第24話 動き出した巨人
ルフレ達と別れた俺達は、あのゴーレムの大岩のある場所まで戻っていた。
「このゴーレムの大岩は昔から、この場所にあるって話ね私がアマランに来た60年前から普通にこの黄泉の沼地に、こうやって存在してるわ。只の岩に見えるけど目立つから、ここの良い目印になっていて、冒険者や旅人の、この沼地の起点として役立ってはいるわね」
「なる程ね。まぁ見た目もう只の大きな岩にしか見えねぇしな…」
シグレアキラの鉱石に魂を感じる能力を持ってしても確かに、かすかな魂のカケラを感じるだけで只の大岩としての認識の方が自然な見解と思える…思えるんだが何かが引っかかる。
俺はシグレアキラの鉱石を感じとれる能力をフルに使い(と言っても、そんな物は設定上の物で実際良く本当は分からないんだが)
大岩に触れてみる。
「…どう?感じる?」
ウリシュクが興味深そうに、俺を見つめる。
「うーん やっぱ何も…」
「ホマレ様、それから思念を感じます。光生命体の様です。放置されれば後、数日でその者はロストすると思われます。抽出なされますか?」
すると船のメインコンピューターのレオンがいきなり話しかけて来た。
「うわ!びっくりした!!急に話しかけんなよな!!何だよ!?…え?何!?もう一回言ってみてくれ?」
俺は驚いてレオンに問いかけた。
「へ?何?誰かと話してるの?」
ウリシュクも驚いている。
「あ ああ船のメインコンピューターだって…そうかウリシュクには聞こえて無いんだっけ?」
「め めいんこんぴゅ…何?」
「あ いやこっちの話だ。ちょっと待っててくれ」
「何?念話?そんな事も出来るのシグレ?」
「その地点にございます岩らしき鉱石から、光生命体の存在を感知しております。そのままですと数日で、その者はロストすると思われます。光生命体は星間生命として希少な存在です。保護をお勧めいたしますが、どうなされますか?」
シグレアキラの世界では、異種族との交流は日常だ。
いわゆる色々な星々をめぐる旅をしている。
シグレアキラは宇宙人とも交渉をしたり戦ったり仲間にしたりとか設定は考えていた。
中でも光生命体と言われる宇宙人はレアで滅多に会えない。
それは宇宙人の中でも特殊な能力を持っている者が多く、その能力は多種に渡っており仲間に出来れば、きっと重宝するに違いないが敵になれば、ラスボスになるくらい厄介な存在になる生命体だ。
このまま放置すれば消失するらしいし、触らぬ神に祟りなし…とも言うが…
「うーん とさ、こいつ死にかけてるらしいんだけど、こいつって悪人?それとも善人?」
「は?何それ?嘘!?ゴーレムまだ生きてるの!?」
「ああ ほっとくと後、数日で消えちまうってさ。つまり死ぬって事だな」
「ほ 本当に!?な 何でそんな事が分かるの!?」
「俺としては死にかけてる奴を見殺しに、したくはねぇーんだけど命を救っても良いもんか、悩んでんだよな。だってこいつが悪人だったらちょっと強そうだろ?暴れたら面倒くさいだろ、倒すの」
「え!?嘘!?暴れるの!?こんな巨大なゴーレムが暴れたら手の打ち様が無いわよ!ゴーレムって魔法生命体だから魔法の耐性が強い奴が多いのよ私は戦闘はごめんだわ!」
「では少し、この生命体と会話をされて判断されては、いかがでしょうか?」
レオンがまた話しかけて来た。
「え?話せんのか?こいつと?」
「はい私も光生命体ですので、その者と魂をリンクさせる事が出来ます。シグレ様がその大岩に触れていただければ、リンクを繋げられます」
「え?レオンお前凄いな、そんな事出来たっけ?」
「はい仕様です」
そんな設定あったっけ?
