第22話 ゴーレムの大岩(1)
「皆さん無事でしたか!!」
うれしそうに廃屋から出て来た仲間に駆け寄るルフレ。
さっきまで腰を抜かしてたのに、元気が出た様で良かった良かった。
「!?」
するとルフレの仲間達は、沼の有様に驚愕していた。
「な 何が起きたんだ!?ス スケルトン達は一体…い いやそれよりも、リ リッチは!?」
リーダーらしき青年はルフレに詰め寄った。
「リッチは逃げてしまいました。シグレさんのお話ですともう人は襲わないから許して欲しいと言って撤退したらしいです…」
ルフレが、ちょと自分も理解して無いよ?って感じでリーダに説明する。
「はあ?リ リッチが撤退した?ど どう言う事だルフレ?」
リーダーが困惑してルフレに詰め寄る。
「で ですから、あそこの炎壊さんと、そのパーティのシグレさんがリッチ以外のスケルトンを一掃して下さいまして、皆を助けてくれたんですよ!」
興奮気味にルフレが説明する。
「う 嘘だろ?あの数のスケルトンと死霊に…4体居たオーガのスケルトンまで…もしかして、さっきの爆風と爆炎を、あ あの二人が?」
リーダーらしき青年が驚きの声を上げた。
「え!? う 嘘!?ちょっと待って!?え 炎壊!?炎壊って言ったの!?まさか、あの金級の!?ど どっち!?…って嘘!二人共まだ子供じゃない!?」
魔法使い風の女性がウリシュクとシグレアキラを見て驚いている。
その頃俺は理不尽なウリシュクの抗議にさらされていた。
「いやだからさ、そんな事言われても知らねぇっての」
「あんたね…このワンド凄いとは思ってたけど信じられない威力だったわよ!ファイアートルネードは牽制の為に放った魔法だったのよ!その後に本番の強力なのを撃とうと思ってたのに、何なのよ、あの威力は!?全然牽制じゃ無いでしょ!?私のファイアートルネードに、あんなバカげた威力は無いわよ!!」
「いいじゃんか魔法の威力が上がったんだろ?俺のワンドのおかげで。だったら何が不満何だっての」
「ふ 不満なんて無いわよ。確かに、ありがたい事だし、むしろシグレには感謝してるわ!心から!!でもね驚いただけ!こんな威力になるなら、もう少し考えて魔法撃ったのよ!見てよ、ここ!焼け野原じゃないの!!」
確かに戦う前にあった沼は干上がっていて広範囲に地面がえぐれてしまっている。
さらに焦げ臭い。
「うん ウリシュクやりすぎじゃね?自然は大切にしねぇとな!」
「いや あんたのせいでしょ!バカ!!」
何故だ…理不尽に怒られている気がする。
「す すまない炎壊のパーティ…と見受ける。俺はこのパーティのリーダー、戦士のイングディだ」
20代後半くらいの青年が俺達に話しかけて来た。
「これで全員?何人かやられた?」
ウリシュクが尋ねる。
「い いや、おかげ様で全員ケガはしているが命に別状は無い。助かったよ、ありがとう命を救われた」
そう言うと俺とウリシュクに深々とお辞儀をした。
「ありがとう!!」
すると残りの4人のメンバーも、リーダーと同じ位、深々とお辞儀をしてくれた。
中々礼儀正しい人達みたいだ。
「ルフレ…本当に救援を連れて来てくれるなんて…本当は、そんなの期待して無かったのよ…若い見習いの、あなただけは、まだ死ぬには早いと思って逃げてほしかったの…救援を頼んだのは口実だったのに…本当に無茶苦茶して…」
そう言うと魔法使いの女性は、そっとルフレを抱きしめた。
「チャチャさん…」
ルフレは、嬉しそうに抱き返した。
「それじゃ救援の依頼は達成ね。ああ あなた、きちんとギルドに報告しといてね。それじゃ私達は帰るわよ?」
ウリシュクがイングディと言ったパーティのリーダーに、そう言った。
「あ!ちょ ちょっと待って下さい!あなたが炎壊ですよね?」
魔法使いの女性チャチャがウリシュクに
詰め寄った。
「そうねセンスの悪い、あだ名を付けられたけど私の事よ。それで何?」
素っ気なくウリシュクが答える。
「エ エルフとは聞いていたんですが、まさかその様に幼い容姿だなんて、驚きです!それに実力も噂通り…いえそれ以上です!!さっきの火炎は炎壊さんだったんですね!!」
「う うん まぁあれは、たまたま今日は調子が良かっただけよ…」
少し照れくさそうにウリシュクが答えた。
「そんな!ご謙遜を!!一体、何の魔法だったんですか!?あの数のアンデッド達を一掃してしまうなんて…信じられないですよ!!」
「う うんファイアートルネードを撃った…だけだけどね…」
「ええ!?あの炎の魔法の上級魔法ですよね!!凄い!ファイアートルネードってこんなに威力があるんですね!!」
