第28話 シルファ、ゴーレムを治す
「そんじゃアマランへ帰るか。レオンバイク出してくれ」
「了解しました」
するとエアバイクが、俺達の少し手前2m
くらいの所に光と共に出現した。
「おお!こ これはアーティファクトですか!?見た所乗り物の様ですが!」
ゴーレムが目をキラキラさせて、エアバイクを珍しそうに見てペタペタと触りだした。
「エンジンとか触るとヤケドするから気をつけろよゴーレム」
「熱っ!!」
「ああ!ほら言わんこっちゃねぇな!」
ゴーレムの小さい手が少し赤くなっっている。
「す すいませんマスター!」
「たく しょうがねぇな、どれ手を見せて見ろよ」
良く見ると少し水ぶくれみたいに、なっていた。
結構なヤケドだろこれ。
「あなたゴーレムなのにヤケドするの?」
不思議そうにウリシュクがゴーレムに聞いた。
「この身体で居る時は、人間族の身体となんら変わりません。斬られれば血が出ますし首を、はねられれば我は死にませんが、この身体は機能が停止して二度と使用出来なくなります」
「そんな事より、そのヤケド早く治さねーと。ウリシュク、ルフレみたいにヒール使えたっけ?」
「無理。私は魔法使いだから僧侶の治癒魔法なんて使えないわ。そうね、確かヤケドに効く薬草を少し持ってた気が…」
そう言うとウリシュクはポーチを、ゴソゴソと物色しだした。
「あ…ごめん切らしてたわ…」
申し訳なさそうにウリシュクが、ゴーレムに謝罪する。
「いえ!大丈夫です!少しヒリヒリしますが、この程度3日も経てば痛みは、引くでしょう!」
それにしても思ったより酷いヤケドだ。
見ていて痛々しい。
バイクに救急箱とか、あったかな…
「ホマレ私に変われば、あれくらいすぐヒールで治せる」
シルファが、俺に話しかけて来た。
「え?そりゃシルファなら治せるだろうけど今シグレと変わるのはマズイだろ?」
「大丈夫、私に考えがある。シグレは召喚と言ってくれれば良い。後は私から、うまく説明する」
「え?何それ?どう言う事だ?」
「いいから早く治す、かわいそう」
「あ おお そうだよな良し分かったよ」
俺はシルファの言う通り
「召喚」
と、言って手をかざした。
「!?」
すると光と共にシルファが現れた。
「うわ!?何!?だ 誰!?」
「うわわっ!ビ ビックリしました!!」
ウリシュクとゴーレムが驚いてる。
まぁ無理もない、だって俺だってビックリしてるんだし
「ありがとうシグレ。おかげで転移出来た」
シルファが俺にウインクする。
「え?あ お おう!どうって事ねぇよ!」
とりあえずシルファに合わせて、おいたが
何だ?なぜだ?シルファは俺が憑依しないと
出て来れっこ無いのに、なんで出て来れてんだ!?
「ははーん、うまくやりやがったな、あの女。ありゃ奴の分身魔法だな」
デュランダルが感心して、そう答えた。
ぶ 分身魔法!?あ!そ そう言えばシルファの設定の中に確かに、あった気がするな!
シルファは漫画家の俺が、たまにあるゲーム会社からのキャラクターデザインを頼まれる依頼で俺がデザインしたキャラクターだ。
頼まれたからには徹底して、そのキャラの設定、生い立ち、趣味など色々きちんと聞いてそのキャラを完全に把握してから、デザインをした。
もちろんどんな魔法を使うかも、その時点で使用出来る、シルファの魔法は全て覚えている。
ただし裏設定や、MMOの進行などで追加される様なスキルや魔法は、残念ながら把握していない。
「分身って言うと、もしかしてイリュージョンボディか!?短時間、自分と同じ分身体を4体制作出来、その4人で同時に魔法を放つ事が出来るって奴か!た 確か分身体でも実体があるって言う、あれかよ!!」
「そう。でも少し違う。4人を1人にしてるから時間は普通1分位しか分身を維持出来ない所を1時間は、これなら維持出来る。ただし本体じゃないから力は十分の一くらいにしかならない」
シルファが説明してくれた。
ちなみにデュランダルとシルファの会話は念話なので俺にしか聞こえてない。
「私はシルファ。シグレのパーティメンバー。シグレから話は聞いてる。ウリシュクとゴーレムよろしく」
「え!?あ あなたがシグレの言っていたシルファって魔法使い!?」
「そう」
相変わらず淡白な対応だ。
シルファは、基本無口で会話が苦手だ。
必要な事以外あまり喋らないので会話も単語並べただけって感じが多いキャラだ。
「あ!先程はどうも!通信で話されておられたシルファさんですよね?」
「うん それより手を出して」
「え?あ は、はい」
ゴーレムはシルファに言われるまま手を出した。
するとシルファの手から金色の光が見えたと思ったら、それはすぐに無くなった。
「はい終わり。もう大丈夫」