うーむ思い出せん。
「ちょ ちょっと!レオンって誰!?誰と念話してるのよ!?」
「ああ ほら船のメインコンピューターだってば、バイクとかさ前に使ったキャンプ用品もレオンが船から転移してくれてんだよ」
「そ そうなの!?メインコンピューターって分からないけど、まだ仲間が居たのねシグレ!」
「うーん 人じゃ無いんだけどな…まぁ今はレオンの事は置いといて、ゴーレムとちょっと話して見るよ」
「ええ!?そ そんな事出来るのシグレ!?」
驚いてるウリシュクを尻目に俺は大岩に手を置いた。
するとスッと大岩から意識の様な物が、俺の心に入って来た気がした。
「おお!これがリンクって奴か!?おーい聞こえるか?ゴーレム!!」
「…」
「おいったらおい!!」
ちなみにこれは心の中での会話なのでウリシュクには聞こえていないよ
「…なんじゃ…」
「お!聞こえたか!」
「うるさいのぉ何だ、お主は…何故我と心を通じさせる事が出来る?」
「うん まぁそれは色々理由は、あんだけど今は、そんな事より、お前もう少しで死んじまうだろ?」
「…ああ無念ではあるが、もはや我の力では指一本動かす事は出来ぬ。恐らく後少しで死ぬであろうな」
「単刀直入に聞くけど、お前って悪人?それとも善人か?」
「なんじゃやぶからぼうに…お前は人族か?その見た目は…もう一人はエルフか…妙な組み合わせじゃな。エルフと人族は確か戦争をしているはずだが?」
「へ?そうなのか?おいウリシュク!エルフと人間って、この世界では戦争してるのか!?」
「ホマレ様、今はリンク状態なので外界とは喋れませんよ」
「え?そうなの?うーんまぁじゃ後で聞けば良いか」
「…待て、お前は、その気配…人では無い!?そ その尋常で無い魔力は…人が出せる理を凌駕しておる!な…何だ貴様は!?ま まさか竜族か!?」
「るっせーな龍なら何だってんだ?やるか?てめぇ」
「あ!デュランダル!勝手に会話に入ってくんなっての!!」
「な!?こ これは確かに竜に近いが…いやそんな物では無い!?こ これでは我がマスターを超える龍闘気を感じる!?ば 馬鹿な!!そんな事は、あ ありえぬ!?」
「ほら!馬鹿!余計な事すんなよ、引っ込んでろアホ龍!!」
「誰がアホだ!誰が!!」
「二人共ケンカしない…話が進まない…デュランダルも黙れ」
「何が黙れだ!バカ女!!」
「な 何!?今度は桁違いの魔力を感じるぞ!?な 何なのだ!?お前達は!?一体、何者なのだ!?」
「そんな事より、あなたの命を助けるか助けないかが今の議題ですよ?デュランダル様もシルファ様も、今は少しお控え下さい」
レオンが二人に注意する。
「お お前は、その気配は我と同じ魔法生命体か!?」
「…この世界では、それで良いと思います。正しくは光生命体ですが今はそれより、あなたの命です。出来れば死なせたく無いのですが、あなたはどうしたいですか?」
レオンがゴーレムに尋ねる。
「光生命体…?ま まあ良い。我もマスターに造られ戦争を戦いぬいたが、この地で討たれ力尽きた身だ。このまま朽ち果てるのがお似合いなのかも知れぬ…マスターの剣となれぬ今の我では、何の価値も無いのでな…」
「マスターってまだ生きてるのか?」
「いやマスターは竜族であるが、あの時よりかなり時が経ってしまっておる。いくらマスターとて、最早存命されてはおるまい」
「どのくらい?」
「そうだな…正確には分からぬが、お主ら人族の感覚で言うと五千年程、我がこの地で倒れてから経過しておるのう」
「ご 五千年!?そりゃ死んでるわ!生きてたとしたら化物だろ!!」
「いや俺にゃ寿命ねーじゃん?俺と同じなら生きてんじゃねーの?」
デュランダルが軽口を叩く感じで、そう言った。
「いや お前と一緒にすんなっての!!」
確かにデュランダルは不老不死って言う
そんな設定だったな。
「ちなみに私も寿命無い」
ぼそっとシルファも同意する。
「あ 私レオンもありません。シグレアキラ様も普通の人間よりは長寿では無かったですか?」
レオンが俺にそう聞いてきた。
確かにシグレアキラは人間だが普通の人間では無いって言う設定で、この世界で言うエルフ位長寿って設定してたっけな。
「な 何と!?お主らは、まさか神の一族なのか!?寿命が無いのは我らの様な魔法生命体以外では聞いた事が無いぞ!?そんな者は神ぐらいな物であろう!?」
ゴーレムが驚愕してそう言った。
次回は5月30日(土曜日)に更新です!
よろしくお願いします!(^^)




