第30話 ウリシュクの秘密(1)
「そんじゃ忘れ物ねぇな?出発するぞ!」
俺は3Dナビを、起動する。
ブインと、音が鳴ると同時に立体的に地図が浮き上がり現在地を、赤い点で、しめしてくれる。
「こ これは地図の魔法ですか!?す 素晴らしい!!古代魔法…ハイエシントですね!!」
「そうなのよ♡見てて、これをこうすると今居る所から拡大出来て、この辺りの全容まで表示されちゃうんだから♡」
ウリシュクが何故か、自慢げにミリスに説明している。
まぁいいけど。
しかし初めは自分も驚いてたくせに、もう
慣れたものだ。
「そんじゃ、このバイクは基本一人乗りだから、定員オーバーだけど補助シート出すからルフレよりミリスは小柄だし大丈夫だな」
ルフレの時と同じに、シートを拡張させて
3人乗り仕様にシートを変形させる。
「それじゃシグレの後ろは、私でミリスは
私の後ろね」
「あ はい!」
「しっかり捕まってるのよ?振り落とされないようにね!」
そう言ってウリシュクが、ミリスの身体にも
シートベルトを巻いてあげる。
「そんじゃ行くか!」
「うん!シグレ発進!!」
「お お願いします!!」
ミリスがウリシュクに、しっかりと抱きつき
ウリシュクは、俺にしっかりと抱きつく。
ウリシュクの身体の柔らかさが背中越しに
感じられる。
密着してるから当然だ…が…
俺とウリシュクは、行きもこんな感じで密着して来た訳だが、行きはルフレの仲間を助ける事に集中してたので気づかなかったが、これはちょっとマズイんじゃないか?
「シグレってやっぱりちょっと、いやらしいよね…」
呆れた口調でウリシュクが、そう言った。
「いやいや、ちょっと待てっての!!行きもこんな感じだったけど、お前だって何も文句言わなかったじゃ、ねーかっての!!」
「だ、だってあの時は、ルフレの仲間の事が心配で、それ所じゃなかったからよ!男子と女子が、こんなにくっつくのは、ハ ハレンチな事よ!!」
「ハレンチって…いつの時代の、お方だ、お前は…」
ああ160才だったか、ならしょうがない(?)のか?
「でしたら我が真ん中に入りましょうか?」
「ダメよミリス!あなたも年頃の女の子なんだから恥じらいを持ちなさい!!」
「いえ我は、ゴーレムでして、この身体も、仮そめの物ですから、そう言った人同士の感情は、ありませんので大丈夫ですよ!」
「大丈夫じゃねぇ!!思春期なめんなよ!!俺が気にするっての!!」
「ええっと…それじゃ我は降りましょうか?走って着いて行きますよ?」
「…ダメよ仲間になった子に、そんな酷い仕打ちは出来ないわ…し 仕方無いわね、ミリス約束してね、これは絶対に他言しないって!」
「え?あ、はい!シグレさんの仲間である、ウリシュクさんはマスターの次に優先順位が高い存在ですので、そのご命令は厳守いたしますよ!」
「うん…じゃ変身解除するから驚かないでね」
「え?いいのか?ウリシュク?」
「ええ、この子も大事な戦力だし、仲間になったからには、私も知っておいてもらった方が良いでしょ?長い付き合いに、なりそうだし早い内に知っておいてもらった方が良さそうだしね」
リットにも正体を明かしてない程、自分が妖精だと言う事を隠してるのに…よっぽどウリシュクの優先順位が、アークデーモンを倒すと言う事に比重が高いのだろうな。
それでアークデーモンと戦えそうなミリスを戦力として重視したのだろう。
でもそれって悲しいな。
仇討ちに人生の全部を、かけちまってるってのも…気持ちは分かるけど…
「変身解除!」
ウリシュクが、そう言うと、その身体が光に包まれる。
次の瞬間ウリシュクは、元の妖精の姿に戻った。
「!? こ これは!?」
ミリスが驚いている。
まぁそうだろうな。
「驚かしてごめんね…これが、私の正体なの」
「そ そうでしたか!あなたはハイフェアリー族でしたか!いやお懐かしい!!もしやルミティア様の一族ですか?」
「え!?そ それって御先祖様の名前よ!?フルネームは!?」
「ルミティア・ル・ティタニア妖精王です!」
「ええ!?そ それって私の、ひいお婆さんよ!?し…知ってるの!?」
「はい!5千年前の魔導大戦の時に、我が軍勢に力を借していただいた同志ですよ!!あなたの様に人化も出来まして、それはもう物凄い魔法で我らの大きな助けになっていただきましたよ!!」
そう言って興奮気味に、ミリスが話した。
何だか表情がうれしそうだ。
「嘘…確かに、お母様から、ひいお婆様が昔、大きな戦争に参加して勝利を収めたって、小さな時から何度も聞かされてたけど…あ…あなた本当に、ひいお婆様と会った事があるの?」
「はい!我は、マスターの魔導具なのでルミティア様と直接会話をした事は、ありませんがマスターとルミティア様は仲がよろしくて、良くお二人で魔法の、お話をされてましたよ!」
「そ そうなの?ひいお婆様が…人間と仲良く…信じられない…」
「あ いえマスターは龍族でして、人間族では、ありませんよ?」
「え!?龍族って…で 伝説の種族じゃない!?ド ドラゴンと、ひいお婆様は仲良かったの!?」
「はい!正確にはマスターも人化出来ますので、お互い人化して良く談笑されておりました!」
「う うんティタニアの一族は王家とごく一部の妖精に人化の魔法が使える才能を持った者が居るのよ…王族なら人化出来るのは、当り前なの…間違いなく、その方は私のひいお婆様ね…」
「いやぁ!まさかルミティア様の、御子息に出会えるとは…これも何かの縁ですね!よろしくお願いします!ウリシュクさん!!」
「そ そうね!何だか私のが驚いちゃったけど、これからもよろしくねミリス!!」
「はい!!」
何とミリスは、ウリシュクのひいお婆さんに会った事が、あるらしい!
