第23話 ゴーレムの大岩(2)
「私に代われば魔力は感じられるよ」
心の中でシルファの声が聞こえた気がする。
まぁそれは、おいおいシルファになる機会があれば試して見るか…
しかし彼女になるのは、照れるんだよな。
やっぱり女子になるのは倫理的にも
どうなんだ?
ゲームならネカマっぽいのはMMOとかで良く居るけど、実際に本物の女子になるのは
やはりかなり抵抗があるよなぁ〜
「別に気にする事は無い。私はホマレなら気にしない」
シルファの声がまた聞こえた気がした。
「しかし凄かったな、あのシグレって少年と炎壊は」
盗賊風の男、ウックはまだ興奮が冷めなさそうに言った。
ウックは30代前半のベテランのシーフだ。
冒険者歴も長い。
「そうかウックだけは、逐一、小屋の外の状況を確認してたんだったな。俺達は事後の状態でしか判断できないが、そんなに凄かったか?」
パーティリーダーのイングディがウックに尋ねた。
「ああ あの少年、只者じゃないぜ?たった一振りの剣技で三分の一位の数のアンデッドを粉々にしちまった。アンデッドには物理攻撃が効きづらいんだが、あの剣は恐らく魔力が乗せられんだろうな。その後の炎壊の魔法も凄かったが物理の剣で、あれ程の威力の技は正直見た事無いぜ…下手したら王宮騎士長に匹敵するんじゃねぇか?」
「なんと!あの少年はまだルフレ位の年齢であろう!あ ありえんのでは無いか!?」
大盾を軽々と担いで歩いている巨漢の戦士
リムジーが驚嘆の声を上げた。
「い いえ間違い無いです!シグレさんは私を街から軽々と抱えて、ここまで運んでくれましたし、私もあの方の戦いは目の前で見てましたから本当の事ですよ…私は、あまりにも驚き過ぎて腰を抜かして座り込んでしまってましたけど…」
と、少し照れて、苦笑いを浮かべてルフレは皆にそう言った。
「ルフレを担いで、ここまで来たのか!?馬を使ったんじゃ無いのか!?」
イングディが、また驚嘆の声を上げた。
「う 嘘…怪力すぎない!?あの子!?見た目は人間っぽかったけど、まさかオーガハーフとか種族違うんじゃない!?」
パーティの弓使いキャロルも驚きの声を上げた。
キャロルはベテランとは、いかないが経験豊かな一流の弓使いだ。
歳は20代前半位で弓使いらしく身軽な服装で動きやすそうな装備で軽装だ。
「ううんオーガっぽい印象は無いわね。オーガの血が入ってると必ず角が生えるけど、そんな感じでは無かったし、恐らく彼か炎壊さんが重さを消す魔法を使ったんでしょうね。
古代魔法には、そんな凄いのがあるって聞いた事あるし炎壊さんなら使えても不思議じゃ無いわね」
チャチャは感心する様にそう答えた。
実際はシグレアキラの只の馬鹿力なのだが
この世界の住人には人間がそんな怪力を使う事は、ありえないので何かの魔法だと誤解するのも、しょうが無い事であった。
「で でも炎壊さんは自分の魔法じゃ無いって言ってましたよ?」
ルフレがチャチャに言った。
「う 嘘!?そ それじゃ、あの子の魔法なの!?まさか!ありえないわ!あの歳で古代魔法を使えるなんて!?」
チャチャが驚嘆の声を上げた。
「いや ありえるだろ、あの剣技だって魔力を使ってるんだ。あの威力に、あの大打撃だ。相当の魔力を持ってねえと、あの華奢な身体から、あの威力の技を出せるとは、とても思えねぇしな。何しろパーティ嫌いで有名な炎壊のパーティメンバーだ。それぐらいの腕があっても不思議じゃねぇ…恐らく、あのシグレって奴も金級の冒険者なのだろうさ」
ウックがシグレを褒め讃える。
「い いやシグレって冒険者の名前は聞いた事が無いぞ?アマランの金級もウリシュクさん以外は名前が違うし年齢も、もっと上だ」
イングディが首をかしげた。
「馬鹿ね炎壊さんは、3年は音沙汰が無かったでしょ?多分、他の国の冒険者じゃない?」
チャチャがイングディに、そう言った。
「そ そうよね他の国の金級は、さすがに有名どころしか知らないしね。あんな子が居たとしても不思議じゃ無いよね…魔導公国か、もしかしたら天空都市とか伝説級の国の冒険者かもね!」
キャロルがワクワクしながらそう言った。
「た 確かに、この国でも伝説級になってる炎壊さんのパーティメンバーなら、そんな凄い国出身って言われても不思議じゃ無いわね…」
チャチャが頷く。
「シ シグレさんが、そんな伝説の冒険者…」
ルフレは驚きを隠せなかったが一連のシグレアキラの行動は確かに常軌を逸脱していた。
ルフレは、それを間近で見ていたのもあって驚きが強いが納得もしていた。
「フフフ ルフレ今の内に、唾つけといた方が良いんじゃない?あの子顔も良いし性格も良さそうだし将来超有望株よ?」
チャチャが、からかう様にルフレに詰め寄る。
「そ そうね、あの子中々の美形だし何しろこの強さだし、これは人気が出そうね…」
真剣にキャロルもうなずく。
「い いえ そんな私なんかがシグレさんとは…」
そう言ったがシグレアキラに、抱きかかえられた事を思い出しルフレは顔が赤くなる。
「あら〜?脈有りね、これ。年も近いしお姉さん応援するわよ〜♡」
チャチャがルフレを、からかう。
「い いえ!そ そんな!私なんかじゃシグレさんとは、釣り合わないですよ…私まだ駆け出しですし…」
「バカね!ルフレ恋にそんなの関係無いでしょ!当たって砕けろ!の精神よ!!私も応援しちゃう!!」
キャロルも、チャチャに乗っかり、からかい出した。
「おいおい、いい加減にしろルフレをいじるのは、それぐらいにしてやれ。またアンデッドが集まって来やがったらやっかいだ。とにかく俺達は、アマランの街に戻るぞ。
炎壊さんが一掃してくれたとはいえ油断は禁物だ、皆気を引き締めろ!!」
イングディがパーティ全員に喝を入れた。
「チェ面白いとこだったのに、相変わらず頭固いねリーダーは」
キャロルがぼやく。
「いや ここは死霊の沼地だが、俺達中級冒険者でも太刀打ち出来ねぇリッチが居たんだぞ?次あれに出会ったらアウトだろ。ここはイングディの言う通り早く街に戻った方が良いだろうな」
ウックが冷静にそう言った。
「そうだ皆早くここから撤収しよう。皆身体は大丈夫か?」
イングディが皆を気遣う。
「大丈夫!」
「大丈夫だ!」
「問題無い」
「へっちゃら!」
「だ 大丈夫です!」
最後にルフレの声を聞き
「良し!アマランへ出発!!」
イングディは、更にパーティ全員に喝を入れる様に大声で指示を出した。
次回の更新は、5月26日(火曜日)になってます!
よろしくお願いします!(^^)