「え!?あ あれ!?痛みが無くなって…ええ!?き 傷が治ってますよ!!」
「う 嘘!?今詠唱しなかったわ!?む 無詠唱!?」
ゴーレムとウリシュクが驚いている。
「あ ありがとうございますシルファさん!あなた僧侶だったんですね!」
「ん?いや そう言う訳じゃ無い。ヒールは只の私の下級魔法の一つで、君の言う僧侶とは違う」
「ヒ ヒールが下級魔法!?そんな馬鹿な!一般的にはヒールが上級魔法って言われてるのよ!?そ それにしても、あなた…そ その魔力量シ シグレの10倍はあるわ!?な…何者なの!?」
「ん?種族はエルフィン。只の魔法戦士」
「エル…フィン?聞いた事の無い種族だけど…あ あなたのその耳、エ エルフなのは間違いないと思うけど、そ その身体全体から溢れる魔力に…ふ 雰囲気は…も もしかしてハイエルフなんじゃない!?」
「ハイエルフか、うんまぁそうだなシルファはエルフの最上位種で全てのエルフの王とか言われてるエルフィン族の生き残りだ。ハイエルフってのも近いかな」
「エ エルフの王!?シ シルファさん王族なの!?」
「えーと確か王女だったよなシルファ。で、妹を探して旅してる」
と、言うゲームの設定だった。
「そ そうか!あなたの国ではハイエルフの事をエルフィンって呼んでるのね!?国や場所によっては、呼び名が様々だって聞いた事があるわ!」
「ああ そうだなハイエルフって事で多分,間違っちゃいねーかな」
「うんシグレの言う通り、滅んだ国の私は王女だった。滅んだ時にはぐれてしまった妹を探している…それであってる」
設定を覚えてくれた事が、嬉しかったのか無表情なシルファが少し笑顔になっている気がした。
「そ そうなのね…妹さんを…それに国が滅びたのね…まさかあなたの国もアークデーモンに!?」
「ん?違う戦争で滅んだ。アークデーモンは関係無い」
「そ そお…でも気持ちは凄く良く分かるよシルファさん!くじけず生きていきましょうね!!」
何故かウリシュクが凄くシルファに同意している。
いや国が滅んだってゲーム内の設定なんだけどね…
「う うん、ありがとう」
シルファもそれが分かっていて淡々と自分の設定を説明しただけなのでウリシュクの対応に少し戸惑っている。
「それにしても凄いですね!我の時代でも、あなたの様な凄い魔力を持ったエルフは見た事無いですよ!ハイエルフは滅んだと聞いてましたので会えて光栄です!!シルファさん!!」
目をキラキラさせて、ゴーレムがシルファを見つめた。
「そ そうよ普通一般的にエルフって言ったらリットみたいなハーフエルフの事を言うのよ?純粋な人の血が入ってないエルフ何て、もうこの世界には居ないと思われてるわ…は 初めて会ったわハイエルフになんて…」
なる程、この世界にはエルフの上位種であるハイエルフは滅んでいるのか。
リット副ギルド長みたいなハーフエルフを普通、総称でエルフと呼んでいるのか。
なる程なる程…ん?
じゃあシルファがハイエルフってのは、もしかして目立ってマズイのか?
「そ それよりシルファさんどうやって、ここに来たんですか?レオンさんの転移魔法ですか?」
ゴーレムがシルファに尋ねる。
「違う レオンの転移魔法は遠くに居ると使えない。これはシグレアキラの召喚魔法を私の魔力と波長を合わせて応用した特別な転移魔法。この魔法ならどんなに遠くに居ても、駆けつける事が出来る」
「あ!さっきシグレが召喚って言ってた、あれね!」
「あ うん そうだな」
嘘八百である。
レオンは恒星間航行用の宇宙船なので、下手したら違う星にだって転移が出来る。
たった一つの惑星位なら星のどこだろうとスキャンしてれば転移は可能だ。
「す 凄い!遠くに居ても転移出来るなんて!これは画期的な魔法ですよ!!」
ウリシュクが興奮して驚いている。
「うん 便利。でもデメリットもある。この召喚は魔力をかなり使うし、制限もある。1時間もしたら元の場所に強制的に戻される。タイムリミットがある」
ああ、なる程。
シルファの分身魔法の持続時間だな。
うまくすり合わせたな。
さすがシルファだ。
「そ そうなんですね…じゃあ1時間したらシルファさん戻ってしまうんですね…」
ウリシュクが残念そうに言った。
嘘八百だが、うまくごまかせた様だ。
ゴーレムも納得してる感じだ。
ウンウンとうなずいてるし。
しかし良く考えたな。
さすがエルフィン族の中でも頭脳明晰と設定には書いてあったし、頼りになる子だ。
それに口下手なのに、がんばって会話してる。
偉いぞ!シルファ!!
「いやお父さんか、お前は…」
デュランダルのツッコミが聞こえた気がするが気のせいだろう。
次回はゴーレムの命名とそのキャライラストを添付予定です!更新は6月13日(土曜日)を予定しております!(^^)