なんと言う偶然。
こんな出会いがあるなんて運命って面白いな。
しかしちょっと気になるワードが直々出てるんで、ここはやはり聞いておいた方が良いかな。
「あのさウリシュクって王族なのか?ひいお婆さんが王族なんだったら、その子孫の、お前もそう言う事だろ?」
「はい!ルミティア様は妖精族の女王でしたから間違い無いですね!」
ウリシュクではなく、ミリスが俺に答えた。
「…そうね、まぁミリスが、ひいお婆様を知っていた訳だし隠しても、しょうが無いわね…」
「あ いや言いたくなきゃ、いいんだけどさ直々それっぽいワードが出てたからさ、少し気になったんだ。まぁ人には秘密にしたい事は、あるからさ嫌なら言わんでも良いぜ?」
うん俺も色々とウリシュクには、秘密にしまくってるしね。
「いえシグレには命を助けてもらったし、ミリスは大事な戦力で仲間だしね…二人には知っておいてもらった方が良いよね…」
ウリシュクは真剣な表情をして
「二人共信じてはいるけど、一応念を押しておくね。この事は他言しないでね?只でさえ妖精族は、珍しくて魔法の貴重な素材になるから、狙われやすいのに、それが王族なんて分かったら嫌な付加価値が付いて私の価値が跳ね上がっちゃうから絶対内緒にしてね…」
「お おう約束するぜ!」
「はい!厳守いたします!!」
「…ありがとう二人共…私は、この大陸の妖精族の王家ティタニア族の第一王女ウリシュク・ル・ティタニア がフルネームになるわ」
「おお!ルミティア・ル・ティタニアとルミティア様も、おっしゃっておりました!間違いありませんね!!」
「おお!マジかよ!」
「うん ついでに言うとシグレは、もう知っているけどミリスにも教えておくね。私の最大の目的は、私達を滅ぼしたアークデーモンを倒す事なの」
「え!?あの強力な魔法を使う、ルミティア様が倒されたのですか!?」
「ああ違うの、ひいお婆様は、その時すでに寿命で亡くなってたの。100年前アークデーモンに、国を襲われた時は、私のお母様が女王だったの。私はひいお婆様の事は、話で聞いた事があるだけで、お会いした事は無いけど、ここ数千年で、ひいお婆様以上の実力のある妖精は、居なかったらしいわ。お母様も相当な実力者だったけど、多分ひいお婆様には及ばなかったと思うわ。本人も、そう言ってたしね…」
「お前の母さんって、お前より強かったのか?」
「うん強かった、多分今の私で何とか戦ったら互角になるくらい…いえやっぱり、まだ母様の方が強いと思うわ…」
「そ そうなのか…じゃあ母さん相当な実力者だったんだな…」
「うん…強かったよ大陸一の実力者だって、みんな言ってた…でもアークデーモンには敵わなかった…あいつは強すぎるのよ…」
「アークデーモンには対魔魔法は通じなかったんでしょうか?」
「え!?何それ!?そんな魔法があるの!?」
「はいデーモンやデビルの類は物理攻撃が効きにくいので、マスターが奴らと戦う際は、良く使用されておりましたよ?」
「え!?嘘!?そ そんな魔法があるなんて…な、なんて魔法!?」
「はい、メルトキルティングや、デーモンイレイザーですね。確かルミティア様もメルトキルティングはお使いに、なられておりましたよ?」
「え!?そ そんな魔法、母様だって使えないのに!!」
「ああメルトキルティングは、古代魔法の中でも上位の魔法なので、かなりの魔力が無いと使えません。恐らくウリシュクさんの母様は、知っていたとしても使えなかったのでは無いでしょうか?」
「そ そうよね使えてたら、あんな状況の中で、とっくに使ってたでしょうしね…うん実力が母様でも、及んで無かったみたいね…悔しいな、その魔法を使えてたら国が滅ぶ事なんて無かったのに…」
ウリシュクが本当に、悔しそうな表情をしてる。
そりゃそうだろうな。
次回は6月20日(火曜日)に更新です!(^^)
よろしくお願いします!




