。そして少年も炎壊のパーティメンバーだ。もう一人の少女は知らんが、恐らく仲間なんだろう」
イングディが、他の冒険者に説明を、してくれる。
「な 何ぃ!?こ このガキが炎壊だと!?」
「う 嘘!?まだ子供じゃない!?」
「エ エルフって話しだから、リットさん位の姿だって思ってたけど、こ こんな少女だなんて…」
「う 嘘だろ!?俺は身長2mはある、オーガのメスみたいな、いかつい姿だって聞いたぞ!?」
「し 信じられん!!」
ザワザワと、皆ウリシュクの容姿を見て、勝手な事を言っている。
あ マズイ、ウリシュク少し切れてる。
このままでは、実力を見せるとか言ってまた魔法撃ちそう
「ガッハッハ!アホ共、この方がウリシュクさん、炎壊で間違い無いわい!!あまり失礼が過ぎると丸焦げにされても知らんぞ!!」
「ええ!?ほ 本当ですかいガイルさん!!」
「う 嘘、やっぱあの子が炎壊みたいだぞ!?」
「あ あんな少女が!?信じられん!!」
「で でもガイルさんが、そう言うんだ間違いねーだろ…」
ガイルの一言で冒険者達は、ウリシュクを炎壊だと認めた様だ。
さすがはベテランギルド職員である。
「でもよ、そ その人が炎壊なのは、まあエルフみたいだし少女の姿なのも、納得はするよ。だがドラゴンは、ヤバイだろ?倒したんなら現場に行って、確認した方が良いだろ。もし生きてて街にでも来ちまったら、被害は相当なもんになっちまうぜ?」
戦士風の30代位のフルプレートの男がリットにそう尋ねた。
まあ確かに確認はしたいよな。
ドラゴンみたいな物が、まだ生きてて、
襲って来るなら気が気でないだろうしな。
「そ そうねウリシュク、そのゴーレムじゃあ,あそこの大岩の所で倒したの?なら確認の為に、誰かに行かせるけど、それか討伐した証拠とかあるかしら?」
リットが、ウリシュクに問いかける。
ギルドの長が居ない今、リットがギルドの代表だ。
確認したいのは、当然だな。
街やギルドの冒険者達の、命にかかわる様な事だしな。
「それじゃ今から、その倒したゴーレムを召喚魔法で、ここに出すから全員ちょっと後ろに下がってて」
「え!?ウ ウリシュク召喚魔法なんて使えたの!?」
リットが驚いてウリシュクに詰め寄った。
「ま まぁね、ここ数年で覚えたのよ、じゃ出すからリットも離れてて」
「う うん、わ…分かったわ…」
リットも納得はして無いみたいだが、言われた通りにウリシュクから離れる。
するとウリシュクが、俺に目で合図をしてくる。
なる程ね。
タイミング良くゴーレムの残骸を出せって事ね。
俺は了解の意味で少しうなずいて見せると、ウリシュクはニコッと笑ってリット達の方へ向き直す。
「それじゃ今から倒したゴーレムを、ここに出すけどゴーレムは動く事は無いから全員、驚いて攻撃とかしないでね。素材に傷がついたら弁償させるからね!」
「え ええ分かったわ。みんな驚いて攻撃とかは、控える様にね!今から炎壊が倒したゴーレムを出すって言うから見守る様に!!」
リットが冒険者達に注意を促す。
「な 何だって!?今ゴーレムを、出すって言ったのか!?」
「ど どう言う事!?」
「嘘だろ!?もしかして、黄泉の沼地の目印になってた大岩か!?あ あれって大昔に死んだんじゃねぇのかよ!?」
「しょ 召喚魔法だって!?そんなの初めて見るぞ!?」
ザワザワと冒険者や、ギルド職員まで騒ぎ始める。
「それじゃ出すわよ、召喚!!」
騒ぎを無視して、ウリシュクが叫ぶと同時に俺がレオンに、合図を出してウリシュクの少し手前、10m程の所にゴーレムの残骸を転移させた。
すると
ズズーーン!!
と、言う振動と共にゴーレムが出現する。
「なぁ!?」
「うおおっ!!」
「ひえっ!!」
「ゲゲッ!!」
「デ デケェ!!」
冒険者や、ギルド職員の驚きの悲鳴や驚嘆した声が街の入口に響く。
それもそのはずであった。
眼の前には20m位の人型のゴーレムが現れたのだ。
…あれ?
ゴーレム何故か直って…
立ってるよ!?
確かこいつ真っ二つにして倒れた時、腕やら足やらがもげてたはずだが、これじゃ残骸とは全く言えないよ!俺の剣の後も少し残ってるけど、ほぼ直っとりますがな!!
どうなってんの!?
次回は6月27日(土曜日)更新です!
よろしくお願いします!(^^)