目を輝かせてチャチャと言う女魔法使いは、ウリシュクに詰め寄る。
「ま まぁ本来はもっと火力は無いんだけどね…」
分が悪そうにウリシュクが少しモジモジしながら答えた。
「ご謙遜を!炎壊さんって噂では無愛想で冷たいって聞いてたんですが誤解してましたよ!」
「だよな俺達を助けに駆け付けてくれるなんてな!」
盗賊風の男が相槌をうつ。
「全くです!スケルトンが100体以上オーガスケルトンが4体、それにリッチまで居たと言うのに、たった二人で救援に駆け付けてくれるなんて…あなた達は命の恩人です!」
リーダーのイングディも同意する。
「まぁもういいわよ、じゃあ私達は帰るけど街までは帰れそう?」
「は はい!ルフレが戻って来てくれたので回復魔法を少し使ってくれれば問題無く街までくらいは、帰れますよ」
チャチャと言った魔法使いの女性が答えた。
ルフレってヒーラーだったんだな。
どうりで神官っぽい出で立ちな訳だ。
なんか見たまんまでは、あったが。
「え?街まで一緒に帰らないのか?」
「ばかね あの乗物知られたく無いんでしょ?ルフレには口止めしてるけど、これ以上人目にさらして噂になったら、きっと面倒な事が起きるわよ?ケガも治せるって言うしギルドへの報告も、やってくれるでしょうし私達の役目は終わりよ。さっさと帰ってゆっくりしましょう」
確かにエアバイクの事は、あまり多くの人間には知られない方が良いのかも知れない。
どこでそれを入手したか?とか売ってくれとかトラブルにも、なりそうかも知れない。
この世界では珍しい物みたいだし、ここはウリシュクの言う通りかも。
するとルフレが足をケガしたであろう仲間に魔法を使っている。
ルフレの杖が光ってあわい白色のオーラの様な物が出ている。
あれがルフレの回復魔法か。
初めて見た。
ウリシュクやデュランダルの攻撃魔法と違って優しい力を感じる。
「じゃあ悪いけど後は自力で帰ってくれ。俺達はちょっと用があるから、そこに寄ってから帰るよ」
「あ ありがとうございました!!シグレさんに炎壊さん!!」
ヒールを終えたルフレが走り寄ってくる。
魔法を使って少し疲れてる感じなのに、走り寄って来るなんて、よほど感謝してくれてるみたいだ。
「ギルドへの報告よろしくね。それじゃね」
ウリシュクが軽く手を振る。
「は はい!それぐらい、お任せ下さい!!」
元気良くルフレが答える。
「あなたの高名に傷がつく様な報告は絶対しませんから、ご安心下さい!!」
チャチャが相槌をうつ。
「全くです本当に、本当に、ありがとうございました!!」
リーダーのイングディも、それに続く。
それに俺も軽く手を振って応えて俺達は
ゴーレムの巨石のある場所へ向かった。
「やっぱりゴーレムが気になるんでしょ?」
ウインクしながらウリシュクが聞いてくる。
いちいち可愛いな本当にこいつは…
「ああ もう少しちゃんと調べたくてさ…それにしても、お前疲れてなさそうだな?」
「え?何で?」
「だってルフレは魔法使って疲れてそうだからさ。ウリシュクは平気っぽいな?」
「あのねぇあんな駆け出しと一緒にしないでくれる?私とルフレじゃ魔力の総量が違いすぎるでしょ?攻撃魔法と回復魔法じゃ種類は違うけど使う魔力は一緒だから同じ事よ。威力は凄くなってたけど、私のファイアートルネードくらいじゃ大した魔力は、使って無いし9割くらい残ってるから全然大丈夫よ」
なる程、ウリシュクとルフレじゃレベルが違いすぎるって感じか。
「それを言うならシグレだって、大丈夫なの?剣技だって自分の魔力を使って出した技でしょ?あんな強力な技出して平気なの?」
「へ?そうなのか?全然平気だけど?」
「呆れた…まぁあなた、とんでも無い総量っぽいしね…見た感じ、全く減ってなさそうだしね…本当に常識を超えてるわよ…」
呆れた表情でウリシュクがぼやいた。
うーんシグレアキラには、魔力なんて無いんだけど、さっきのは只のぶん回しで、何か本当に稲妻が付加されたのには驚いたが魔法って言うより、只の剣の技って感じなんだけど、まぁシグレアキラの魔力が減ってないのは、入ってるシルファの魔力が桁違いだからってのがあるから、そう見えてしまうのだろう。
しかし魔力って感じられるのか?
シグレアキラの世界には魔法が存在しないからか、シグレアキラで居る時は、全く何も感じない。
はたから見るとシグレアキラが、凄い魔力持ちに見えるらしい。
どんな風に見えるのか、ちょっと興味あるな。
次回は、5月23日(土曜日)の更新になってます!
よろしくお願いします!(^^)




